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2023年08月06日15:00

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「梁祝文化研究所所長」の名称入りで 『日语写作 高分攻略』のコラムに所収された 「異国の言葉に向き合う謙虚な態度」全文

2023.08.06 Sunday

「梁祝文化研究所所長」と名前を入れて、出版予定の『日語写作高分攻略』のコラムに一筆と依頼を受けた一文、既に本が発売されて、時間も経ち、各大学への贈呈活動を展開されているということなので、作文全文をここにアップしてもと思い、本日、梁祝会広報部長Tsukaさんのブログ『夢酔独言』にこのコラム作文のことをお取り上げいただいたのを機に、上海からの作文添削に明け暮れる日々を送っていて、コロナ禍があけたとはいえ、梁祝会関連のニュースもないので、

 『日语写作 高分攻略』(叶勋 编著)P,222〜P,226所収

 「異国の言葉に向き合う謙虚な態度」全文を

 Tsukaさんのブログ『夢酔独言』の下にアップすることにしました。読んで参考になる方が一人でもいれば嬉しいことです。

以下
Tsukaさんのブログ『夢酔独言』全文です


2023年8月 5日 (土)

梁祝(リャンチュウ)先生からのお便りは、「異国の言葉に向き合う謙虚な態度」。
今朝がた、久しぶりに「梁祝(リャンチュウ)先生」こと渡辺明次・梁祝文化研究所所長からメールをいただきました。
近況報告としては、今でもご自宅と中国上海とのリモートワークで日本語作文の添削という仕事をこなし、現在、その数月平均100編というからスゴイ!私の拙ブログを毎朝閲覧してくださっているというお言葉も添えられ、お元気なご様子、嬉しい限りです。

さてメールの内容は? 何と!今年の年賀状に書かれていた話題のつづきのようです。
今はもう8月!懐かしい思い出話ですかね?(笑)
なんて、笑う話じゃありません!

←あの時、書籍カバーの写真(間もなく刷り上がるという)を載せましたが、この写真は本物。上海の塾が発行した「日語写作高分攻略」、発売されて時間も経ち 各大学に贈呈する活動も行っていると。
中には渡辺明次先生が執筆したコラム「異国の言葉に向き合う謙虚な態度」が掲載されているのですが、全文を読んでみました。

題名からして多くの日本語教師とは一風違った内容である事を予感しましたが、
何と、普段見るテレビ番組から得た発見と感動をヒントにしているのです。

先ずは、NHK『ドキュメント72時間』、これはなんとなくわかりますが、バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に時々登場する中国の青年「マジシャンGO」のこと、また、日テレ「笑ってこらえて!」ハシゴの旅に出演する東方神起の「J-JUNジエジュン」。
このお二人が話す的確かつ軽妙な日本語を絶賛しつつ、その答えを探ると、外見や容姿ばかりに拘る多くのタレントと違い、本気で学びたいが上に謙虚さが見えてきた。

それぞれに感動しつつも、異なる環境での体験が語られますが、共通点は、「異国の言葉に向き合う謙虚な態度」でしょうか。

さらには、中国の留学先で出遭った著名な先生のこと。締め括りは、渡辺先生自らの中国語学習法など、中国語が出来ない私にも興味津々。


渡辺先生こそ学生側の身になって語られる「日語写作高分攻略」と感じました。
上下の写真は添付くださった現地状況。

写真上中央の白シャツの人が、上海の塾代表・葉勲先生。中国各大学への「高文攻略」配布、贈呈活動の様子。

☆Tsukaさんのブログはここまで

ここからはコラムに所収された全文

『日语写作 高分攻略』(叶勋 编著)P,222〜P,226所収

異国の言葉に向き合う謙虚な態度、渡辺明次 (梁祝文化研究所所長)

