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2022年06月30日17:34

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BAEシステムズ・エアが将来の戦闘機の進歩を強調

BAEシステムズ・エアが将来の戦闘機の進歩を強調
2022年6月25日: クレッグ・ウォールトン [Flight Global]
https://www.flightglobal.com/flight-international/bae-systems-air-highlights-future-combat-aircraft-progress/149147.article

チームテンペストの立ち上げと英国の戦闘航空戦略は、前回(2018年)のファーンボロー航空ショーで大きな防衛ヘッドラインをもたらしたが、しかしその後4年間にコロナパンデミックなどの要因はどのような影響を与えたか?
現在、2億5,000万ポンド=3億1,300万ドル(約407億円)のコンセプトと評価段階にある同国の将来の戦闘航空システム(FCAS)の取り組みには、チームテンペストのパートナーであるBAEシステムズ、レオナルド(UK)、MBDA (UK)、ロールス・ロイスが含まれ、国防省(MoD)および英国空軍(RAF)と協力し、イタリア(レオナルド)とスウェーデン(サーブ)の業界トップおよび防衛機関とも提携している。次の大きなマイルストーンは2024年で、プログラムパートナーはいわゆるアウトライン・ビジネスケース2(OBC2)提案を提出し、翌年のプログラム全体の立ち上げと2035年からのサービス導入を目指す。そこでのチームテンペストの目的は、以前の戦闘機プロジェクトの半分の時間と半分のコストで運用能力を提供することである。

《長期的な脅威》
「テンペストとFCASプログラムに関する活動を通じて私たちが行っていることは、将来の脅威の状況、つまり2040年ころの見通しによって大きく左右されます」とBAEの事業開発ディレクター、ジョン・ストッカー(Jhon Stocker)は述べている。「私たちが開発しているコンセプトと驚異に対する解決方法は、その長期的な脅威に対応出来るものが非常に多くあります」と、ランカシャーの同社のオォルトン(Warton)サイトでのショー前のブリーフィングでジャーナリストに語った。「私たちはコアプラットフォームを中心にコンセプト作りの作業を繰り返し続けており、チームテンペスト内で進行中の作業に関する情報を共有する予定です」とストッカー(Stocker)氏は述べ、テンペストの初期コンセプトの本格的なモックアップの横に立って、「これが最終的な解決策ではない」と強調している。その他のプログラム要素には、無人補助車両、キネティックと非キネティック「エフェクター」、指揮統制/情報システム、デジタル・スルーライフ・サービスが含まれる。「OBC2(アウトラインビジネスケース2)の入口に向かう中で、今後数年間で必要な証拠をどのように開発するかという点では、軍事能力とコストだけでなく、より広範な国家価値評価で、プログラムにおける参加各国の価値を証明することに非常に焦点を合わせています」とStocker氏は言う。国家価値評価は、主要な投資の純経済的影響や、地域の経済的不平等に対処しようとする英国政府のいわゆるレベルアップ・アジェンダ(levelling up agenda)を支援する能力などの要因を検討する。
BAEシステムズ・エアの最高執行責任者(COO)であるイアン・マルダウニー(Ian Muldowney)氏は、ユーロファイター・タイフーンの生産、最終組み立て、輸出におけるBAEシステムズ・エアの役割を通じて、今日、このような大きな貢献をしたと指摘する。BAEによると、戦闘航空部門は通常、毎年英国からの国際防衛販売の85%を占めており、46,000人の高価値雇用(その多くはイングランドの北西部と南西部、スコットランド)を支えている。「センサー、推進力、機体、飛行システム、そしてこれらすべてを統合する能力など、ユーロファイターは英国の航空戦闘技術に関するプラットフォーム全体のシステム能力の最新の痕跡の1つです。これはBAEシステムズだけにとどまらず、英国全体の取り組みです」と彼は言う。マルダウニー(Muldowney)氏は、FCASとTempestへの投資を促進する上での戦闘航空戦略の重要性を指摘し、「2018年は、英国政府による意思の声明が、将来のプログラムのいずれにも見たことのないものでした。英国と周辺国の目的が軍隊の内部だけでなく、業界全体で航空戦闘に関する独自の主権的能力を望んでいることは明らかでした。BAEはパンデミックの間、ウォートンの従業員を一切解雇せず、その上でランカシャー(Lancashire)東部のサフラン(Safran)のサイトから余剰人員に直面していた約100人のスタッフを募集しました。」と語る。

