2600年・・・

　先日、参議院選挙の比例区に立候補している
　山谷えり子さんの選挙カーが来ていました。
　運動員の人が簡単な団扇を配っているので、それと知れました。
　山谷さんの応援に来ていた誰か分かりませんが演説をしていました。
　どうやら、先月、自民党の国会議員による「神道政治連盟国会議員懇談会」が、
　「同性愛は精神の障害、または依存症」などと、
　ＬＧＢＴに対する差別的な冊子を配っていた問題で、
　日本は2600年の歴史があるが欧米諸国は、せいぜい数百年だから、
　欧米諸国のＬＧＢＴ問題をあてはめるべきではないと言うような話でした。
　僕は立ち止まって聞いた訳ではなく、歩きながら耳に入って来た感じでしたので、
　詳細は分かりませんが、無茶苦茶な話だと思いました。

　それはそれとして、2600年です。
　日本が建国2600年だと言っているのは、
　神武天皇が即位したとされる紀元前660年から数えての事なのでしょうが、
　これは皇紀と言って、今年は2682年になります。
　この神武天皇の即位は神話ですが、信じている人がいるようで、
　かつて、日本は神の国だと言って辞職に追い込まれた総理大臣がいました。
　紀元前660年の日本は、地域によって異なりますが、
　縄文時代晩期から弥生時代早期に当たる時代で、
　国家が形成される時代からは、はるか前です。
　因みに、邪馬台国の卑弥呼の時代からでも900年近く前の事になります。

　皇紀2600年は、1940年（昭和15年）でした。
　この年、旧日本海軍の艦上戦闘機の名機が制式採用されます。
　零式艦上戦闘機が正式な名称ですが、一般的にはゼロ戦と呼ばれています。
　当時の日本の軍用機の名称は、
　採用年次の「皇紀」の下２桁を冠する規定があり、
　皇紀2600年から、その下２桁の「00」から「零式」とされました。
　1940年は、日独伊三国同盟が締結され、
　国民精神総動員本部が「贅沢は敵だ！」の立看板1500枚を東京市内に設置し、
　大政翼賛会が発会して、戦争に一直線に突き進んだ年です。

　日本の建国2600年と言っている人は、
　ゼロ戦が制式採用された当時と同じ時代感覚なのではないかと気になります。
　そして、そうした人が国会議員として、政治の中枢にいる事が
　恐ろしい事のような気がします。


【今日の一句】
　願い事　１つも叶わず　逆恨み