河川水 自由律句 三月前半

1614年度末三月生まれ忙しなくて嫌い

1615可笑しな形に伸びた足爪を切る老い

1616身体中(からだぢゅう)痛い何もしたくない

1617三月になった途端のぬるい朝だ

1618明日こそやらなくちゃが多過ぎる

1619今日も何も出来なかった感の枷

1620三寒四温また凍れる朝

1621洟垂らしてひとり

1622生きてるとこんなにも疲れるか

1623腕時計竜頭でセーターの袖ほつれる

1624身体がくがくぎくしゃくごろんきゅう

1625頭ん中の啓蟄蟲たち鳴き始めた

1626ネットでネタ探して買い物して

1627雨の春なんにも出来ん自分に御免

1628下痢止めのせいか屁ばかり独り

1629今頃タンポポの葉起きている

1630ヒメジョンハルジオン道端の花々

1631まだ四葉のクローバー捜している

1632この満身創痍でいったい何を望む

1633すみませんごめんなさい謝っても手遅れ

1634前世からの腐れ縁煩悩が百八つ

1635赤斑入り桃色椿たくさん散って

1636椿咲いていた暖かい雨で散る

1637八重椿母の父が植えた百年の樹

1638梅も茶も柿も枯れ鴨脚樹(いちょう)も伐られ

1639廃園の紫大根紋白蝶今何処

1640何故か祖父枇杷や無花果植えず