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2022年07月20日09:30

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44歳非正規社員男性の絶望…孤独な加害者が、ネットで「上級国民バッシング」した結果たどった「悲惨な末路」

44歳非正規社員男性の絶望…孤独な加害者が、ネットで「上級国民バッシング」した結果たどった「悲惨な末路」
阿部 恭子 2022/07/20 05:00
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ネット市民革命にハマる人々
7月10日に行われた参議院議員選挙の投票率は52.05%と相変わらず低い数字となった。8日には、選挙演説中の安倍晋三元首相が銃で撃たれ死亡する事件が日本中に大きな衝撃を与え、「暴力による言論弾圧」という主張も飛び交った。

日本は、大震災でもコロナ禍でも暴動が起きることなく、多くの人はルールを守って生活している。その反面、匿名のネット社会では「死ね」「殺せ」「火をつける」といった言葉の暴力が横行し、精神的に追い込まれる人が相次ぎ、命が危機に晒されていると言っても過言ではない。

photo by iStockコピーライト 現代ビジネス photo by iStock
A氏(男性・44歳)は、氷河期世代で正社員の経験がなく、非正規の職場を転々としてきた。幼い頃は当たり前に手に入ると思っていた家も家庭もなく、貯金もないまま溜まっていくのは不満だけ。こんな世の中にした政治を許せないと思いながらもここ10年、選挙には行っていない。不満解消のはけ口は、ネットでの「上級国民バッシング」だった。官僚や政治家、芸能人のコメントを炎上させ、謝罪や失職に追い込むことに、投票では得られない手応えを感じることができたのだ。過激なコメントほど賛同を得ると思い込み暴言はエスカレート。脅迫で書類送検される。

B氏(男性・39歳)もまた、ある著名人へ送った文章が脅迫に当たるとして書類送検され、「社会的に成功している人が羨ましかった」と話す。B氏は正社員で家庭もあるが、家のローン返済や子どもの教育のため、自由になるお金がなく不満を募らせていた。

実際、相手に危害を加えようと考えたのか、A氏は否定するが、B氏は周囲に煽られ、相手を攻撃する自分の姿が頭を過ったという。

子の教育にかかる費用や親の介護など、B氏が語る不満からは政治で解決すべき課題も多い。しかし、本人は政治には無関心だと言い投票にも行かず、ネットで「権力者」と見做す人を追い詰める行為を「ネット市民革命」と呼び快楽を得ていた。

加害者たちは世間の憎悪に敏感で、叩いてもよいターゲットを見つけては執拗な攻撃を繰り返していた。地位剥奪の快楽は一瞬で、問題の根本的解決にはならない。たとえ相手が非難されるべき人物だったとして、制裁が行き過ぎれば次は自分が罰を受けることになる。それでも、自暴自棄になり人を傷つける加害者たちは、長期的なビジョンが欠落しており、自分の幸福より他人の不幸を目にすることを望むのである。

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絶望を乗り越えるための連帯
A氏B氏とも犯行が明るみになったことで自らの加害性を認識し「目が覚めた」と話す。両氏とも、暴力化する言動を煽る人はいても、止めてくれる存在はいなかったという。ふたりとも、孤独だったのだ。自暴自棄になり刺傷事件や殺人事件を起こした人々の背景にも社会的孤立は少なからず影響しており、その解消が事件を減らす課題であることは間違いないであろう。

筆者は拙著『家族という呪い―加害者と暮らし続けること―』(幻冬舎新書、2019)のなかで、「マジョリティの弱点」として、加害をする男性たちに連帯の発想がないことを指摘してきた。

女性やLGBTQといった「マイノリティ」は、不条理な差別に晒されながらも連帯することで社会への怒りを力に変えてきた。社会的に不利な状況は続いていても、仲間や賛同者が増えていくことによって、日々、社会が変わる小さな手応えを感じることができる。こうしたコミュニティが、怒りを暴力ではなく、社会を動かす力に変えてくれることがある。

社会の課題解決を目的としたコミュニティは増えている。即座に利益を生まないネットワークを無駄だと言う人もいるが、いつかその課題が自分事となった時、重要な受け皿になるかもしれない。
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