「ちむどんどん」は「脚本チーム制」が裏目に出たか？

「ちむどんどん」について、「男性視点朝ドラファンコミュ(仮)」コミュでも取り上げましたが、個人の日記にも書いておきます。

(参考)NEWSポストセブン「朝ドラ『ちむどんどん』の苦境　「脚本チーム制」が裏目に出たか」
https://news.yahoo.co.jp/articles/0898a38d698446bfa6a4417829183d13a7baf138?page=1


脚本作りに脚本家と制作統括とチーフ演出の3人が積極的に関わっていたとありますが、記事には脚本家・羽原大介は「全体の構成案が出来上がったのが約2年前」とコメントされており、「マッサン」のクオリティを見ても、質の悪い脚本家では間違ってもないと個人的に考えています。

記事には、制作陣全員が料理に詳しくなくてもいい、とありますが、それなら料理に詳しい方をスタッフに加えれば済むことではないでしょうか？

前作「カムカムエヴリバディ」でも、1983年夏の設定なのに、ラジオから「セーラー服と機関銃」が流れていた理由について、制作統括がみんなの意見を聞いて決めた、というネット記事がありました。

史実考証を考えれば「探偵物語」ではないだろうか？ということは「カムカムエヴリバディ」トピで書きましたが、史実考証や音楽担当者が当時のヒットチャートから「BGMは薬師丸ひろ子の「探偵物語」が望ましい」と主張しても、みんな(スタッフの大多数)が「同じ薬師丸ひろ子の「セーラー服と機関銃」がいい」と言ったから、「セーラー服と機関銃」に決まってしまうような環境だとしたら、史実考証や音楽担当者はやっていられないでしょう。

あくまでネット情報源がネット記事なので、「カムカムエヴリバディ」の「ひなた編」のドラマ制作環境が多数決型の職場とは100%決めつけられませんが、ラジオが影の主人公と言えるドラマで、BGMのセンスがヒットチャート的にずれているケースはかなりありました。
(正直、ヒットチャート的に厳密なセンスを求めなくてもいい「ちむどんどん」のBGMの方がセンスがいいくらいです)

もし多数決型の職場だとしたらそれを改めて、専門性の高い担当者の意見が通りやすい環境にしないと、質の高い担当者は力を発揮しにくくなり、質の低いドラマになってしまいます。
(但し、いくら専門家だからと言って「ドラマの嘘は認められない」という人では困ってしまいますので、そこがドラマ作りの難しいところです)

制作統括とチーフ演出が変にいじった可能性が高いと考えています。


参考記事の末尾に、次の朝ドラ『舞いあがれ！ 』のことが書かれていました。

当初、脚本は桑原亮子(氏)が書くことになっていましたが、突然、嶋田うれ葉(氏)、佃良太(氏)の両名が脚本陣に加入したとのこと。
桑原亮子は朝ドラ初作品で、略歴を見る限り、ヒット作と言える作品はないため、連続ドラマ作りにあたって、この両者はNHKがサポート的に入れたと考えています。

ただ、桑原亮子はヒット作こそないものの、ギャラクシー賞や文化庁芸術祭賞受賞という、ぶっとんでしまうくらいの文芸度の高い作家です。

(参考)Wikipedia 桑原亮子
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%91%E5%8E%9F%E4%BA%AE%E5%AD%90


私は桑原亮子脚本のドラマを一度も見たことはありませんが、略歴から文芸度の高い作家としての作品が期待されているということは、ドラマ制作を行っている方なら理解できて当然だと思います。
個人的には、実績には乏しいが、才能のある作家を起用する「朝ドラ改革」だと考えていたので、「舞いあがれ!」には非常に期待をかけていました。

しかし、嶋田うれ葉は「エール」(2020年前期)を見て失望した脚本家。

佃良太は1992年生まれの若手。この方には悪いですが、齢が若くても大ヒット作のある脚本家ならば年齢は問題視しませんが、実績のない脚本家だとどうしても年齢は気になります。

(参考)
https://japancreatorbank.com/ja/creator/748/

また、「ちむどんどん」は一発芸や出来の悪いコント的描写が目立ったため、若手起用はマイナスにならないか不安です。


どうせ補佐につけるなら、芥川賞や直木賞候補者やそれに準ずる文芸度の高い方でかつTVドラマの脚本家を目指そうとする方をつけられないかなぁと思ってしまいます。

自分なら、「おかえりモネ」の脚本家・安達奈緒子にお願いして、割増料金を払うので、ペンネームで参加してもらえないかオファーぐらいするけどなぁと思ってしまいました。


(注)ネット記事の敬称の付け方は一定基準がないため、敬称略でコメントしています。その点はご了承願います。