《リモートワーク》
同社は、リモートワークを可能にするために「数万台のラップトップPC」を用意するなど、危機の間での労働形態の柔軟性を高めたが、マルダウニー(Muldowney)氏は「キッチンテーブルから航空機を設計および製造することはできません。航空機の製造の為には工場内にいなければなりません」と言い、現在の回復期には「潜在的な実力主義(potential presenteeism)の文化から、成果をあげる文化に転換したい」と彼は言う。マルダウニー (Muldowney)氏は、10年以内に完全なプログラム開始から初期運用能力(IOC)に移行するという目標に言及し、「パートナーとそこに到達し、その困難な事業計画に取り組むことができると確信しています」と述べています。しかし、FCASは決して英国だけの活動ではなく、イタリアとスウェーデンの企業も関与しており、BAEは日本とトルコの産業界との将来の戦闘機プロジェクトに別々に関与しています。「私たちはここで国際的なプログラムを非常に重視しています」とストッカー(Stocker)氏は言及し、「誰もが、このプログラムの次の段階をどのように立ち上げるかが本当に重要な部分であることを非常に明確にしています。私たちは、さまざまな要件と軍事および産業能力がどのように組み合わさり、将来のパートナーシップの中核的要素を形成するかという点で、その面でいくつかの素晴らしい進歩を遂げています」。ストッカー氏は、輸出管理、安全保障、知的財産への配慮は、プログラムの多国籍構造の下で中心的なテーマであるとし、「それは挑戦であり、これまでとは非常に異なる方法です。いま私たちがやっているのは、将来のパートナーから最初からそこにいなかったことで不利にさせられない方法で事業に参加できるようにする構造を開発することです」。


