mixiユーザー(id:91293)

2023年06月22日20:26

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固有安全性という問題が・・・

中の人が無事帰還できればよいのだが・・・かなり難しいと思われる。

というのはこの潜水艇には「固有安全性」がないように見受けられるからだ。
ほとんどの潜水艇はバッテリー動力であり、沈むために「バラスト」をくっつけている。バラストは「鉄のかたまり」で、船底に電磁石でくっつけてあるだけ。
JAMSTECのしんかい6500はそうだし、このTitanもそうらしい。
つまり、バッテリーがなくなれば電磁石に流していた電流も止まり、鉄でできたバラストは勝手にはずれて浮力がまさり、浮上する。
つまり「バッテリー切れ」であれば浮上するので発見され、救助されている可能性は十分にある。
が、なんらかの原因でキャビン(人間が乗る部分)に浸水したらどうなるか。
残念ながらこのTitanは浮力を失って沈む可能性が高い。写真等で見てもバラストはあまり大きくない。キャビンが船体のほとんどを占めていて、キャビン内の空気が浮力の大半を担っている構造と思われる。
つまり、浸水してしまった場合は浮いてこられない可能性が高いのではなかろうか。

しんかい6500のキャビンは本当に小さい(追浜に見学にいくとわかるよ)。そして、船体の隙間という隙間に「浮力体」が詰め込まれている。発泡スチロールのようにも見えるが深海でもつぶれない特殊素材だ(カップヌードル容器などは深海に持っていくとちいさくなってしまう。これも見学で見せてもらえる)。
事故で浸水しても、バッテリーがなくなればバラストがはずれて浮上、回収できる(らしい)。しんかい6500ではそんな事故は起きていないが・・・

航空機であれば、エンジンが止まっても滑空やオートローテーションですぐには落ちないとか、船舶であればバルクヘッドで浸水を止められる構造になっているとか、そういう「最小限の安全性」がなければならない。
そして深海であれば高い圧力を「繰り返し」受けることも考えなければならない。疲労破壊の可能性もある、ということだ。

深海はわずか数Kmの距離でしかないが、ある意味「宇宙よりも遠い場所」でもある。近づくなら相応の装備・機材と覚悟が必要だと思うぞ。

■酸素切れる96時間迫り捜索懸命 タイタニック号探索で不明の潜水艇
(朝日新聞デジタル - 06月22日 18:42)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7460725
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