続きました。
◆4日目【活動時間/6:40、行動時間/4:40】
7:10/槍沢ロッヂ(標高1814m)をチェックアウト⇒7:45/二の俣⇒7:50
/一の俣(標高1705m/ここで8:05まで小休止)⇒8:15/槍見河原⇒9:00/
横尾(標高1620m/ここで9:35まで大休止)⇒10:25/新村橋⇒10:40/徳沢
(標高1562m/ここで11:35までお昼休憩)⇒12:35/明神(ここで12:50まで
小休止)⇒13:50/上高地バスターミナル(標高1505m)へ帰還⇒タクシー
に乗車して沢渡駐車場へ
◆写真はYAMAPへ↓
大キレットに行こうとした
https://yamap.com/activities/19733917
おはようございます。縦走の最終日、4日目の朝です。自宅を出発して5日目、無精髭の伸び具合で時間の経過を実感できます。今日は上高地へ下るだけなので、急ぐ必要は全く無い。宿泊客の大半は今日、これから上へ上がる人達ばかりなので、みんなが出払ってからゆっくりと出発すればええ。朝食後、天気を確認しがてら、一服しに外に出る。
いやいや、ザーザー降りですYO！普通に雨です、雨！これなあー、もう少し弱まらないかなあ。この雨量の中、下山するの嫌だなあ。部屋に戻るとHGさんが天気予報を確認していた。
「予報はずっと雨ですよ。てか、太平洋側から台風15号が接近中！」
「ナニー！？また台風来てるの？前半の三連休は12号、真ん中の平日は14号、後半の三連休は15号、1週間で台風が3つも！？」
「みたいっすね、15号は太平洋側なので、この辺りはほとんど影響無いけど、明日の帰りは今度は台風15号の中に突撃してく感じ。いずれにしてもずっと雨ですわ！」
はあ、何ソレ？ホント勘弁してくれい・・・。
部屋でダラダラと荷物整理をしていると、気づけば他の登山客が誰もいないじゃないの。居ると思っていたのは小屋のスタッフで、掃除機とかかけ始めたYO！そろそろ出発の準備するか。乾燥室に衣類を回収しに行くが、レインウェアとザックカバー以外は何も乾いていない。寧ろ山ズボンとか、生乾きで何だか雑巾みたいな匂いがする。特に臭いのが生乾きのトレッキンググローブ、皮の部分が変なニオイするよ〜！登山靴も全然だめ、皮革パートが湿ったまま。中も湿ってるし、取り外したインソールもほんのり濡れている。これだと新しい靴下を履いても即、足が濡れてしまうだろう。
水没したザックも全然乾いてないし、水を吸って重くなったままだし、ここまであらゆる物が濡れてしまうともう、どうしようもないかも知れんねえ。取り合えずドライキープしたい物を防水のスタッフサックとコンビニのレジ袋に分散収納して、ザックへぎゅうぎゅうと押し込む。部屋に忘れ物が無いかチェックしたら、玄関へ。湿った服の上からレインウェア上下を着込み、ザックカバーを装着したザックを背負う。。チェストバッグも昨日と同様、カバー掛けた状態でザックの中に収納する。
チェストバッグはお財布とかタバコとか地図とか、色々濡れてはいけない物が入ってるのでね。どういうことかと言うと、ザックカバーをしていてもザックは背中側から雨が浸水するのと同じで、チェストバッグもレインカバーを装着していても、裏側の胸に接する部分からどんどん浸水してきてしまうのだよ。自分はこれ、雨天撤退した3回目の富士山で経験して酷い目に合いました。財布は浸水してお札がぶにゅぶにゅに濡れてしまい、自販機で使えなかったりとか。当時は紙巻タバコを吸ってたんだけど、シガーケースが水没してチェストバッグの中が茶色いヤニ汁まみれになってしまったりとか。
コレ↓
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◆山登りはじめました＃107「富士山に行ってきた3rd」
https://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=5956264&id=1931085599
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実は今回、それと全く同じ状況になってしまったんですよ、HGさんが。せっかく新調した大きいザックを背負ってきたんだから、チェストバッグは中に収納すればそこまでヒドイ水没はしなかったと思うんだけど、まあ、これも経験やねえ。半面、電気を使う系のものは全て完全防水仕様なので、こういう時は安心です。腕時計はProTreck・スマホはTORQUE・デジカメはTG4・無線機はVX6、全て雨ざらしOKですYO！あ、唯一防水じゃないのが「携帯ウォシュレット」だったわ。まあいいや、携帯ウォシュレットをザックに外付けとかしないもんね！
