「首」
監督:北野武
MOVIX京都で観ました!
めっちゃおもしろかったーーーー!!
初日午後、入りは半分くらい。
たまたま京都旅行中だったため、京都で鑑賞。
帰りは、(移築されてるけれど)本能寺の前を通る。
「キリエのうた」に引き続き、映画の現場で観るってのは、なんとなくいいもんだな。怖いけど。
ネタバレあります。ご注意くださいませ。
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最初から血は流れ死体が転がり死体を食らう生物が映る
うわ。
赤字の「首」のタイトルが、刀で切られる
まさに斬首
バックはキタノブルー
加瀬亮の織田信長が最高!
イかれてる!
衣装がめっちゃかっこいい!
黒と赤。
イメージ、吸血鬼。
魔王のような西洋の騎士的な雰囲気のあるマントとか、いい。
加瀬亮の顔が白いので映える。
尾張弁。全然わからんが、おもろい。
遠藤憲一の荒木村重に刀に差した饅頭食べさせて、口の中で刀グリグリするの、やめてーーー!
血にまみれる口元を吸う笑う信長。狂気だわ。
使命を仰せつかり、その場に残った、西島秀俊の明智光秀と、ビートたけしの羽柴秀吉。その喋りは、いまの時代の会社での一幕のようでもあり、親しみを感じる。
村重を匿うことが軸になってる。
そこには同性愛がある。
女性の匂いがほぼなくてよい。
醜女が好きだという小林薫の家康もよかった。
醜女役の柴田理恵も、醜女を選んだ家康に嫌な顔する家老もおもろ。
六条河原斬首とか、戦で、首とって持ってくときの、首から滴る紐みたいな内蔵物とか、切腹時に腹に入ってる刀とか、匂いはしないけど、映像として刺激が強い。
後半は、曾呂利役の木村祐一がいうように、まじめでおもんない明智光秀と、弟の応援と頭の良い参謀を持ったいらちな田舎の大将秀吉の戦い。
ヤクザ映画もやけど、戦国時代も、頭おかしいか、頭が回らんと、天下は取られへんね。政治家ってことやもんな。いまの政権も狂ってるしな。
この時代は、天下取りが退屈しのぎやったんやな。とも思いました。
光秀は最後まで武士でありかっこよく、結局、村人が横取りする手柄。
最後も、オチのようなセリフで終わる。
自分の欲望のためになりふり構わず生きる人しかいなくて最高だった。
基本、コメディー。
たけちゃんの秀吉は、芸人ビートたけしの秀吉だった。
役者がどなたも素晴らしいけど、キム兄苦手な私としてはやっぱり苦手ではあったな。役者じゃないからそのまんまやねんもんな。
岸部一徳のしゃべり、風貌はたまらんし、大竹まことの平面で裏のありそうな感じもよかった。
みんな、声もえーんよなーー。
MVPは加瀬亮やけどな!
あの本能寺でのとこもめっちゃよかったな。
あんな風に死ぬなんて。
歴史には疎いのですが、史実を大層に描いたり、もったいぶった演出もなく、わかりやすく歴史を伝えるでもなく、その時代に生きていた人の欲望と生活を描いたものでした。
戦の場面は壮大で、実際こんな感じなんかなあ、と思いながら観る。
「七人の侍」「蜘蛛巣城」「乱」「地獄の黙示録」「キルビル」などを思い出す。
顔のアップの画が多いように感じたのは、役者の顔がいいからか。現場の作り込みが難しいからか。テンポよく進ませるためか。単に監督の好みかな。
衣装は黒澤和子さんだった。
衣装、ほんとすてきだった。かっこいい。
エンドロールに、日本語と英語表記がされているのもよかった。
斬首、クビ、首領、など、ほんまこれしかないな、ってタイトル。
能楽、ダンスも詰め込まれ、北野武監督の趣味がふんだんに入った楽しい映画でした。
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