次男の誕生日

「10月10日に子どもの誕生日って、ハズカシイよね！元旦からナニしてたんだって思われるよね！」

と、昔、保育園でママ友がグループで冗談を言っていた。
それは、私を貶める嫌味のように聞こえた。

私の長男は10月９日、次男は10月12日が誕生日だ。
しかし、それぞれ出産日が早まったので、元旦からヤリまくっていたわけではない。
そんな事より、正月は同居の障害者一級の姑の世話と、姑や夫の親戚や訪問客の応対で忙しくしていて、浮かれた気分など新婚当初から無かった。

ここで言わせてもらうけど、自分の親と同居で、親が育児に協力してくれて、正規雇用の仕事を結婚育児関係なく続けられた人に卑下されたくはない。

「家庭や親に恵まれているからって、威張られたくない。」
と、かなり後になってから彼女には言った。
貴女もおヤリになったから、お子さんがおられるのでしょう？

長男次男の誕生日が来る度、苦々しく思い出される。

次男はその姑にそっくりな容貌で生まれた。
しかも、長男が1歳の誕生日に「もう一人生まなきゃね」と姑に言われ、長男を妊娠する前に開腹手術をして、手術痕が攣って辛い妊娠期間も誰にも助けて貰えない育児と介護と家事をこなした1年目に、半ば強制された二度目の妊娠、育児と介護のダブルケア、実母は統合失調症だから実家にも逃げられない。
次男が生まれた時から可愛いとは思えず、そういう自分が情けない母親で申し訳ないと思っていた。
姑は「誰の言う事も聞かない」と自分で豪語する人で、嫁いびりは無かったが遠慮する人でもなかった。
次男が生まれて2か月目に、姑が風呂場で転び左半身麻痺と弱視の障害に加えて、肋骨4ヶ所の骨折、背骨の圧迫骨折…諸々、次々出てくる体調不良に認知症、2人の幼児より手が掛かり疲労困憊だった。うっかり次男を小児喘息にしてしまう。

何故、家に居る専業主婦は暇だと思われてしまうのだろう？
夫は会社一番の働き者だったので2時間も早い出勤で定時に帰宅するから、早い朝食に風呂晩酌夕食を繰り返す、育児参加は子どもを風呂に入れるだけ（本当に入れるだけ、入る前と出た後は私が世話する）
三男が生まれるまでの3年間は2人の誕生日にケーキを作ったりもしたが、早々保育園に預けてしまったし、楽しい思い出が少ない。
姑と子ども連れの遊園地や旅行は内心辛かった。外でも内でも手ぶらで歩けない。
子どもは育つが、介護は悪くなるばかりで何時終わるか分からない。

昨日、次男からメールを貰い返信した内容に、
楽しい思い出が少なくて申し訳ない。今の次男の住環境は良いので誇らしくもあり羨ましくもある。病気にならないように気をつけて、と書いた。

「ありがとね」次男の返事。
…無事で何より、こちらこそ。