mixiユーザー(id:203502)

2022年05月28日19:25

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【シン・ウルトラマン ネタばれ感想】

そろそろ内容込みで感想を書いてしまいます。

ウルトラシリーズの様々な制約を離れて、初代ウルトラマンの世界を現代の一般映画の枠に落とし込むというそのコンセプトには大満足です。
映画全体の構成をキチッと作り、そのままでも楽しめる。そして、『ウルトラQ』『ウルトラマン』を知っているとさらに楽しめるという理想的なリメイク作品として成立していました。
興行的にも好調とのことで、今後のウルトラシリーズや円谷作品にも良い影響が出るでしょう。

短い尺の中で、禍特対メンバー一人一人のキャラを立たせたこと、リメイク怪獣が初代の個性を損なわないまま良いアレンジが為されていること、外星人たちのキャラクターが良い味を出していることなど、好感を持った点は多々あります。
何よりも、ヒーロー&特捜チーム対怪獣というウルトラシリーズのセオリーは守って、ワクワク感のあるストーリーで最後まで観るものを引っ張っていく構成は見事です。

とは言え、手放しで絶賛できないポイントが2つあります。
1つは、浅見弘子の描写に不必要な性的演出があったこと、具体的には巨大化させられた時スカート姿だったことと、自分の尻を叩く動作が多かったことです。最初からセクシャルなトーンで作られた映画なら良いのですが、ファミリー一般向けの映画でこの演出は特に必要だったと思えませんし、観客層の一部には確実に不快感を与えるでしょう。巨大化時にパンツスーツでも特にストーリー上の問題はないし、自分に気合いを入れるアクションなら他にも考えられるはずなのに、何故こんな描写を入れたのか不可解です。
2つ目は、「ゾーフィがゼットンを操る」という昔の怪獣書籍のミスを、そのまま正当化するかのようにストーリーに組み込んでしまったことです。それが、そのまましっくりストーリーに溶け込んでいれば良かったのですが、実際にはゾーフィが地球を滅ぼそうという動機の弱さや、「宇宙の正義が不条理に地球人類を断罪する」という展開の使い古され感のために、終盤の展開が今ひとつ精彩を欠いてしまいました。
「過去のノイズを作品に組み込んだこと」「その組み込みが上手く機能していないこと」
これはやはり作り手の「遊び」が過ぎたように思います。

上記の2点以外は間違いなく傑作かつウルトラシリーズにおいてもエポックメイキングな作品であっただけに、惜しまれます。無論、傑作であることは確かです。もっと欠点の多い映画はいくらでも存在します。しかし、長年のウルトラシリーズファンとしてはもっと手放しで絶賛したかった気持ちがあり、そのためにマイナスポイントについても気になってしまいます。
もう一度くらいは観に行く予定ですので、その時にはもっと美点を見つけたいものです。


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