mixiユーザー(id:17610207)

2023年02月08日20:11

808 view

止まり木のネコたち

このところ、JR宇都宮線で大宮の一つ先、土呂(トロ)に足繁く通っている。

土呂になにがあるのか。

遺跡があるわけじゃないよ。有名な登呂遺跡は静岡県にある。

こっちが通っているのは埼玉県の土呂だ。

そこにはペインクリニックがある。

そこでブロック注射を打ってもらってひと息つくのがおいらの習慣になっているんだよ。

またそのことかよとげんなりされちゃうかもしれないけど、帯状疱疹の跡地の神経痛がひつこくてねえ。 痛くてたまらん。

そういう中で土呂で過ごすひとときは、おいらの憩いのときになっているんだよ。


ペインクリニックだけじゃないよ。


レトロな喫茶店も医院の近くにある。

フォト フォト


今日もそこでお昼ご飯を食べてきたよ。

ミックスサンドだ。 

というと、一般的には薄い食パンで具をはさんだペラペラのものか、お洒落にまとめたお上品なサンドウイッチを想像すると思う。

でも、ここのは違う。

ガッとデカい食パンにハムやら玉子焼きやらトマトやらキュウリやらが詰め込んである。

要するにガッツリ系なんだよ。

見た目はガサツなんだけど、マヨネーズとバターがパンに沁み込んでいてねえ。

美味い。

フォト


それは別の日に頼んだハムとチーズのホットサンドを見てもらえばわかりやすい。

こういうの。下に敷いてあるのはキャベツの千切りサラダ。

フォト


写真を見たカミさんが言った。

「このあいだ星乃珈琲で友達と食べたお洒落なサンドウイッチとはまったく違うわ」

「食べ応えあるぞ」

「女の子のグループなんか残しちゃうんじゃないの?」

「大丈夫だ、これまで出会った客は野郎ばっかりだった」

「要するに昭和ね」

フォト


エビピラフだって、エビがプリプリしていてね、美味いよ。

フォト


しかも、BGMがおいらの好きな80年代アメリカン・ポップスときてる。

こういうのだ。

Tears For Fears - Everybody Wants To Rule The World


https://www.youtube.com/watch?v=aGCdLKXNF3w


そして、おいらの憩いの場は土呂の他にご近所にもある。


あれは去年の10月のこと。

おいらが3ヶ月後の定年退職の後の行き方を模索していたときだった。


カミさんとはサラリーマンはもうやらない、でも家にじとーっとはしていないということだけ合意していた。

家事の腕を磨いて専業主夫になるのもいいなと申し入れたけど、即座に却下された。

「夫が一日中家にいるなんて耐えられないわ、なにか外でやることを探してよ」


おいらもそれは自覚していた。

アニメやら映画やら漫画やら小説やら音楽やら、、家にいながら楽しめることは山ほどある。 でも、それに特化して引きこもりになったら、廃人化するのは目に見えている。

そうかといって、いったん会社を離れたら、毎日、外でときを過ごせる場なんてそうそう
あるもんじゃない。

なにか、そういう止まり木があるといいんだけどなあ。


そういうときにカミさんが美容院で耳寄りの情報を聞きつけてきた。

「うちのすぐそこに保護ネコのシェルターが出来るそうよ」

「近所ってどこ?」

「閉店しちゃった毎日新聞の販売店があるじゃない。あそこでオープンするんだって」

「へえ、そりゃ、やけに近いな」

「ポスターが掲示されてるそうだから見てきなさいよ」


で、さっそく浦和PARCOに行った帰りに覗いてみた。

フォト


なるほど、たしかにある。おいらに向いてるな。

フォト フォト


で、それらのポスターをスマホで撮っていたら、そこに自転車で立ち寄った女の人に声をかけられた。

「もしかしたら、ボランティア希望の人ですか?」

「はい、もうすぐ定年になるので、ネコ関連の何かがないかなと探しているんです」

「是非、来てください、11月になったらネコたちが来るんです」

「それはそれは。うちにも二匹いるので、土地勘は多少はあります」

その女性は「Sonia先生の保護ネコハウス」を立ち上げた人だった。

で、俺らはスマホの電話番号とメアドを交換した。

「ネコたちが来たらご連絡しますね」

「はい、待ってます」

フォト


話はとんとん拍子に進んだ。


元々、おいらは会社仕事なら社内外で大抵のことをこなして人脈もそれなりに作ったけど、プライベートな場では人と仲良くするのが苦手でね。

果たしてそんなおいらが会社を離れたら上手くやっていけるのか、ボランティアっつったってそんな甘いもんじゃないだろうと心配していたんだけど。

ましてや、女性とはとてもとてもだったんだけど。

サニアさんとは最初から波長が合った。

ご本人に無断でmixi日記にしちゃってるので、本名はやめてサニアさんにしとく。

細面の美人さんでね。 美人なんだけど、極真空手の使い手という剛の者。 まるで、アニメにありがちなキャラ。 

そういう人とあっちゅうまに仲良くなれた。


きっかけはWWFだった。

ニューヨークのプロレス団体じゃないよ、あれはWWE。

WWFはWorld Wide Fund for Nature、世界自然保護基金。

シェルターには壁いっぱいにそこのポスターが貼ってあった。

フォト フォト


「WWFですね」

「わかりますか?」

「ささやかながら寄付を続けているんですよ」

「うちもです」

「岩合さんも協力してるんですよね。スポンサーがオリンパスからキャノンになった」

フォト フォト


