旅行に出かけると、家族やお友達たちのお土産に何を買おうかというので、
あれこれ悩んだりするというのも、旅行の楽しみの一つだったりしますよね。
お子さんが京都に修学旅行に出かけるというので、お母さんが息子さんにお小遣いを渡しましてね。
「はい、これ、修学旅行のお小遣いね」
「ありがとう。じゃあ二千円だけ返すね」
「・・・えっ、どういう事?」
「帰りの荷物増やしたくないからさ、このお金でアマゾンで【八ツ橋】を注文しておいて」
これ、実際にあった話でしてね。
お土産を買って帰らずに、ネットで注文する時代になってしまったようですが、
息子さんの対応がクール過ぎますよね。
確かに合理的ではあるのかもしれませんが、風情もへったくれもあったもんじゃないですよね。
『これも、時代』と言ってしまえばそれまでですが、
お土産は気持ちで贈る物ですから、旅先に一緒に来られなかった人に、
そこで一緒に楽しめなかった物を持ち帰って、土産話とセットで
一緒に楽しむものだなどと思っている人たちにとっては、信じられない事でしょうね。
ちなみにこのお母さん、息子さんの言う通り、アマゾンで八ツ橋を注文したそうですが、
その八ツ橋は、息子さんより先に家に届いたそうですね・・・
今は修学旅行前に、学校からネット注文のお土産カタログを出すなんて事も普通にあるそうですが、
時代が情緒を失わせてるのは確実なようですね。
全国各地には様々なお土産が存在しますが、中にはユニークな物がありましてね。
青森県には、青森出身の小説家、太宰治をテーマにした
【如何せんイカせんべい】というお煎餅があるんですね。
袋の裏側には太宰治の名言があいうえお順に書かれていて、
中身は青森名物の乾燥さきいかをまぶした南部煎餅で、
姉妹品には【生れて墨(すみ)ませんべい】もあるんですね。
なかなかの人気で、メロスも走って買いに来るらしいですね。
三重県には【へこきまんじゅう】というお饅頭がありましてね。
これは赤目四十八滝名物のお土産なんですが、見た目は人形焼ですが、
中には、さつまいもあんがぎっしり詰まってる事から、ネーミングの由来は察しがつきますよね。
売っているお店は『へこきまんじゅうで平和(屁輪)を世界に広めたい』と仰ってまして、
戦争のない世の中への願いが臭ってくるようですよね。
鹿児島県には【ハイ!どうぞ!!】という缶詰がありましてね。
これは【道の駅たるみず湯っ足り館】というところで購入できる、桜島の灰の缶詰なんですね。
灰の缶詰を買ってどうするんだと思われるでしょうが、桜島の灰のきめ細かな微粒子が、
目に見えないお肌の汚れを吸着していって・・・などというような効能は一切ないそうですね。
ラベルには『桜島の降灰、垂水市民の苦悩』などと書かれていて、言わば完全なる【ネタ土産】ですね。
使用期限は『皆様の興味が無くなるまで』と書かれているそうで、
桜島というのは鹿児島県の方々にとっては、文化遺産ならぬ【噴火遺産】という事になるんでしょうかね。
微笑亭さん太
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