mixiユーザー(id:37979390)

2023年06月12日10:04

44 view

百人一首12番:僧正遍昭の作品

僧正遍昭が百人一首に残した作品は、、、

♪ 天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿
  しばしとどめむ

です。

読みは、

♪ あまつかぜ くものかよいじ ふきとぢよ
  おとめのすがた しばしとどめん

となります。

(この作品は、『古今和歌集』巻17/872番にも収録されています)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1983849765&owner_id=37979390


遍昭が仁明天皇に仕えていた頃に、
宮中で「五節の舞」というイベントがありました。
天皇の前で女性たちが踊りを披露するイベントです。

踊りを見た仁明天皇は、

・・・・・天女の舞のように美しい
     あの女性たちをいつまでも
     引きとどめておきたいものだ

とおっしゃったそうです。

仁明天皇の気持ちを察した遍昭が詠んだ歌が、

♪ 天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿
  しばしとどめむ

なのです。

意味は、

天つ風    (空を吹く風よ)
雲のかよひ路 (天女が帰っていくという、
        雲の中の通路を)
吹きとぢよ  (ふさいでください)
乙女の姿   (舞が終わって天に帰っていく
        乙女たちを)
しばしとどめむ(もうしばらく、
        ここに引き止めておきたいから)

となります。

雲の中には、天と地をつなぐ通路があって、
そこを天女たちが往来するという伝説があるそうです。

踊っている女性たちを見て、天女のように美しいと感じた仁明天皇は、
女性たちが、「雲のかよひ路」を通って天に帰ってしまうと
思ったのでしょうね。

よほど美しい踊りだったのでしょうね。

仁明天皇の気持ちを察した遍昭が、「天つ風(空を吹く風)」に頼んで

・・・・・天女が帰っていく
     「雲のかよひ路」
     をふさいでおくれ

と呼びかけているのです。

でも、直接天女たちを引き止めるのではなく、空の風によびかけるというあたりが、ロマンティックですね。

僕だったら、帰ろうとする女性の手を引っ張って
「まだ帰らないでくれ」
と、直接言ってしまうでしょう(笑)





Please return to...
─────────
【僧正遍昭】
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1747140791&owner_id=37979390




.




0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する