で、お互いの自己紹介をした。

サニアさんは夫と中学生の娘一人、それと保護ネコ出身のネコ三匹とで暮らしている。

この施設は家の賃料そのほか、サニアさんが手弁当で立ち上げたんだと。


おいらは息子二人が独立したので、妻と保護ネコ出身のネコ二匹とで暮らしている。

そして、1月末に定年退職するので2月以降はフリーマンになる。


ネコ・キャリアはおよそ12年。

先代ネコのまりんは去年の5月に11歳の誕生日を4日過ぎたところで天に召された。

フォト フォト


6月に神奈川の保護ネコシェルターからルカとアンを引き取って家族にした。

フォト フォト


そして11月、保護ネコたちが入居して、Sonia先生の保護ネコハウスは稼働を開始した。

おいらも声をかけてもらえたので、喜び勇んで出かけた。

出迎えてくれたのはサニアさんとトラだった。

フォト フォト


齢17歳の雄。 飼い主のおじいさんが亡くなったため引き取り手がなくなってここに来たという。

フォト

そんなんでずっと飼い猫をやってきたので人には慣れている。おいらにもすぐに馴染んだ。かわいい。

フォト フォト


ただし、他のネコと一緒にしたら、シャーっと唸って威嚇したという。

さもあろう、デカいし前足がやけに太い。往時は美丈夫なボス猫だったに違いない。

で、ハウスではトラだけ特権的に日の当たる一部屋をあてがい、さらに人がいるときは1階フロアも自由に出入りできることにした。

17歳といったら、ネコにとっては高齢だからね。好きにさせてあげようという配慮だ。

フォト


おいらはトラさんと呼んで猫かわいがりした。

これに出てくるトラさんとなんとなく似てるもんだからさ。

舟を編む OP


https://www.youtube.com/watch?v=gE98q366Elo


ついでにネコ・アニメの主題歌をもう一曲。

これ、歌謡曲としてもヒットしたよね。

フォト


キャッツアイ / 杏里


https://www.youtube.com/watch?v=gwQ3tu7pfGo



もちろん、トラ以外にもネコたちはいた。

なんでも荒川の河川敷に住んでいたホームレスの人と一緒に暮らしていた3匹だという。

そんなんで年齢も不肖。でも、だいたいはわかる。

一番、人懐っこい白猫がコタロー。生後半年ぐらいの雄。

フォト フォト


人懐っこくはないけど、姿は見せてくれるのが黒猫のコジロー。生後半年ぐらいの雄。

フォト フォト


そして黒猫とくれば、古くはポーから魔女宅までいろいろあるけれど、歌謡曲史上に残るヒットを記録したこの歌も忘れるわけにはいかない。

当時、この坊やはたったの6歳だったという。

皆川おさむ - 黒ネコのタンゴ (1969)


https://www.youtube.com/watch?v=DdO_dZyFsZg



シェルターのコジローはコタローとしょっちゅうひっついていた。

フォト


そして、いっつもふすまの中に隠れているのが白猫のタロー。生後1年ぐらいの雄。

フォト フォト


最初はトラとタローチーム3匹のお世話から始まった。

おいらの主な仕事はご飯の準備とトイレの掃除。いずれも毎日、家でやっている。

フォト フォト


その他の細々した雑用を片付けると、トラさんと一緒にまったり過ごして適当に帰る。

フォト フォト


そういうボランティアが10人ちょっといて、サニアさんの指揮下で時間割に従ってシェルターのお手伝いをする。 そういう仕組みだ。


そのうちに三毛猫のハッピーと黒猫のラッキーという新人ネコが仲間入りした。

フォト


もちろん、シェルターはネコたちの面倒をずっとみるための施設ではない。

最終的な目標は引き受け手に譲渡することだ。


こないだ、1号案件が成約したよ。

一番人に馴れていたコタローだ。

フォト フォト


たまさか、おいらの当番のときにその相手が来てコタローを引き取っていった。

なので、ちょこっとお話もしたんだけど、よい感じのご一家だったよ。

先日、お試し期間を経て正式に譲渡が成った。

白猫のコタローに幸あれ。

フォト


そんなことで、保護ネコシェルターはまずまずの滑り出しになってるよ。

次の譲渡候補は大分人に馴れてきたコジローだろうな。

タローも徐々に慣れてきている。

一番の怖がりは三毛のハッピーだけど、こないだ4匹で日向ぼっこしている姿を見かけたよ。 サニアさんですら珍しい光景と言っていたワンショット。 4匹いるでしょう。

フォト


〆はシェルターの歌。

ザ・ローリングストーンズが生み出した名曲だ。

フォト


なんだけどねえ、ここはカバーでいきたい。

色んな歌手、有象無象からビッグまでがカバーしているけど、名曲だけに。

おいらのイチオシはトム・ジョーンズなんだよ。

あのトム、ラブ・ミー・テンダーのジャケットでド派手な衣装でブランデーグラスを掲げたジョーンズがだねえ。

ドカジャン着て、すっげえ味を見せるんだよ。

イントロが長いのでカットする人はカットして。

1:58からほんとの演奏が始まるから。

New Model Army & Tom Jones - Gimme Shelter


https://www.youtube.com/watch?v=CWK1F1b5uRg

12 30

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年02月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728    

最近の日記

もっと見る