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2023年09月18日20:13

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1970年代前半、西欧 vs 東欧

昨日、1975年のベルギー映画でちょっとカルトフォロワーがいるようなJeanne Dielman, 23 Quai du Commerce 1080 Bruxelles ってのを観てきたのだけど、へー、ヨーロッパってこんなんだったの?って思わせる映画だったわ。

1975年公開ということだから1970年代前半にブリュッセルで撮った映像なんだろうけど、アパートの装飾とか家具調度とかが、ベルリンの東ドイツ博物館やザグレブのユーゴスラビア博物館とそっくりで、この映画が西欧でなくってハンガリーやユーゴスラビアの映画だと言われても信じてしまうようなものだったのよ。夜の街も暗いし、昼間出てくるのも街頭が見当たらないので夜暗いのが納得いく感じ。201分の長い映画なんだけど、その中で多分40代?シングルマザーのJeanneって女の日常をこれでもかこれでもか、と丹念に単調に描く映画なのよね。ジャガイモを剥くシーンではカメラアングルを変えずにずーっとジャガイモ3個剥くまで撮ってるし。



キッチンで働いてる描写が長い映画なんだけど、ガスレンジは自動点火じゃなくってマッチで火をつける、リビングのガスストーブもマッチで。なんか冷蔵庫がない感じでその日に買ってきた肉はその日のうちに調理、って感じ。だっさい昔ながらの魔法瓶で保温悪そうだし、もちろん電子レンジはないし、テレビはなくってラジオ聴いてるし、洗濯するシーンがないのでわからないけど、多分洗濯機もないわ。当時の日本の方が、というか電器屋やってたアタシの家の方が1970年代家電そろってたし、近代的な生活してたわよ?って感じよ。ちょと前に観た1966年のアメリカ映画、Who's Afraid of Virginia Wolf?は流石アメリカ10年近く前なのに、テレビはあるし、大きな電気冷蔵庫はあるし。

アタシが育ったのは1960年代だったから、小学校にはソ連のプロパガンダ本があって、モスクワのグミ百貨店の写真とかヤルタのリゾートで海水浴するロシア人家族の写真とかがあって、当時の日本より「ソ連」は豊かな感じだったのよね。でも、あれもプロパガンダだし、モスクワと田舎は全然違っただろうしねぇ。

で、考えたのよ。西欧と東欧、生活水準で差がグーンと出始めたのは1970年代後半からなの?うーん、壁のできた1961年時点で西と東のベルリンではかなり違ったみたいなので、ベルリンとかパリとかロンドンとか局地的には差があったのかしらね?でも西欧のコアの首都、ブリュッセルでこれ?それとも主人公がシンママで貧乏だから?

で、映画の長い題名、23 Quai du Commerce 1080 Bruxellesと住所が入ってるのでグーグルマップで調べたら、ブリュッセルの都心の北西、アタシが去年行った時に泊まったホテルから700m、徒歩10分以内の場所だわ。激近やん!映画の中では道路も広いし車が多いけど、今はかなり車の乗り入れ制限してる感じでもっと歩行者にやさしい街のような感じだったわ。ま、50年も経てば街も変わるわね。

なんか、ヨーロッパ、ますますわからなくなった感じだわ。
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