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2023年08月26日10:38

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【質問】 ハンガリー郵便で使われた電気車輌について教えてください.

 【質問 kérdés】
 ハンガリー郵便で使われた電気車輌について教えてください.
Kérem, mondja meg a Magyar Posta által használt elektromos járművekről.

 【回答 válasz】
 ハンガリーで初めて自動車が登録されたのは1896年のことである.
 そして,まだハンガリーでは自動車製造もされていなかった1898年,ハンガリー王立郵便局(公社)はにフランスのプジョー製トラックを輸入した.
 とはいっても,初期の自動車メーカーは車台,エンジン,その他駆動関係を提供するだけであり,キャビンなどの部分はサードパーティの工房が追加工作するものだったので,プジョーもそうした可能性が高い.

The Peugeot lorry purchased in 1898 by the Hungarian Postal Service in the permanent exhibition of the old Transport Museum (Photo: MMKM)
https://pestbuda.hu/en/post/20201126_motorised_tricycles_a_new_postal_service_arose_120_ears_ago
faq230814mc

 このトラックは自動車化された車輛の利便性を証明し,郵便局は保有車輌拡大を決定.
 ハンガリー郵便が完全に自立したのは1908年だが,すでに1900(別のサイトでは1903)年,ポストから郵便物を回収する三輪自動車22輌の入札を発表した.

 これに対し,ゲーザ・フェーニ Géza Fényi が所有するヴェロドロム・アウトモギル・ガレージ社 Velodrom Automogil Garage が,プジョー三輪自動車20輌を応札.
 これはド・ディオン・ブートン De Dion-Bouton エンジン,2.25馬力を搭載していた.

 他に長い歴史を持つ多くの外国の自動車工場も応募したが,機械技師のツォンカ・ヤーノシュが新進気鋭のデザインで賞を獲得した.
 当時ブダペシュト工科大学の研究工房の責任者だった彼は,ハンガリー自動車史の著名な人物というだけでなく,キャブレターの共同発明者として世界自動車史上にも名を残している.

 その車輌はプジョー三輪自動車に似たもので,工科大学内の工房で技師自身と彼のチームによって組み立てられ,その後数年間,ツォンカは発注された車輛の生産も監督した.
 このとき作られた電動三輪自動車は,ハンガリー国内製造としては初の電気自動車だと考えられている.

The Csonka letter collector in the permanent exhibition of the Transport Museum (Photo: MMKM)
https://pestbuda.hu/en/post/20201126_motorised_tricycles_a_new_postal_service_arose_120_ears_ago
faq230814cn

 この車輌は三輪自転車に似ており,ハンドルとシートは自転車そのもので,ペダルも付いていた.
 しかし電動自転車とはエンジン配置が異なって,エンジンは車体後部に搭載されており,後輪の車軸に動力を供給した.
 郵便回収用の荷台はエンジンの後方に設置されており,それには小さな金属屋根がついていた.

The Csonka-designed post collector in operation
https://pestbuda.hu/en/post/20201126_motorised_tricycles_a_new_postal_service_arose_120_ears_ago
faq230819cn

 ツォンカの設計に基づいて車輌を実際に製造したのはガンツ社だった.
 動力もハンガリーで製造した.
 ツォンカの発動機は2.25馬力で,フランス製のものに似ていたが,キャブレターが新たに装備されていた点が異なっていた.

 1905年,この車輛は未舗装路でのブダペシュト〜アソード〜カッッシャ〜ロェーツェ〜ケーシュマールク〜デーシュ〜マラマロッシゲト〜コロヂュヴァールテメシュヴァール〜セゲド〜ブダペシュト Budapest–Aszód–Kassa–Lőcse–Késmárk–Dés–Máramarossziget–Kolozsvár–Temesvár–Szeged–Budapest 間のテスト走行を故障なく完走した.

 同年の郵便公社の公式報告書によれば,この車輛は1日当たり17周回し,40km走行したという.
 馬車の場合,一周当たり15フィラーの経費が掛かったが,電動車輌では1クラウン5フィラーかかった.

 郵便配達員は数ヶ月の訓練を経て、1900年11月19日に初めて,この新しい車輌に乗り換えた.
 当時,ブダペシュトの道路交通法規はあまり多くなく,しかも制定されたのは1909年だったため,1900年当時,この訓練は必須だった.

1902年にはツォンカは,ロベルト・ボッシュが発明したマグネトーを追加する,独自設計を行った.

 ツォンカの郵便回収車は大変な成功を収めたので,1905年には郵便公社は新型車両,荷物輸送トラックの設計を彼に依頼した.

Csonka-féle 1904-es 2,5 m3-es csomagszállító, 1914
Csonka's model 1904 2.5 m3 parcel carrier, 1914
faq230819cn2

https://pestbuda.hu/en/post/20201126_motorised_tricycles_a_new_postal_service_arose_120_ears_ago
https://archivum.mtva.hu/stories/Kis-magyar-postatortenet

Levélgyűjtő tricikli modellje
Model of a letter collection tricycle
https://archivum.mtva.hu/stories/Kis-magyar-postatortenet
faq230819tc

 第一次世界大戦中,ハンガリーの郵便局は野戦郵便サービスにも人員・設備・車両を提供した.
 もっとも,戦争によって郵便事業に従事する男性の数は減り,郵便職員として採用される女性の数が増えた.

 なお,20世紀に入って郵便業務に使用される車両は増大したが,20世紀後半になっても郵便が到達困難な地域があったという.

 【参考ページ Referencia Oldal】
https://archivum.mtva.hu/stories/Kis-magyar-postatortenet
https://pestbuda.hu/en/post/20201126_motorised_tricycles_a_new_postal_service_arose_120_ears_ago

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