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2022年05月22日21:29

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スルガ銀不正融資「スジ悪物件で奈落に」438人の怒り

スルガ銀不正融資「スジ悪物件で奈落に」438人の怒り
5/22(日) 9:30配信

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毎日新聞
「苦しみは終わらない」と記者の前で話す女性=東京都千代田区で2022年4月19日、今沢真撮影

 東京・霞が関の中央官庁街の一角、東京地裁に、司法記者クラブの会見場があります。今年4月半ば、その会見場で1人の女性が十数人の記者を前にマイクを握っていました。その記者会見は、スルガ銀行の不正融資の「被害弁護団」を率いる河合弘之、山口広両弁護士らによるものでした。河合氏が女性を紹介し、「被害者の一人です。話してください」と促し、女性は静かに語り始めました。【毎日新聞経済プレミア】

【写真】創業家の「かいらい」を否定した当時の会見

 ◇「かぼちゃの馬車」は解決したが…

 女性は「私は東京都内在住、50代の会社員です」と口を開き、手元の紙に目を落としながら言葉をつないだ。要約すると次の通りだった。

 6年前、仲介業者の紹介で、シェアハウス「かぼちゃの馬車」1棟を7490万円で不動産会社から購入した。すべてスルガ銀行から借金した。不動産会社の破綻で家賃保証がほごとなり、返済義務だけが残った。ただ、弁護団の尽力で物件を代物弁済し借金を帳消しすることで決着をみた。

 「でも、私の苦しみはまだ終わっていません」と女性は続けた。シェアハウス購入の1カ月前に、同じ仲介業者の紹介で、埼玉県熊谷市の中古賃貸マンション1棟を、投資として2億5920万円で買っていた。すべてスルガ銀行の融資だった。賃料収入は説明よりかなり少なく、多額の修繕費も必要となり借金返済に行き詰まった。

 「いよいよ自己破産か、自殺して家族に不動産を残すべきか、夜も眠れぬ日々を過ごしました」。銀行に融資書類の開示を求めたところ、払ってもいない手付金の領収書が出てくるなど、素人目にも怪しすぎる点が多数見つかった。

 「400人を超える被害者の一員として、弁護団とともにスルガ銀行と闘ってゆく決意をお伝えしたかった」。女性はこう述べた。記者の前で話すのはもちろん初めてだが、人に言えない話を聞いてもらい、うれしい感情がこみあげたという。

 ◇シェアハウス購入者946人が和解

 「かぼちゃの馬車」問題は、2018年に社会問題化した。スルガ銀行から借金をした多数の人が返済不能に陥り、「自己破産」の危機に直面した。

 行員が不正に関与していたことがわかり、金融庁が銀行に業務停止命令を出した。購入者と弁護団は、銀行前のデモや株主総会での追及など激しい抗議活動を展開。銀行が白旗をあげ、20年、物件を返し借金をチャラにする「代物弁済方式」で銀行と購入者257人の和解が成立した。

 シェアハウス購入者は、この257人だけではなかった。和解のニュースを知り、「自分も自分も」と購入者が次々名乗り出た。弁護団はその交渉も引き受け、今年3月に和解がすべて終了した。弁護団を通じて和解した購入者は946人に増え、物件数は1213棟、融資総額は1485億円にのぼった。

 購入者は高知、山口以外の全都道府県に広がり、ドイツ、中国など海外6カ国の在住者もいた。スルガ銀行が「貸手責任」をすべて認め、前例のない決着となった。

 ◇シェアハウスとは別の中古物件も

 だが、問題は終わらない。不正はシェアハウスだけでなく、投資不動産向け融資全般に広がっていた。和解した946人の中に、冒頭の女性のように「シェアハウスは解決したが、スルガ銀行に別の借金が……」という人が50人いた。

 50人が購入したのは、築20年、30年たつ中古賃貸マンションの1棟ものだ。シェアハウスは新築だったが、こちらは築古(ちくふる)と呼ばれる。修繕費が次々と発生し、収支がすぐマイナスになる「スジ悪物件」ばかりだった。銀行は2億円、3億円といった過剰融資をしていた。預金通帳偽造などシェアハウスと同じ不正が見つかった。

 50人のほかに中古物件だけの購入者も次々と相談にきて、弁護団に委託したのは388人に膨れ上がった。50人と合わせて計438人。物件数は791棟、借金は総額1051億円にのぼる。1人平均2億円を超す。

 「かぼちゃの馬車」問題が表面化して4年あまり。「かぼちゃ」はほぼ解決した。だが、巨額の借金に今も苦しむ438人が「過剰融資の被害救済を」と訴え、弁護団ともにスルガ銀行と対峙(たいじ)している。
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