さて、起床から3時間経過するも、雨脚は全く弱まる気配が無い。7時過ぎ、意を決して槍沢ロッヂを出発する。ここから横尾までは樹林帯の中を歩くので、多少はマシかと思いきや、全然そんなことはない。頭上の樹木の葉は、雨を湛える限界量なんかとっくにオーバーしているんだ。早朝から気が滅入るでござるよ。
二の俣はスルーして続く一の俣で最初の小休止。下ろしたザックが背面から浸水しないように、登山用の折り畳み傘を広げてカバーする。ホントは傘を差しながら歩くと背中からの浸水を軽減出来るんだけど、道幅の狭い樹林帯の登山道ではやや、マナー違反かな。傘を差すのは横尾まで降りてからだ。いやー、こう言う時、実はポンチョって凄い優秀なんですよ。荷物の上から被るのでザックと背中の隙間から浸水することも無いし、脱着も被るか脱ぐだけで簡単で速いし、風さえなければ大雨の時にはホント重宝するんだよねえ。今度からポンチョも持参してレインウェアと使い分けしようかな、と本気で考えてしまう。
15分程の小休止を切り上げ、下山を再開。「今日は上高地まで帰るだけ」って書いたけど、この雨の中を上高地まで15km歩くのはやっぱり難儀するわいな。一の俣を出ると、段々とすれ違いの人数が多くなってきた。それも一塊が15人とか20人とかの団体さんばっか。ツアー客ですよ、ツアー客！クラブツーリズムとかモンベルとかのね。先頭と最後尾の人が無線を携帯しているので、おそらくガイドさんなんだろうね。こんな雨の中、行くんだ。まあ、登山は雨有りきのアウトドアアクティビティですから、警報が出るレベルの悪天候でない限りは基本、雨天でも普通に決行する、って聞いたことがあります。
途中、槍見河原を通過しましたが、初日はガスで何も見えなかったのに今日は槍の穂先が良く見えました。雨は降ってますが、ガスっているわけではないんだよね。9時ちょうどに横尾に到着するも、ここも同じで横尾大橋の後ろに前穂高岳が良く見えました。雨は降ってるんですけどね。どうもガスはかなり高い位置にあるようで、標高を下げると下は意外にクリアだったってわけ。雨がだいぶ小降りになってきたので横尾で少し、大き目に休憩を取る。取り合えずONZKさん、今日は不機嫌な顔はしてない。話しかけても普通に話をしてくれる。なんだかホッとしました。
雨脚が弱まっているうちに距離を稼ごう、と、横尾を出発。徳沢への道すがら、ONZKさんに話しかけてみる。
「ONZKさん、来年はどうしましょうねえ？槍はもう行かないにしても、今度は、、」
「え？昨日も伝えた通り、私はもう、このレベルの山には行きませんよ。誘っていただけるのは嬉しいですけど、特に岩の山はもう行きません」
「そうなの？」
「しばらくはもう、山自体どこにも行かないと思います！」
ｱﾌｰﾝ、そうなのかあ。HGさんも今回の山行で事実上、手を使う山は引退宣言出してるし、来年以降はソロ活動かなあ。でもソロでまた大キレットに再チャレンジする？って言われたら、今は即答出来ないかも。ホントは自分も今回、大キレットをクリアしたら一区切りをつけるつもりだったけど、なーんかモヤモヤする！
新村橋を通過する辺りから再び雨脚が強くなり、土砂降りの中、徳沢へ到着。時刻は10:40、少し早いがザックを軒下にデポして徳沢園でお昼休憩。約1週間ぶりにコーヒーを飲みました。美味しい。あとはピザを注文。この4日間、主食は白米オンリーだったので、今は米以外の炭水化物が食べたくて仕方がない。窯焼きのキノコとハムのピザ、大変美味しゅうございました。1時間ほどまったりしたら、明神へ向けて行動を再開。
道中、行き倒れている老人に遭遇。先行のパーティーがシートを被せたりして色々と介抱している。どうした？行動不能になってしまったのか？先行パーティーの1名が行き倒れ老人のザックを手で持ちながら、凄い速さで明神方面へ走り去って行った。自分らも昨日と一昨日、一歩間違えたらこうなっていたかも知れないんだよなー、などとボンヤリ考えなら歩みを進める。明神館の近く、登山道上に小さなリヤカーが置いてあったのだが、まさかと思ったらまさかでした。
雨は更に土砂降り、軒下で雨宿りをしながら立ち休憩をしていると、先程の行き倒れ老人がリヤカーで運搬されてきた。ビニール傘で雨避けがしてあるがコレ、現場を見てない人はまさかリヤカーに人が載っているとは気がづかないだろう。それほど「荷物を運搬している」感が強かったのよ。明神館から先は車に乗せ換えて上高地へ向かって行きましたとさ。
14時少し前、4日ぶりに上高地に戻ってきました。スタートはほぼ無人だった上高地バスターミナル、雨とは言えやはりそこは三連休の初日だもん。凄い人数の観光客と登山客でごった返している。雨は相変わらずなので、ビジターセンターの軒下で荷物整理など。泥だらけの足回りを洗い場のブラシでゴシゴシしたらタクシーに乗って沢渡へ。車を回収したら一路、本日の宿泊地である塩尻の健康ランドへ移動する。
