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2022年08月08日07:48

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【Laboratory】

第八十六回 王都作「衝撃(プチっ)!」(三題噺『夏』『しましま』『虹』)

ここは真夏のとある街
陽が沈みかける頃、エアコンの室外機から来る熱気にやられかけて鬼蒸し暑い。そのまま居たら体力削られてく…
白石虹(しらいし・こう/24)は、その最中に涼を求め飛び込んだ某漫画喫茶の本棚で偶然コミックス『シマシマ』1巻に手を伸ばした
ブースの内外ともに静かで、聞こえるのは誰かの足音か近くの席でジュースを啜り終わる直前の音ぐらいだった。ただただ黙々と読み進み、気づけば30分コース利用終了の時刻

で、そのときの感想
 "何か、こう……ビジネス前提のサービスでも見ず知らずな他人の体がすごい近いと、私なら眠るどころか目が冴えちゃうかも…期待したのと違ったな。私普段は人よりカメラのレンズが相手だし"

とは思いながらも続きが気になるのと蒸し暑さで噴き出した汗のベタつき残りが混ざり、コミックスを返却棚へ置くなりそこを出て、検索で見つけた近くの古くて暖かみのある佇まいの銭湯に着く
茶色面積がほとんどの貸し切りに近いレトロな内装のフロントに入り、入浴セットを買って、準備済ませて手早くシャワーの後少しだけ湯に浸かり、体が暖まったところで上がった。髪と体をほどほどに乾かし服を着ると、一目散にマッサージチェアに腰をかけコインを入れてゆっくり動かしながら、スマホで2巻をダウンロード後すぐに読み始めた

そのチェアから近くの平べったい長椅子へ移動してしばらく読みふけっていると、同じ風呂上がりの遊び慣れてそうな男の子(18歳頃)が私の正面・半径60cmくらいに近づく。驚きながらヤツを見ると、その頭上にゴワゴワした白いタオルが無造作に乗っかっていた。なんかマヌケ(*´艸`*)ププッ
そこから突然こっち目がけて飛びかかり、洗い髪から滴る水が飛び散り、思わず顔を背けた。ち、ちかいっ!
「あの〜」
「な、なに?アンタ」
ヤツは無邪気なのかニヤけてるのか微妙な顔を近づけ
「画面見せて🖤」
「やだ。」
間髪入れずに断るも、ヤツはそれでも私のスマホを覗きたがり、笑顔なのに、ある種圧を感じさせるような雰囲気に呑まれ、しぶしぶ見せた
彼は、画像を見るなり前の方のページへスキップ機能で戻り
「シオさんとガイね、なつかしー♪この巻から後の展開俺スキなんだよなー」
「で? 何がしたいの」
同じ機能で私が読みかけていたページまで戻したヤツの動きが止まって、一瞬だけ目が異様に泳いだ
思い返すと、私はこのときチェアを離れ家に帰るべきだった。バカだわ…
「ようやっと誰かと話せるなあって♪♪♪」
「あぁ、そ。それはそれはよかったね」
絶対突き放すつもりだったが逆で、ヤツのハイテンションにつられ、私も不思議と悪い気がしない。しばらく相手するか

で、とりま自己紹。それから雑談
私から、k /Ou(漢字は非公表)
ダンスパフォーマーとミキサーでYouTuber
Instagram、LINE、Tik-Tok…その辺してる。各SNSの説明欄に「YouTube休止中」。それでも今までに稼いだ分で暮らせてる状況
ヤツは私の動画視てたこと思い出したらしい。それでも・・・あんな声かけナイよな?って言ったらネット民が上げる謝罪動画みたいに声張った平謝り。で、無礼は許したぴかぴか(新しい)
ヤツはケイ(炯)
ダンサー上がりで舞台してる子。舞台の情報をInstagram更新してるだけ。その中で劇団サイトの公演案内のリンクは貼ってる
あの業界は遠慮無く絡んで来る奴いるし、初対面で距離詰めてきたのそれか…トークも楽に出来るはずだ
そもそもケイが何から『シマシマ』を知ったのか尋ねると
「舞台稽古の休憩中に漫画好きな先輩からコミックス1巻を渡され、感想を求められたから」だと。納得(--)(__)"「ちなみにその先輩から続きを借りて全巻読んだ」とも
この後流行りのランキングとかそこらのどうでもいい話しかしてない

フロントには男性の利用客が増え、中には小学生男女たちの姿もある。風呂上がりに飲まれる瓶ドリンク用冷蔵庫が長椅子近くにあり、開け閉めされるたび漏れる冷気が足下に来てひんやり心地いい

またしばらくスマホに向かって2巻を読み終わると、今度は私からケイに向かって
「で、この展開の何が好きなの?」
ケイはここで
「俺さっきスキって言ったよね?」と言うが先か
私の耳許に掛かるボブへ指をぬるっと…
違和感が強烈に仕事し、吐き気が。じゃあ私は
「作品の中の展開が、でしょボケーっとした顔
ガチで正しいし。ってお前さっき自分で言ったじゃんexclamation ×2
ケイはキョドって私から離れたが、すぐ立て直し
「何それぇ〜〜〜!」
私も目には目を、ノリにはノリで
「何それ、はナイからぁ〜〜〜あっかんべー
さすがに数人の利用客からチラッと見られ、ビビった…あせあせ(飛び散る汗)

雰囲気が悪くなってもう帰りたかったので、ケイは無視して一人でフロントを出た
ここ数時間中のバッドメンタルと裏腹に、街の照明と夜空の星が輝いていた

この話にタイトルつけるなら、「シマシマ ⇒ ヨコシマ」か。動画のトークにも使えないブーイング
使ったエネルギー返して!


この後、飲み友たちと北千住で突発オフバーぴかぴか(新しい)ワイングラス
よく集まってくれたよ〜exclamation ×2と喜んだけど、そのうちの一人から「絡み酒」認定あせあせ(飛び散る汗)
ハズいあせあせ


―― Materials ――
山崎紗也夏『シマシマ』1巻・2巻 講談社モーニングKC。※王都は4巻まで読んだ覚えがある
漫画喫茶の利用経験
東京銭湯情報と利用経験あれこれ
ネット動画配信者関連情報
巷のパリピ(っぽさある人も入る)たち
元マイミク数人
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