1/23に発表された米アカデミー賞ノミネートで『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞で日本映画として初めてノミネートを果たしたとのこと。
これはこれで喜ばしいのですが、他の候補作の製作費を見て驚きました。
『ゴジラ-1.0』は製作費15億円ですが、今年の視覚効果賞に『ゴジラ-1.0』とともにノミネートされた作品を、製作費とともに並べると…
『ザ・クリエイター/創造者』 8000万ドル(120億円)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』 2億5000万ドル(375億円)
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』 2億9100万ドル(436億円)
『ナポレオン』 2億ドル(300億円)
※1ドル=150円で換算
何と1ケタ違っていることに驚かされます。
少ない制作費でいい映画を造れることに越したことはなく、その意味では『ゴジラ-1.0』のスタッフは優秀だと思ってしまいます。
ただ、制作費を削りすぎると華やかな作品が造りにくくなります。
制作費を削って失敗したのが去年の大河ドラマ「どうする家康」。
【働き方改革】新聞記事に大河ドラマ『どうする家康』撮影にCG使い制作費3割、労働時間半減に成功と聞くと聞こえがいいのですが、「大河好きは序盤で離脱、視聴率で見る「どうする家康」 「関ヶ原」の結果は 視聴者は「戦闘シーン」よりも「人間ドラマ」に魅力」というネット記事があり、CGのクオリティの低さに愛想をつかした大河好き(=固定ファン)が序盤で離脱した結果、平均視聴率歴代ワースト2という散々な結果になってしまいました。
(参考)ZAKZAK
https://www.zakzak.co.jp/article/20231118-S2BGWIWEUZIITMRRUHRCXZ3LIA/
「三方ヶ原の戦いや本能寺の変など戦闘を中心にした回は成績はよくない」とあり、「麒麟が来る」と違って、CGクオリティを下げたり、(こちらはコロナ禍で大人数での合戦シーンが獲りずらかったという理由はあったのでしょうが)大規模なオープンセットがあまりなかったのが一因だと考えます。
(参考記事には「弱々しい家康を見捨てる人が増えたようだ」とありますが、「鎌倉殿の十三人」最終回の予告では「家康は弱虫だった」と解釈した番組だということが紹介されているので、大河固定ファンで家康が弱々しいからといって見捨てる人は少数派だと考えます)
「大河は聖域」だと考えて、それなりの資金を投入すれば「麒麟が来る」並みの視聴率・評価は得られたのではないかと考えてしまいます。
「どうする家康」の視聴率が低調に終わった結果、元々不人気時代・設定の「光る君へ」にも影響を及ぼしてしまい、初回視聴率が歴代ワーストという不名誉大河になってしまいました。
日本は不況なので製作費を削減しようとする考えは分からなくもないのですが、「麒麟が来る」並みの制作費・手間を惜しまなければ「どうする家康」は「大河好きは序盤で離脱」ということもなく、「光る君へ」も不人気時代・設定ではあるものの、歴代ワーストは避けられた可能性もあり得たと考えています。
(受信料前提のNHKでは無理かもしれませんが)日本映画・ドラマはハリウッド大作並みにお金をかけられるようになると、日本映画・ドラマの人気も高まるのかなぁと思ってしまいます。
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