レイディ・マクベス

10/11(水）よみうり大手町ホールへ行ってきました。



これは、確か、丸ノ内線池袋駅ホーム脇にあったパネルです。
スマホを見返したら、7/4に撮影してました。
今回会場で撮ってみたのですが、ポスターサイズだったのと、照明の関係で光ってしまって、うまく撮れなかったので

今回の出演者は、この方々。
天海祐希　アダム・クーパー　鈴木保奈美　要 潤　宮下今日子　吉川愛　栗原英雄

天海さんとアダム・クーパーさんの共演というだけで、ワクワクしましたが、
マクベス夫人を主役に据えたお話とは、一体どんな話なんだろうと思いました。
とはいえ、事前に公式ＨＰを見る事もなく、劇場でみたのですが、一言でいえば、「なるほど〜こういう事なのか」という印象。

後になって、公式HPをみたら、イギリスの女性作家の新作書下ろしであり、演出もイギリス人。なるほど、演出家のウィル・タケットは、英国ロイヤルバレエに長年在籍していて、アダム・クーパーとも長年の知り合いなのね。

終始、暗い照明の中、円形の枠が上下に2重にあり、その中か、外かで演じられていたのですが、何がビックリって、「ハムレット」のハムレット並みに、レイディ・マクベス演じる天海さんの膨大なセリフの量。
ある意味、ストーリーテラーのようでもあるから、二役演じてるかのようにも見えた。
レイディ・マクベスだけど、出産によって、キャリアを絶たれた女性で、自分の思いを夫に託し、夫が戦場で戦い続け、自らは家でひたすら待つ身。
あの円の中から、出ないことが、家に縛られている事を表していたのかな？
気弱な夫を励まし続けて、送り出すけれど、そもそも夫には王になる欲さえ、ない感じ。
どんどん心身ともに、疲れ果てていくように見えた。

強気なレイディ・マクベスを演じる天海さんは、愛する夫を盛り立てつつ、2人で王国を統治する夢を抱いている様子が、ある意味、健気な女性と野望を持つ女性の両面があって、現代の女性の、キャリアも捨てず、家庭を持つことの両立を体現してる女性に通じる気がしました。まぁ、みんながそれを望んでるわけではないでしょうが…

うちの会社にも、働くママは沢山います。その姿は、実にパワフルです。
出世する気があるバリバリ系は、私の周りにはいませんが…
管理職になると、大変さが段違いだからじゃないかと、想像します。

マクベス役のアダム・クーパーさんが、「どのくらい日本語でセリフを話すのかな？」と
思ったのですが、正直、想像より少なめでした。
途中、英語でセリフをまくしたてたので、「あら…その場面は、心の叫びを吐露するのか？」とビックリ。その時は、大体わかったけれど、今となっては思い出せない
天海さんと二人で、スローなダンスをしているシーンがあったのですが、印象的でした。

血縁に王位を譲るつもりがなさそうな王を栗原さんが演じているのですが、良い声の響きが、王様らしさを倍増させてました。
マクベスを選ぶ可能性をちらつかせながら、簡単には譲らないそぶりが、レイディ・マクベスに、殺意を抱かせることになるとは、少しも疑っていないのが、長年の信頼ゆえか。
一方、レイディ・マクベスも、殺そうとしつつも、葛藤しているのが、尊敬し慕っているからか。

マクダブを演じた鈴木保奈美さんは、その凛とした声と雰囲気が、天海さんと対峙する感じ。自分の立場が、彼女によって、どう変わってしまうかが気になってしょうがない。
それは、まるで、政治家のトップが変わる不安を常に抱える取り巻きのよう。

マクベスとレイディ・マクベスの娘の立ち位置がよくわからなかったなぁ。
娘は、自分が生まれた事で、母親の将来をダメにした意識があるけれど、
途中から話が変わってきたように思えて、彼女の存在が私にはわからなくなってしまった。

レイディ・マクベスの幼馴染バンクォーの要さんは、レイディ・マクベスのおこぼれにあずかって、自分が得すればいいって感じ。言い回しも、雰囲気も、要さんが、イヤミなほど似合ってました

それにしても、途中から、戦いをやめないトップを、どうやったら、誰が止められるのかという雰囲気で、それは、まるで一人の独裁者が引き起こした戦争を彷彿させる感じがしました。（もう一つ中東で始まってしまったけれど…）

レイディ・マクベスの一生を、現代にも投影して描いているように思えたけど…
どこか、もやもやが残る感じでした。
まぁ、人生は、その人自身が納得いく人生を送れたかどうかなんでしょうから、人にはわかるはずもないですね。

なんだか、とりとめなく書いてしまいましたが、外国の演出家さんの舞台は、時々私には、「うーん」と悩みながら見終わることがあります。
どこがどうとは、うまく言えませんが…相性みたいなものですかね
日本の演出家さんでも、そういうのはありますもんね。

公式HPは、こちら…色々動画もあります。
https://tspnet.co.jp/whats-ons/ladym/