添削する皆さんの作文の中に、しばしば日本のTV番組が登場する。その中で自分も好きで欠かさず見ている番組がある。それは、NHK『ドキュメント72時間』、これは、毎回ある1つの場所で72時間(3日間)に渡って取材を行い、そこで見られるさまざまな人間模様を定点観測するという趣向のドキュメンタリーである。

 もう一つはバラエティ番組『月曜から夜ふかし』だ。司会を務める村上信五(関ジャニ∞)とマツコ・デラックスが、世間で密かに話題になっていることが書かれた「○○の件」のカードを選定し、街角でランダムにインタビューをする。そのカードの内容のVTRを鑑賞して2人で軽妙なトークを行う。

この『月曜から夜ふかし』に、忘れた頃に時々登場する中国の青年【マジシャンGO】という人がいる。私は作文の添削に明け暮れる中で、この【マジシャンGO】という青年が発した何気ない一言が、私に深い印象を残した。何気なくいつものように番組を見ていると、その日図らずも【マジシャンGO】が登場した。その時のインタビューのやり取りの、「どうしてそんなに日本語が上手なのですか」との問いかけに対して、【マジシャンGO】は【日本語専攻】でも【N1合格】でも【実践がなければ話せるようにはならないのです】、という自信に溢れた何気ない一言が忘れられない。

またつい最近のことだが、日テレ「笑ってこらえて!」ハシゴの旅(街中の居酒屋をスターやアイドルが突然訪問して、その場に居合わせた客とフリーに話す)に「東方神起」のJ-JUNジエジュンが出演するというので念のため録画してまで見た。

 私は【東方神起】のことは何も知らないが、J-JUNジエジュンは日本のバラエティ番組にしばしば出演するので知っていた。このJ-JUNジエジュンという青年は、「えっ!」と思うほど素晴らしい的確で軽妙な日本語を話すので、いつも不思議に思っていた。外見や容姿ばかりに拘る他の多くのタレントと違って、J-JUNジエジュンは、話しぶりや、態度に嫌みがなく飾らない感じで振る舞う。そして流暢な日本語で、お笑いタレントであれ、俳優であれ、誰とでも人を選ばず同じ態度で話し、カッコをつけない人柄なので、私の好きなスターの一人である。先日、日テレ「笑ってこらえて!」ハシゴの旅にJ-JUNジエジュンが出演していた。

私は、常々J-JUNジエジュンが「どうして日本語が上手なのか」疑問に思ってTVを見ていた。 その日J-JUNジエジュンが酒場巡りのコーナーに参加していた。J-JUNジエジュンは、飛び入りで酒場に入り見知らぬ客と話し酒を酌み交わす。その時、偶然酒場に居合わせた、女性の「どうして日本語がそんなに上手なのですか」と問いかける場面が、図らずも出現した。その答えは、まだ顔も知られておらず、有名でなかった貧乏時代、「J-JUNジエジュン」はデビューを目指して、日本語教師の下でかなりの期間、日本語を習っていたが、

いくら勉強しても日本語を話したり、書いたり出来ないという壁を感じ、悩んでいたという。

そんなある日、J-JUNジエジュン は日本語を覚えるために(実際に話せるようになりたいという欲求を抑えきれず)「渋谷の109」付近の名も知れない裏通りの居酒屋に一人で入り、酒を飲み、その場に居合わせた客に、老若男女を問わずカタコトの日本語で話しかける日々を積み重ねたと言う

 「J-JUNジエジュン」は元々日本文化がすごく好きだったこともあり、言葉をマスターしようとする、この純粋な思いが天に通じないわけがない。

またもう一つ異国の言葉に向き合う謙虚な態度について、中国の留学先で出遭った著名な先生のことだ。先生はその後来日され、日本の大学で中国語を教えておられるのだが、先生の日本語に対する姿勢と謙虚さには驚かされる。日本語の権威たる先生が、私のようなものに『天声人語』のこの部分が分からないので教えて」などと時々メールをくれることである。長い時間をかけて異国の言語を学ぶには、我が身を省みても、このような謙虚な姿勢は欠かせないと思うことしきりである。