健康ランド着の後は、部屋でとにかく濡れた物を乾燥させる。あとは風呂・飯・酒・寝るの最強コンボを決め、翌朝はいつも通り朝6時に移動開始。帰りの車でもONZKさんはやはり元気が無い。朝ご飯も食べずに車の中で待っていたし、あとスゲーむくんでるんですよ。顔とか手とかがパンパンになってるの。本人は思い当たる節が無いって言ってましたがコレ、脱水してるんじゃないかなあ？大丈夫かしら？でもまあ、ONZKさんを自宅に送り届ける時にはむくみもだいぶ引いていたので、あまり気にしないでおこう。
塩尻からの帰路は、予報通り通過中の台風15号の中へ。甲府盆地を抜け、八王子に差し掛かる辺りから土砂降りの雨に。午前中には全員、無事帰宅できましたが、5泊6日の行程の内、ほぼ4日間は雨でした。。
【まとめ】
いやー、雨でした。4年ぶりの山中3泊4日、前後泊付き5泊6日の長い山旅でしたがもう、雨の記憶しかねえっす。6日間の内、実に4日間が雨。残り2日の内、快晴だったのは半日程度で、あとは曇りかガス。台風14号の通過を待って、考えうるベストなスケジュールで臨んだ山行でしたが、現地でここまで予報が急変するとはなあ。結局、大キレットも行けなかったし、同行のONZKさんはずっと不機嫌だったし、色々と消化不良で終了してなーんか、スッキリとしない！
山は逃げないって言うけど、山に行ける機会は時間の経過とともにどんどん失われて行くんだよ。HGさんの引退宣言・ONZKさんの岩山は行かない宣言もあり、大きな宿題として残った大キレット。次回チャレンジする時はきっとソロ山行になるんだろうねえ。自分も高難易度の山行はそろそろ控えようかと思ってますが、やはり大キレットだけは片づけて、中房から上高地までの一筆書きを早く完成させたいんです。
さて、色々あってネガティブなことばっかり書いてますが、良かったことだって実は沢山ありましたぜ！
★未踏の区間を踏破
天狗原から横尾尾根経由で南岳に上がるルートは今回の件が無ければ、この先も行くことは無かったと思います。特に横尾尾根、全く想定外の険しさだったけど、それだって行ったからこそわかること。コルから見下ろす横尾本谷のカールも、行かなければ決して見ることは出来なかった景色です。過去に見たことのないアングルからの槍ヶ岳も素晴らしかったし、おかげて槍沢一帯の地理にも詳しくなりました。
★天狗池と氷河公園
ここはまあ、正直申し上げますと。。雨だったので・・・。でもずっと行ってみたい場所だったので、行けて良かった。願わくば晴れて欲しかったけどね。紅葉の時期、晴天を狙ってどこにも登頂せず、天狗池と氷河公園に眺望を楽しみに行くのは十分ありかと思いますよ。これは老後の愉しみに取っておくとしますか。
★未踏の3000m峰3座のピークを踏めた
実はこれは自分的には一番の成果。もし今回、予定通り大キレットに突撃していたら、この3座の内、中岳と大喰岳のピークを踏むことはなかったかと。で、そのために別日程で槍の肩の稜線に上がることも、おそらく今後、無いと思います。なので大キレットは撤退しましたが、南岳・中岳・大喰岳に登頂出来たのは今回の一番の成果なのです(あくまでも自分の感想です)。そうするとやっぱり、昨年の穂高縦走で前穂のピークを踏めなかったのが悔やまれるなあ。槍穂高連峰の3000m峰8座、踏破したいものです。
さて。来年はカレンダーがあまりよろしくない。祭日が土曜日のケースがめっちゃ多くて、今年と比べると3連休の数がかなり少ないんですよ。9月も3連休は一つしかないし。。今年は7月に企画した白馬三山縦走が雨で中止、来年に持ち越すとついに10年越しの宿題に。今度は8月のお盆の時期に計画してみようかと思ってます。そして9月の連休の北ア山行、来年は3連休が一つしかないので、コンパクトに西穂高岳に行こうかと考えてます。新穂高からロープウェイでね。初日を移動だけにすれば、2日に西穂高岳のピストンは可能なんじゃないかな？
ま、そんな感じで今後も山登りは続きます！
■写真解説
�‘邀戮了劃困�ら本日のゴール、南岳小屋へ向かいます。背後には今回の山行も目的「大キット」とその先の北穂高岳が！アングル的に飛騨側の滝谷も見て取れます。スゴイ景色だよ〜！
��大喰岳(3101m)に登頂〜！天候不良と時間切れのため、今回は槍ヶ岳には登頂しなかったので、この大喰岳が今回の最高標高地点となります。山頂は長い頂稜で、しかも「二重山稜」になってるんです。山頂を見逃して通過してしまう人も多いと聞きました。
�Ｃ羈抻劃困�らの下降はまずは10mの鎖場から。続いて上段が15段4m・下段が17段5mの二段ハシゴ。どちらも難易度は低いが天候が天候だけにとにかく油断は禁物！特に鉄のハシゴは濡れいて滑るので、確実に三点確保で降りて行きます。
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