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2022年09月28日20:23

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色んな弔いの形がある

今日はイオンシネマ板橋で「川っぺりムコリッタ」を観てきました。

監督:萩上直子

配役(役名):松山ケンイチ(山田たけし)、ムロツヨシ(島田幸三)、満島ひかり(南詩織)、江口のり子(中島)、田中美佐子(大橋)、柄本佑(堤下靖男)、緒方直人(沢田)、吉岡秀隆(溝口健一)、笹野高史(タクシーの運転手)他。

コロナで上映が1年延期になり、ようやく上映されたので1年以上前に買ったムビチケで観てきました。

犯罪を犯して収監され、出所してきた主人公山田たけしは新たな生活拠点となる北陸の地方都市へとやってきます。
面倒見のいい沢田社長が経営する塩辛製造工場で働き始め、沢田の紹介で築50年の古いアパート「ハイツムコリッタ」に住み始めます。

隣の部屋に住む島田という男がやって来て、風呂が不調なので貸してほしいと山田にせがみ、強引に部屋に入ろうとしますが、山田は島田を追い払います。
ハイツムコリッタの向かいのアパートに住む溝口健一は墓石のセールスマンで、幼い息子を連れて訪問販売に回りますが、全く注文がとれません。

山田に役所の社会福祉課から父親が孤独死したとの連絡が入り、放心状態の山田の部屋に島田が庭で採れた野菜を届けに来ます。
その後、山田が食事をしていると再び島田が野菜を問溶けに来ますが、嶋田は勝手に風呂に入ってしまいます。

山田が川畔を散策していると粗大ごみの不法投棄場から扇風機を拾ってきて部屋で涼んでいると、またしても島田がやって来て、野菜の収穫に付き合わされます。
島田は勝手に先に風呂に入り、冷蔵庫を開けてビールを飲み始めます。
金を極力使わず自給自足している島田は自らをミニマリストと名乗っています。
島田は幼馴染みのガンちゃんが僧侶をしていることを山田に話します。
山田は幼い頃に別れて何の思いも抱いていない父親の遺骨を引き取るべきか島田に相談し、島田のすゝめに従って社会福祉課の堤下を訪ねます。

山田が食事をしていると島田が茶碗と漬物を持って山田の部屋に上がり込んで、勝手に御飯をよそって食べ始めます。
山田は島田に大家の詩織の事を訪ねると、詩織は未亡人で亡くなった夫の事が忘れられないので、付き合うのは無理だと釘を刺されます。

山田は父の遺留品の携帯電話の発信番号に電話をかけてみると、それは「いのちの電話」で父が助けを求めていた事を知ります。
塩から工場からの仕事帰りに山田が歩いていると、詩織が声をかけてきます。
会話をしていると詩織は妊婦を見ると不快感を持つと奇妙な事を言い出します。

山田は島田に隣室のお婆さんに遭って話をした事を口にしますが、島田はお婆さんは2年前に既に亡くなっていると応え、山田は気味悪がります。
山田は毎日寝付けずにいて、父の遺骨を川に流そうとしますが、袈裟を着たガンちゃゅんが現れて川に流すのを諦めます。

溝口宅からすき焼きの匂いがするのに気づいた島田は山田を連れて溝口宅に上がり込み、勝手に相伴にあずかります。
溝口は家賃を半年も滞納していましたが、資産家の犬用に200万円もする墓石が売れてすき焼きを親子で食べようとしていたのでした。
そこへ詩織も娘を連れて現れ、椀と生卵を持って来て相伴にあずかります。
詩織は山田がお婆さんに会った話を聞き、懐かしいお婆さんに今度会ったら呼んで欲しいと頼みます。

島田は山田をガンちゃん寺に連れてゆき、3人で町へのミニ繰り出しますが、島田が悪酔いしてしまいます。
後日、島田は山田に前科の事を聞い来ると、山田は詐欺で捕まった事を告白します。
山田は誰かが自分の前科を喋ったのではないかと沢田に相談しますが、沢田は職場を仕切っている中島には山田の事を話してあるが中島は絶対に秘密を洩らさないと全幅の信頼を置いて、山田を励まします。

夜半に地震が起こって骨壺が落下して割れ、山田は遺骨を塩辛の入っていた壺に移し替えます。
そして山田は堤下に会い、父は自殺したのかと尋ねると、堤下は山田を父の住んでいた部屋の前に連れてゆきます。
そして、部屋の様子から自殺とは思えないと告げます。

詩織は夫の墓参りの帰りに乗ったタクシーの運転手から死んだ妻の弔いの話を聞かされます。
運転手は元は花火師で、妻の遺骨を砕いて花火と共に打ち上げて弔ったのでした。

詩織の娘の金魚が死に、溝口親子と山田が遺骸を埋めに行くと巨大なイカの形をした凧が上がっていて、島田は俺も連れてってくれと叫びます。
山田が風呂に入っていると島田がやって来て、前科の事を聞いた事を誤り、自分は過去に何度も騙された事を告白し、山田には友情を感じている事を語ります。

台風が来て、島田が怯えていると山田は恐怖を克服する方法を教えます。
台風が去ると島田の家庭菜園は全滅していましたが、島田は川畔のホームレスの心配をしています。
山田は父の遺骨を石で砕いて粉々にし、そこへ詩織がやって来ると、山田は島田の事や自分の心境を話します。
詩織は山田に葬式をやろうと言い、ガンちゃんを先頭に溝口親子、詩織親子、ホームレスが参加して川っぺりを楽器を鳴らして練り歩きながら散骨するという奇妙な葬式をするのでした。

萩上直子監督作品といえば必ずといっていいほど、食べ物が脇役として登場しますが、今回は何の変哲つもない真っ白な御飯、そして塩辛、野菜、漬物といった素朴な食べ物が自己主張することなく地味に登場しました。
映画はファンタジー作品で、現実離れした事が置きますが、萩上監督らしいふわっとした作風でした。
タイトルのムコリッタは仏教用語の時間の単位だそうで、ささやかな幸せという意味があるそうです。
という事で、ささやかな幸せを描いた作品でした。

公式サイトURL
https://kawa-movie.jp
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