《現実的な機会》
マルダウニー(Muldowney)氏は、日英両国の軍事的・産業的関係の強化に言及し、先進的な戦闘機技術に関する両国の協力は「現実的な機会」の象徴であると述べている。「それを洗練させるために私たちがどのように協力しているかについては、日本とは多数の一致が在り多くの作業が進行中です」と彼は言う。東京はまた、レオナルド(UK)、MBDA (UK)、ロールス・ロイスとそれぞれレーダー/電子戦機器、武器、エンジンの推進力の開発に取り組んでいる。「政府から国防総省を経て産業界に至るまで、私たちが正しい方法でこの取り組みを行っており、そして日本側が私たちにとって適切なパートナーであることを確認するために、英国の企業として共同で懸命に働かなければなりません」と彼は言う。「三菱重工業(MHI)は私たちが技術をどのように進化させるかという点で、私たちと緊密に協力しておりそれは正しい方向に動いています。彼らは素晴らしい技術、素晴らしいエンジニアを持ち、FCASシステムがどこに向かうかという方向性という点で意欲と私達との類似性を持っています」。一方、約100人のBAE要員がトルコに在住しアンカラ(Ankara)のTF-X将来戦闘機開発事業を支援しており、これは英国企業の最新の契約であと1年が残っている。「これは良いプログラムであり、非常に野心的なトルコ主導の計画です」と、マルダウニー氏が続けて、「潜在的に英国がトルコと次の段階へと続く契約を結ぶ機会があります。可能であれば、このプログラムのパートナーであり続けたいと思います」。
ユーロファイター・タイフーンの生産は近年減少しており、BAEは現在カタール向けのジェット機の最終組立や、ドイツ、クウェート、スペイン向けの航空機用部品の製造を行っている「タイフーンの最終組み立てを安定的に進めたいが、FCASの作業までに製造期間に隙間が存在します」とマルダウニー(Muldowney)氏は、FCASの作業が活発化するまでの期間について述べている。新しいプログラムは、英国の戦闘航空部門を再活性化するための鍵である、とマルダウニーMuldowney氏は言う。「はい、私たちは(ロッキード・マーティンの)F-35(胴体後部の製造)を行っていますが、これは英国の産業にとって大きな収入と膨大な量ですが、それは戦闘機の[システム全体]能力を維持出来ず、タイフーンの様に背後に見られる経済を牽引する雇用とスキルの規模を維持することはできません」。
しかしながら、現役のユーロファイター・タイフーンの活動的な大多数には焦点が当てられウォールトン(Warton)で戦力維持と能力強化が考えられている。英国で現在焦点が当てられる最も重要な分野の1つは、レオナルド(UK)のECRS Mk2アクティブ電子スキャンアレイ(AESA)レーダーを受け入れる戦闘機の準備である。最初の飛行試験用の新しいセンサーの試供品は年末までに配達される予定で、ユーロファイター・トランシェ3機体コードBS116(ZK355)はすでにそれを受け取る準備のためにウォートン(Warton)の飛行試験格納庫で待つ。統合作業(integration)と地上基地でのテストに続いて、AESAシステムは2023年後半から飛行テストを受ける予定であると国防総省は述べている。
レオナルドUKのレーダーチーフエンジニアであるロス・ウィルソン(Ross Wilson)氏は、このセンサーは現在、スコットランドのエジンバラ(Edinburgh)にある屋上研究所でテスト中だと言い。「これは実際のテスト済みの機器であり、現在ソフトウェアをテストしています」と彼は言う。このシステムは、ブライト・アダー(Bright Adder)という名前の英国の試験キャンペーン中に以前に使用された機器を再利用する。テスト段階では、予備のレーダーもウォートン(Walton)に供給され、さらに宣言されているIOCマイルストーンまでの作業をサポートする約6つの追加アイテムが供給される。少なくとも2機の飛行試験機と、英国空軍(RAF)の第41航空隊(41 Sqn)から試験・評価部隊からの人員と追加資産が関与する。国防総省は、現在2030年を目標にしているサービスの導入は、「堅牢な機能を… 頼りにして戦争に持ち込めるもの」を目指している。英国は2026年からECRS Mk2センサーを取得してユーロファイター・タイフーン・トランシェ3の40機に搭載する統合工事が予定されている。この技術は電子攻撃機能も提供するが、トランシェ 2の試験機に組み込むのにも適している。ECRS Mk2の取り組みに対する新たな資金提供は、今年後半から承認される予定で、生産と機器の納入への道が開かれる。これとは別に、BAEはウォートンからタイフーン用のP3EB能力アップデートパッケージの飛行試験を継続しており、将来のP3EC改造をサポートするための地上試験も継続している。同社はまた、内部資金を使用して開発されたタイフーンの交換用コックピットディスプレイのリグおよびシミュレータ試験も実施しています。大面積ディスプレイと2つのバックアップ整合性パネル(携帯電話に似たサイズ)を特長とし、ユーロファイター・タイフーンのプラットフォームの長期的な進化アップグレードの一環として提案されている。

《製造スキル》
BAEが新しい製造技術を開発するために現在取り組んでいる他の複数のイニシアチブの中には、次世代技術の試行に専念するウォートン(Warton)の格納庫である未来の工場がある。
これには約50の組織とのパートナーシップが含まれ、現在BAEの近くのサムズベリー製造現場で使用されているスマート加工ベンチからロボット支援組立ステーションまで、さまざまな機器の使用を試行している。これは、10分の1ミリメートルの公差を持つ異なる胴体セクションまたは航空機タイプで動作するように迅速に再構成することが出来るとBAEは言う。
BAEは、将来の戦闘機の機体の約30%に積層造形(additive manufacturing)を使用して製造できる一方で、熱間静水圧プレス(hot isostatic pressing)などの革新は、部品製造中に粉末チタンを使用することで希少な材料への依存を減らすことができると考えている。
同社は、このような研究を継続するために、将来の工場の規模を潜在的に倍増させる予定であり、FCASやテンペストなどのプロジェクトに利益をもたらすだろう。
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