手術を受けろですと、、、4

ぼよよん行進曲は、
作詞:中西圭三さん、田角有里さん
作曲:中西圭三さん
編曲:小西貴雄さん
によって、eテレおかあさんといっしょにて公開された歌だ。

わかりやすい歌詞がマーチに乗って、明るく楽しい雰囲気の歌になっている。

この曲、大人でも涙があふれるほど感動する曲なのである。

一昨年、プロレスラーの保坂秀樹さんが長い闘病の末残念ながらお亡くなりになった。俺と同い年、俺が実現できなかった夢を叶えた同世代の憧れの存在だった。

その彼が晩年愛した曲がぼよよん行進曲である。
保坂さんには当時で小学生の娘さんがいらっしゃるので、恐らくご家族でおかあさんといっしょをご覧になっていたのだろう。
そのときは、もしかしたらなんとなく聞いていらっしゃったのかもしれない。ご自身が病に倒れ、迫り来る死と戦うことになったとき、きっと俺なんか想像もできないくらいの大きな不安を抱えたことだろう。

自分はもう長くないのでは。
残された家族は。
自分の人生は。
なぜ自分が。

そんなとき、この曲を思い出したのだろう。

この曲は、落ち込んでいる子を励ます内容になっている。

なんでそんなふうに うつむいているの
おもいだして あしのした
とてもとてもだいじな
いまをいきてるんだぜ、そうでしょ？
きみがほんとうに たかくとびたいなら
やっぱひざこぞうに ゆめのせて
いちどしゃがんでジャンプ
きぶんはどうだい？

保坂さんはきっとこの曲に救われたのだろう。
家族のためにも自分のためにもまだ死ぬことはできない、それでも目の前に死が迫る不安。生きる勇気さえ失くしそうな心の支えになった歌なのだろう。

家族で楽しく聞いていた場面を思い出して、

生きるぞ。

と改めて決意をしたのだろう。

この曲を歌っていたうたのおにいさん、今井ゆうぞうさんもお亡くなりになっている。コロナで外出が困難な時期に、今井さんも含めておかあさんといっしょを卒業した方々と中西圭三さんが子供たちを励まそうと、リモートでこの曲を歌った動画がYouTubeで配信されたしばらくあとに亡くなったらしい。

俺は今日病院に行き、手術と入院の説明を受け、29日に入院する。難しくなく、失敗の可能性も低い手術らしいが、腹を切ることにかわりない。

出血多量で死んでしまわないか。
麻酔から目が覚めなくなってしまわないか。
二度と歩けなくなってしまわないか。
生きて帰ることができるのか。
全てが無になってしまわないか。

不安と恐怖が全てを占める俺の心に、この曲が癒しと勇気を注入してくれる。

大丈夫だよ。

と。