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2023年11月17日04:15

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愛おしくもダメな家族

昨日は新宿ピカデリーで「愛にイナズマ」を観てきました。

監督:石井裕也

配役(役名):松岡茉優(折村花子)、窪田正孝(舘正夫)、池松壮亮(折村誠一)、若葉竜也(折村雄二)、佐藤浩市(折村治)、仲野太賀(落合)、趣里(携帯ショップの窓口担当者)、高良健吾(ホテルの社長)、MEGUMI(原プロデューサー)、三浦貴大(荒川助監督)、芹澤興人(バーのマスター)、北村有起哉(配送会社の社長)、益岡徹(則夫)他。

新人映画監督の花子はドキュメンタリー映画の題材を街中で撮り続けていましたが、ビルから飛び降りようとしている男がいて、辺りは騒然としながらも誰もがスマホで男を撮りますが、中には早く飛べとか、罵声を浴びせる者までいて花子はその声が胸に刺さります。
花子も撮影用カメラを構えますがカメラが不調になり、その前を青年が通り過ぎます。

花子は原プロデューサーと荒川助監督に自殺未遂現場の映像を見せますが、荒川は野次馬の暴言が「ありえない」と辛口な批評をします。
花子は母親が蒸発してしまった自分の家族を題材にした作品を撮ろうとしていて、また家賃が払えない程お金にも困っていました。
花子は野次馬の発言の有用性を力説しますが、かえって荒川に未熟さを指揮されます。

場所を花子の部屋に移して3人で酒を飲みながら議論と批評の後、原と荒川は引き揚げますが、荒川が直ぐに戻って来て、原の手前悪く言ったが、もう一度飲み直そうと花子に迫ります。
しかし花子はこれを拒否して荒川は引き揚げます。

自殺未遂現場で花子の前を通りかかった正夫は、大人2人と男子高校生が揉めている現場に遭遇します。
少年はコロナで自粛が呼びかけられている中で、大の大人がマスクを着けずに外で路上飲みをしているのを上から目線で酷評し、大人が腹を立てていたのでした。
少年に掴みかかろうとしている男に正夫が割って入り止めたものの正夫は顔を殴られてしまいます。
花子はその現場を見ていて、正夫が行きつけのバーに入ると花子も後を追ってバーに入ります。
花子の顔を見た正夫は花子の名前を知っていました。
正夫の友人で俳優の落合は花子の撮る映画のオーディションに落ちて落合は正夫の部屋に転がり込んでいて、それで正夫は花子の事を知っていたのでした。
酔った正夫はとりとめのない話をし、花子は上の空で話を聞き流すと、すっかりその気になり2人はマスターの見ている前で唇を重ねます。

正夫が帰宅して酔いが覚めると、落合は正夫が寝言で花子との会話を口にしていたと告げます。

花子は荒川とぶつかりながら映画の撮影に入りますが、花子は病気という事にされた挙句監督を荒川と交代させられます。

正夫が仕事から帰ってくると落合が首を吊って死んでいました。
落合は花子の映画に出る事になっていましたが、津全キャンセルされて自信を無くしていたのでした。
葬儀の後、花子は原に詰め寄りますが、原はニヤけた顔をして取り合いませんでした。
映画のストーリーは荒川が書き換えてしまっていました。

正夫は自分には夢もないので、マスくを買わずに他人から集めたアベノマスクを100枚使いまわして貯めた金を花子に使ってもらおうと花子に通帳を渡そうとします。
花子は怒りますが、正夫は家族の映画を撮るのを諦めるのかとやり返します。
品子は実父の治に映画に出演させて本物の家族のリアルさを出そうとしますが、素人の治では画にならず諦めます。

治は正夫と酒を酌み交わし、花子の話をし、自分は胃癌だが花子の前に出ると言い出せなかったと言います。
治は死ぬ前に花子に何かしてやりたいと思い、演劇経験者の長男誠一に花子の映画に出てくれと頼み、誠一は弟の雄二を巻き込んで映画撮影に付き合わせます。
誠一は治に会うのは10年ぶりで、花子も治からの電話を無視し続けていたのでした。
花子は治と誠一と雄二に家族の真実を語って欲しいと頼みますが、折り合いの悪い家族は大喧嘩になります。

治は病気の事を隠しますが、治と正夫を自宅に残して兄弟妹3人は海岸で話し合い、唯一治の病名を知っていた雄二が兄妹にその事を話します。
帰宅して食卓を囲みながら治は元妻に電話をすると言い出します。
花子には元妻が海外に行った事にしていました。
治は家を出て行った元妻に携帯電話を持たせ、基本料金を払い続けてきたのでした。
誠一は反対しますが、花子の希望で治は元妻に電話を掛けますが、出てきたのは亭主で、元妻は3年前に病死した答えます。
電話を切った治は亭主が嘘をついているかもしれないと言い、元妻への思いに踏ん切りをつけます。

治が勤めている会社の社長と治が話している様子を見ていた花子は、その日常会話に「みんな俳優だ」と呟きます。
その隣で、家族のいない正夫は初めて家族というものに触れたと感慨を呟きます。
治は元妻は生きているのではないかと信じていたのでした。

家族で携帯ショップに行き、元妻の携帯電話の解約を申し入れますが、担当者は本人でないと受け付けられないとにべもなく断り、誠一が「母は死んだ」と言うと担当者は「それでは戸籍謄本を見せてください」と返され、家族は諦めます。

治は馴染の則夫の店に家族と正夫を連れて行きます。
則夫は正夫が自分の死んだ娘を弄んだ男を懲らしめた結果、慰謝料が発生して元妻が出て行ったという真実を話します。
治は自分の病気の事を話しますが、他の客たちの話から闇バイトの首謀者である事を知り、治が客たちに食って掛かろうとするのを誠一が止めると、正夫が矢も楯もたまらずいったん出た店に引き返そうとすると結局、誠一が踏み込み殴られて唇を切りますが花子のカメラが不調でその様子の撮影に失敗していたのでした。

帰宅した家族が酒を飲んでいると雷が鳴って停電します。

治が亡くなり兄弟妹たちはそれぞれの生活に戻り、教会で祈りをささげる雄二に治の魂が語り掛けてきます。
誠一は社長が俳優の接待で連れて行ったガールズバーで社長に花子の事をバカにされて社長に盾つくと社長と揉めます。
誠一は海岸に雄二と花子を集めて家族でハグしようと持ち掛けます。
花子は嫌がりますが、正夫は既に兄弟妹はハグしていたとスマホの映像を見せます。

治の遺言により花子は治の骨を海に散骨しようと船に乗ります。
誠一が花子に映画はまだ出来ないのかと問うと花子はタイトルを「消えた女」から「消えない男」に変えると言い出して散骨し、正夫に自分は諦めないと呟くのでした。

映画監督の娘と、どうしようもなく仲の悪い家族、そして空気の読めないモヤモヤした青年たちの、ダメだけど憎めなくて愛おしくなるような人たちの物語でした。

公式サイトURL
https://ainiinazuma.jp

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