なお、かく言う私も長じて中国語を学ぼうとしたが、未だに私の中国語は「马马虎虎」「乱七八糟」「莫名其妙」これらの成語を全部並べても足りないほどで、未だに中国語を話すことも、書くこともできないでいる。

この「成語」で思い出したが、私もゼロから中国語に取り組んだ初期、留学した中国の大学でわけも分からず卒論のテーマにしょうと、教材に登場した「赵清阁」の小説『梁山伯与祝英台』を翻訳しようと試み、辞書(私は紙の辞書に拘る)を引きはじめたとき、日本語で言うところの「四字熟語」と「諺のようなものが」あまりにも多いことに気づいた。

そこで翻訳などという恐れ多いことはやめて一語一句すべてノートに書くことにした。ノートの左側には意味も分からぬまま原文を書き、右側には単語に日本語の意味を書き添え「全文」の単語帳を作ることから始めた。その時、面白いので「成语」「谚语」だけを最初に書き出した。

 なんと全文全八章の中にほぼ重複がなく「成语」と「谚语」が【291】もあって、これで日本語のような、情操の機微、表面に表れない微妙な事情や趣を表現する【中国語】というものに驚いた。

日本語が上手になるためには、実際に文字を書く【作文】は必須だ。そしてやはり最初は「あいうえお」から始めて、母国語との違いを確認しながら実際の文字を「原稿用紙」のマス目の中に丁寧に正しく書くようにすべきだ。これを疎かにする人に進歩は望めない。一つの言語を、それなりの年齢になってからマスターするには、先ずは、自分が母国では優秀な学生であるという意識を捨てて、幼児が言葉を覚え始めるときのような、物事に対する新鮮な興味が必要だ。【作文をスラスラ書く】ことと【言葉をスラスラと話す】ことは同じだ。

 改めて言うが【マジシャンGO】という中国の青年は、中国の優秀な学生であるという意識を捨て街中をさまよい、恥ずかしさを捨てて実際にカタコトの日本語で話すという行動に出たのだ。東方神起のJ-JUNジエジュンは、アイドルスターであるという意識を捨てて、名も知れない居酒屋で、恥ずかしさを捨て、見知らぬ人にカタコトの日本語で話しかけるという行動に出たのだ。【マジシャンGO】と【J-JUNジエジュン】この二人には、言語を学ぶ上での並々ならぬ覚悟と真摯で謙虚な姿勢があるのだ。この覚悟を人はなかなか持てないのだ。

  日本語を自家薬籠中のものとするには、母国での優れた学生という意識と恥ずかしさを捨てる覚悟がなければならない。出発点は先ずは、実際に日本語を話す機会がなくても、紙に一日1行でも5行でも幼児が日記を書いたり、文字の練習をするように書くようにすべきなのだ。近道などない。

 みなさんはきちんとした日本語の紙の辞書を持っているだろうか。

紙の辞書をめくり、毎日、日本語という恋人に恋文を書くように、「私はあなたが好きです」、「一日でもあなたの顔を教室で目にしないと気が狂いそうです」と自分が思うことをムリせず飾らずに書くのだ。
原稿用紙がないのであればノートに400字のマス目を線引きし、そのマス目に易しく正しい日本語を書き始れば、一ヶ月もしないで、何気ない身の回りのことを日本語で正しく書けるようになる。欺されたと思ってトライしてみてはどうだろう。必ずや大学ノートは分野別に整理できるほど何冊にもなるだろう。作文が上手になるには、【マジシャンGO】や【J-JUNジエジュン】のように人とは違う覚悟や実践が必要なのだ。

孔子は「これを知る者はこれを好む者に如かず」。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」(知之者不如好之者、好之者不如楽之者)と言っている。物事を手にするには「楽しむ」という境地が最大の心構えだと言っている。
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