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2022年10月25日19:11

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【映画日記】『オレの記念日』

 10月25日、火曜日。

 やや眠れたが、夢見が非常に悪く、起床時の気分は果てしなくダウナー。が、3時間程の睡眠だったので「まだ眠りたい」として二度寝。今度はあまり眠れず。再度起きたら、シネ・リーブル梅田で開催中の『"永遠女優"甦る青春のアイドルたち <1980−90年代編>』で上映中の『魅せられて』には、もう間に合わない。

 三度寝……

 と思ったが、なんとか起きた。

 作業所復帰は来月の10日前後の予定(←まだ血液検査やら、なんやらが残っている)だが、ようやっと先週金曜日から映画館に行けるまでに持ち直したので一度顔を出しておこうと思い立った。ついでだ。第七藝術劇場に行こう。

 外出。

 第七藝術劇場とシアターセブンで新作映画チラシの収集。通常版が36種、大型が3種。豊作。関西限定版は、いつもチラシを送って下さる関東のマイミクさんのために、もう1枚取って来るのだが、数が少なくて年に1度送れるかどうかといったところだ。もどかしい。

 次いで映画鑑賞。入会時にいただいた無料鑑賞券を、まだ使っていなかったのだ。使おう。


●『オレの記念日』

 金聖雄(キム・ソンウン)監督最新作。『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』、『袴田巖 夢の間の世の中』、『獄友(ごくとも)』に続く<冤罪ドキュメンタリー>の第4弾となる。
 
【20歳の時に布川事件で殺人犯とされ、その後、冤罪が認められるまで実に29年間も獄中生活を余儀なくされた桜井昌司さんに密着。冤罪という理不尽によって運命を大きく狂わされながらも、人生を前向きに生きようとするしなやかな姿と、自由の身となった今も冤罪被害者のために活動する等、その内に秘めた力強い信念を見詰める……】というスジ。

 布川事件の概要から再審請求開始決定迄の様子は、井手洋子監督の『ショージとタカオ』(2010年。キネマ旬報文化記録映画部門ベスト・ワン)に詳しいらしいが、公開時、僕は暗黒期の只中に在って、月に1・2度、マイミクさんが映画に連れていって下さる以外は外出が出来なかったので観ていない。これ、観たいんだよなあ。

 さて、『オレの記念日』について、だ。

 ナレーターは小室等。

 金聖雄監督らしい優しい視座は本作でも健在。ゴリゴリに声高な告発調ではなく、ヒューマン。ただ単に取材をするだけでは無く、被写体と温かい交流を結んだ上で生まれた作品である事が窺い知れる。

 以前、【ヒューマン・ドキュメンタリー映画祭《阿倍野》】で、金聖雄監督に会い、少しお話をさせていただいた事がある。その際の上映作は『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』だったが、劇場公開時に『袴田巖 夢の間の世の中』も観ていたので、両作について伺った。その際、硬い話もしたのだが、終盤で僕はこうお尋ねした。

MASA:「そうそう。袴田さんと将棋を指されたんですよね。何度も何度もでしょう? 一度も勝てなかったってホントですか?(笑)」

 返って来た言葉が以下。

金監督:「せやねん、せやねん。何遍指してもぜーーんぜん勝たれへん。勝たれへん、勝たれへん。なんでやろなあ〜? むっちゃ強いねんもん!!(笑)」

 この時の、金監督の笑顔が、とても印象に残っている。

 一方で、金聖雄監督は、昔、呉徳洙(オ・ドクス)監督の『戦後在日五〇年史 在日』の助監督に就いた経験があり、それはそれは毎日がキツくて修羅場で大変であったという。曰く、「もう何回も『逃げたろか』、と思ったよー。食われへんわ、現場は修羅場やわでもう、ねえ、うん(笑)」と。その事を語る際も、金監督は満面の笑顔であった。(他、金監督は伊勢真一監督作品の助監督を務めた経験も有る)

 この、修羅場を経験した上での笑顔。サインに添える言葉は、いつも「ありがとう」。そんな金監督の人柄が、彼の作品にはいつも反映されている。本作でも然り。

 共犯とされた杉山卓男(たかお)は既に鬼籍に入られたが、桜井昌司は常に前向きに毎日を送っている。撮影中、直腸がんのステージ4と診断され、肝臓に転移している事も判るが、それでも全国を飛び回ってシンガーソングライターとして活き活きと活動しておられる(←どこか、さだまさし的である)他、講演会を行ったり、模擬裁判や冤罪支援の会等にも参加している。それらの模様を、決して深刻になり過ぎる事なく見詰める金聖雄監督の視線は、やはりいつもながらのものでジワリと来る。

 一方で、冤罪が確定した東住吉事件の青木惠子や、再審決定後の袴田巖に寄り過ぎており、そこでやや焦点が散ってしまったと感じた。構成&編集は金聖雄組常連の野村太だが、本作では少しもたついてしまったかなと。その点が惜しい。

 が、饒舌な桜井昌司が発する言葉の、その多くが心に残った。これは収穫。

 中でも、「不運は不幸ではない」の一言は長く大事にしたい言葉だ。

 この言葉に出逢えただけでも、観て良かったと思う。

 
 終映後、作業所へ向かった。

 面談。「よろしければまた使ってやって欲しいのですが……」と言うと、「どうぞ、どうぞ」と。ただ、医師の許可が下りない限りは、今回ばかりは無理押しはしない事にする。先方も「そうして下さい。待ってますから」との事。

 ついでと言ってはなんだが、お給料をいただけた。そうだそうだ。いただいて無かったんだっけ。忘れてた。

 丁度良いので、帰りに区役所に立ち寄って収入申告を済ませた。少し前に担当のケースワーカーさんが変わったのだが、なんら問題なく過ごせている。

 その後、自立支援事務所にも立ち寄って、現状の報告。

 そうこうしていたら、もう夕刻。

 帰宅。

 といったところで以上である。


<添付画像使用許諾:(C)2022 Kimoon Film>
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