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2023年10月17日15:57

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キリエのうた

『キリエのうた』
監督:岩井俊二

新宿バルト9にて。

おもしろかったーー!

ほぼ予備知識なしで観たら、新宿が多く描かれているし、ちょっとうれしかった。

以下ネタバレありまくります。

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オフコースの「さよなら」を歌う声
アイナ・ジ・エンド
広瀬すず
雪原
岩井俊二監督作品
雪原の2人の少女

しょっぱなからするっと岩井俊二ワールド!

時系列ではないため頭も動かすからか178分をさらっと観ることができる
なぜそうなったのかは後からわかる
でもわからないこともたくさんあった

なんといっても、映像の美しさ
俯瞰で見た、海の、波の、美しさ
雪の中、ズボズボ歩いていく制服の少女2人

松村北斗(なっちゃん)の2つのシーンが際立って好きだったし、素晴らしかった。

警察に呼ばれてルカに再会する廊下での場面
「ごめんなさい」みたいなこと言われて、「いや、全然全然」って手振るとこ。
あの自然な態度。後ろで見てる警察がぼんやり映ってるのも印象的。

ルカにキリエを重ねて、2度見して泣き崩れるとこ。

あとは、黒木華の、小学校の先生の、どんくさい服装とちょっともっさりした感じととってもまっとうな優しさと正義感。素晴らしかった。

キリエに逆上する男性の舌も相当気持ち悪い映像。でもあの人悪い人じゃないんだよね。

マオリんとこに家庭教師に来たなっちゃんがおもむろにギター弾いて歌い出して、「歌うんだ」って笑うとこ。普通の生活で自然でよかった。

何かのシーンで、マオリのアップに、左からルカのアップが入ってくるところ。すごくよかったなー。市川崑っぽいのかな。美しい2人を切り取った、映画ならではの画面だった。

で、なんといっても、アイナ・ジ・エンドという歌えるミューズを見つけたからできた映画なんだと思われます。

ただ、私は、アイナさんのボーカルが以前から苦手で、やっぱりそれは拭えなかった。
あと、天然で弱やばなキャラクターも、チャラに続いて、もしかしたら演技力からそういうキャラが活きるということかもしれんが、もう、そういうのは、好きじゃないな。
自分が10代20代前半ならキリエに自分を投影したり憧れたりできるかもしれないけれど、もはや、まっとうに税金収めて生活してる大人なので、岩井俊二のミューズへの眼差しに鼻白んだ。

あと、ユーチューバーとか音楽関係者周りの人たちの言動や態度や服装。今もあんななの?もしくは岩井俊二が彼らをよく思ってないための悪意か?

ラストの方は、岩井俊二版アメリカンニューシネマ。
笑えない
路上ライブに騒音の苦情が出たと警察来て、許可証見せて、って言われてんのに、うちにおいて来たかなー、っていう主催者。最低だな。
そんで、演者に心配させて、演奏者は、アコースティックではなくエレキで音出して、歌い出して、警察の拡声器の声と、キリエたちの演奏と、お客さんの歓声と。
それを素晴らしきことのように映してる。
金八先生の「時代」のように。
は?
警察悪者みたくなってるけど、主催者がちゃんと許可証持ってたらよかっただけでは?
と、イラッとしてる中で、「マオリ!」と呼ばれて刺されるイッコ。青い花束持って駆ける広瀬すずを撮りたかったのはわかるが、気持ちが入り込めんわ。

というわけで、
「リップヴァンウィンクルの花嫁」のようなファンタジー設定から、よりリアルな設定なのに、リアリティにかける様々に、ついていけませんでした。
でも、おもろかったよ。
安藤裕子も奥菜恵も浅田美代子も村上虹郎も北村有起哉も大塚愛も武尊も江口洋介も石井達也もちょっと大きめで鳴るBGMもおもろかった。岩井俊二作品に小林武史のピタリとハマること。

岩井俊二作品は、旦那Tの方が熱量高く好きで、今回もハマっちゃって、キリエのバレエの真似とかするので、完全無視でイラッとしています。
40歳過ぎたら、男性の方が好きなんじゃないかな、この作品。

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