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2022年07月08日07:13

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クルマ0331 なぜ市販されなかったのでしょう?(BMC・ADO34)

1952年春、人々が腰を抜かすような大合併が行われました。イギリス自動車業界1位のNuffield Organization(ナッフィールド・オーガニゼーション、モーリス・ウーズレー・ライレー・MGなどを傘下に置くコングロマリット)と2位のAustin Motor Co.(オースティン社)が合併したのです。トヨタとホンダが合併したようなものです。
誕生したのはBMC(British Motor Corporation)で、そのデザイン/エンジニアリング部門はADO(Amalgamated Drawing Office)と言い、開発したクルマや機構などはナンバリングされました。

このADOナンバーの34がとびきり魅力的なんです。
ピニンファリーナがデザインして1966年に製作されたADO34は、ロングブリッジのオースティン工場で作られたオースティン・ヒーレー・スプライト版と、アビンドンのMG工場で製作されたMGミジェット版がありました(この2車はもともとコスメティック面のみ異なるバッジ・エンジニアリングによる兄弟車です)。
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ミニをベースにした2座のオープン・スポーツで、オースティン起源のAシリーズ(水冷直列4気筒OHV)エンジンをフロントに横置きし、オイルパンの中にギヤボックスもデフ(ディファレンシャル)も沈めた2階建ドライブ・トレーンのFF(フロントエンジン・フロントドライブ)でした。

古いBMCミニに乗ったことがある方ならお分かりでしょうが、全長3mちょいの車体の四隅に10インチという小計の車輪を配した低重心の車体は、4輪独立懸架で驚くほどのアジリティ(敏捷性)を示してまるでスポーツカーのようでした。この好ましい特性はそのままに、可愛らしいオープンボディを載せたADO34は、どうして市販されなかったのでしょう?

もし市販されていたら、色々な排気量・チューニングがあったAシリーズ・エンジンのうち、当時最も強力だったミニ・クーパーS用の1275cc(ボア70.6×ストローク81.33mm)が搭載されることになったでしょう。圧縮比9.75から76馬力/5800rpmを発生した高性能エンジンです。

なお、ADO34はクーペ・バージョンも作られました。ADO35がMG版、ADO36がオースティン・ヒーレー版でした。
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