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2022年07月26日07:32

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小噺0369 ミカンの缶詰

購入したカットフルーツをいただこうと思ってカップを開けたら、甘ったるい缶詰ミカンが入っていました。新鮮なフルーツの詰め合わせと思っていたのでガックリ(歳をとったせいか甘いものを摂らなくなっています)。

すると疑問だったことを思い出しました。それは缶詰ミカンはどうやって作られているか?ということです。
調べてみると主に次の3つの行程がありした。

1. 剥外皮(はくがいひ)
収穫した温州ミカンに熱い蒸気をあてて柔らかくした外皮を剥皮器(はくひき)という機械で剥きます。どうしても出てしまう剥き残しは、パートのおばちゃんが手作業で取り除きます。
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2. 身割り
外皮を剥いたミカンを各房に分けます。これを身割りというのですが、身が潰れないように工夫された機械でバラバラにします。
どうしても2個くっついたモノが出てしまいますが、それはパートのおばちゃんが手作業で。
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3. 剥内皮(はくないひ)
これが最大の疑問でした。手作業でも難しい(大きなミカンでも)各房の皮剥き、どうやっているのでしょう?
答は「塩酸で溶かす」です。昔どこかで聞いたことはあったのですが、調べてみると0.7%の食品用希塩酸に30分ほど浸けて溶かすとのことです。そのままでは酸性ですから、続けてアルカリ性の0.3%苛性ソーダ(過酸化水素水)に30分ほど浸けて中和します。

その後は缶に入れて、あの甘いシロップを満たして缶を閉じ、熱湯で殺菌して完成、というワケです。

https://youtu.be/BslBHD8f5Ig

ところで、缶詰って偉大な発明ですね。本稿0145「臭!」で書いたシュールストレミングみたいなモノも含め、あらゆる食品があります。「高原の空気」の缶詰もあるそうで。
基になったのは、フランスのNicolas Appert(ニコラ・アペール)が1804年に発明した食品のビン詰です。特にビタミンC不足を原因とする壊血病(長期航海で問題に)の予防に効果的でしたが、ビン詰は重くて割れやすいという欠点がありました。
6年後の1810年、イギリスのPeter Durand(ピーター・デュランド)がビンの代わりにブリキの缶を使う方法で特許を取得しました。
これが缶詰の発明です。

その特許を基にイギリスで1812年に作られた缶詰工場では、職人がハンダ付けをして蓋を閉じていたため生産個数は限られていたようです。
時とともに蓋は改良され、近年はプルトップになって缶切りが不要になりましたね。あのギコギコやるやつ、好きだったのですけどね(古!)。

蓋の進歩は著しいのですけど、コンビーフだけは相変わらず棒で缶の横をグルッと一周剥がして開ける旧態依然としたタイプですね。
ところが先進的な「アルミック缶」という容器も登場しています。これはアルミ箔と樹脂フィルムを貼り合わせたシートを蓋にしたプラスチックの容器です。コーヒーフレッシュを大きくしたような感じでしょうか。簡単に開けられる割に密閉性も高いそうです。
これはしかし、最早「缶詰」ではなく「プラ詰」ですな(名前に「缶」が付くのは何故でしょう?)。コンビーフに限らずこれがこれからの主流に?でもプラスチックだから反SDGs、抵抗があります。
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