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2023年08月21日11:23

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【MIXIニュースから】「甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実」 読書感想文

つぶやき達を読んでいて松井秀喜5連続敬遠にふれているつぶやきを目にした。
数年前に読んで書いた「甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実」という本の読書感想文を載せておこう。


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1992年夏の甲子園、星陵(石川県代表)VS明徳義塾(高知県代表)。
「怪物」松井秀喜。5打席連続敬遠という作戦を遂行した明徳義塾。
結果3−2で明徳義塾は勝利し、松井秀喜は1度もバットを振ることなく甲子園を後にする。ってなドラマ。



「高校生なら高校生らしく勝負しろ!」とか
「それも作戦だ!」とか。
いや〜喧々諤々ありましたね。

結果、松井秀喜は「5回も敬遠をされた男」としての箔をつけ、まさに怪物の誕生となり。
読売巨人軍、ヤンキーズとスーパースターの道を突き進むのであります。


さてさて。ドラマはけして1人では成り立ちません。
主人公は松井秀喜だけとは限りません。
それぞれが主人公です。

直感で思い浮かぶ登場人物は。

明徳義塾監督、馬淵監督。
明徳義塾ピッチャー、河野くん。
でしょう。




先ずはもう一人の主役馬淵監督に注目してみましょう。
この試合でしばらくヒールとなりましたが、
甲子園の常連チームで甲子園春夏通算51勝を挙げ、歴代監督では4位タイ。
2002年夏には優勝をしています。
名監督の中の監督です。
その馬淵監督
なぜ、松井を5打席敬遠という作戦を取ったのか。という問いには
「確率の問題です」と実にクールです。
その後の取材でも「同じような状況になったら」という質問に
「自信を持って再度やる。」「勝たなきゃ意味がない」と言いきっています。
策士ですね。
星陵はピッチャーで3番の山口。そして4番松井。その2枚看板のチーム。
それさえ抑えれば勝てる。その二人との勝負を避ければ勝てる。
そして、その通り3対2で勝利をしている。
みなさんはどう思いますか?
僕は、もう完全に監督に同意です。
それでいいと思うのです。
1対1の勝負だ!とか。そんな自分勝手止めてくれ。。。と思うのです。
打たれても勝負する事がスポーツマンシップだとか。止めてくれ!と思うのです。
あくまでも野球はチームプレーです。
それも、投球と投球の間に凄い時間があり、1つ1つのプレーに様々な作戦がある。スポーツです。
敬遠は立派な立派な作戦です。
勝負しろ!という人は、送りバントを否定するのですか?矛盾しています。

結果、それで見事勝利を掴んでいる。
松井以降の5番6番7番の弱点をしっかり調べて指示している。
なんの文句があると言うのでしょうか。

僕にはこの作戦を非難する人の気持ちが全く分かりません。




さて次の主役は明徳義塾ピッチャー、河野くん。
5打席連続敬遠の指示に河野くんはなに一つ反抗しません。
「勝負させてくれ!」なんて微塵も考えず、しっかりと敬遠し、しっかりと後続を絶ちます。
「それでも男か!」と非難しますか?
彼は背番号8をつけています。
つまり本職は外野手です。
この年、エースピッチャーが怪我で。5人のピッチャーをベンチ入りさせて回してしのいできたチームです。
河野くん。自分自信でも「俺のピッチングが松井に通用するわけがない」とはじめから思っています。
ともしたら「全部敬遠」の指示は彼にとって、渡りに船だったのかもしれません。
現に河野君は、大学で外野手としてその打撃に磨きをかけます。
阿部(巨人)、井口(ロッテ)、今岡(阪神)そんな同期のそうそうたる選手にも劣らない打撃成績を残しています。
残念ながらドラフトにかからず。
テスト入団に4チーム挑んだけど合格せず。
アメリカの独立リーグにもチャレンジしています。
「松井に5連続敬遠」をしたピッチャーは、実は立派なバッターだったんです。
だから、僕らが思うほどそのバッシングに心を痛めていないような気がします。
「僕はバッターだから。」そんな割り切りがこのドラマを生んだのでしょう。




そしてもう一人注目したい陰の主役がいます。
星陵高校5番バッター月岩くんです。
全打席、目の前で松井を敬遠されます。
当然、全打席チャンスです。
ところが、結果は、スクイズを1回成功。他の4打席凡退です。
最も心を痛めているのは、松井でも河野投手でもなく、月岩くんかもしれません。
月岩くんは予選大会では4割を超す成績を残しています。
3番山口、4番松井は抜きんでているものの。月岩くんも立派な5番打者です。
ところが、月岩くん。
松井の後日談ですが「月岩はお調子者。いい時はすごくいいけど。ダメだととことんダメ。」
という性格のようです。
プレッシャーでその力を発揮できなかったのが真実のようです。
高校野球ってこういうところが実に面白いですね。
プロ野球にはない。漫画でも描けないドラマが時として起こります。
月岩くんの心境はどんなだったのでしょう。
月岩くんの面白い回想が載っていました。
「松井がメジャーに行った時。最初の打席で、前のバッターが敬遠されたんです。僕と同じ状況じゃないですか。少しは僕の気持ちを知れ!と思ったんですけど。松井。ホームランです。それがヤンキースタジアムデビュー戦での初ホームラン。です。」
もう笑うしかないですよね。

上っ面のニュースでは見えないドラマがあるんですね。



それではその試合の松井敬遠の記録です。

1回表 0対0 2死三塁 
3回表 0対2 1死二、三塁
5回表 1対3 1死一塁
7回表 2対3 2死無走者
9回表 2対3 2死三塁

いずれも松井敬遠。間違えていないと思います。

せめて7回の2死ランナーなし。勝負しろよ!という人が多くいるようですが。

僕なら絶対に勝負しませんね。一発で同点です。同点にされたら確実に負けます。

高校野球ってそういうものですからね。

松井秀樹5打席連続敬遠。素晴らしい作戦だと思います。






それにしてもこれはなんですか!
「帰れコール」 こんなの許しちゃならんですよ。
https://www.youtube.com/watch?v=cxZqtK-MUCs

その後もかなりの脅迫があったようです。
もうホント、こういうの止めてあげてほしい。
自分の正義を振り回す集団心理は今も昔も同じですね。

ホント悲しいです。
ホントバカな大人が多すぎます。
この作戦に非難しちゃう人はどんなひとなんだろう?って考えるんです。
いざという時、思考停止で負けて「やるだけやった」と満足する人なんでしょうか?
僕はそんなの「やるだけやった」ではなく「なにもやっていない」と判断します。
つまり、その思考停止こそが最大の逃げだと思うのです。
いつでもなにからも逃げているから他人事には「勝負しろよ」などと軽口が言えるんだと思います。
だってそうでしょ。
ちゃんとその場その場で考えて戦っている人は、この作戦を当然の事として理解できると思うんです。




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【MIXIニュースから】過去記事 目次
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1982838661&owner_id=21933076




■「野球は相手がいてこそ…」対戦チームへの気遣い、当たり前の光景に
(朝日新聞デジタル - 08月20日 17:32)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7531662
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