mixiユーザー(id:6084585)

2022年04月26日17:47

43 view

四月大歌舞伎 第一部

「四月大歌舞伎 第一部」

歌舞伎座。いってきましたーー!
1等16000円。花道横10列。

仁左衛門さんと玉三郎さんの「ぢいさんばあさん」も悩んだけど、
「天一坊」で、松緑×猿之助×愛之助、と、とても魅力的だったので、こっちにしました。

歌舞伎座は現在も、2席連席、1席空けて・・・の60%の席で公演中。
ロビーや席での飲食禁止(飲み物OK)、
幕間の大きなおしゃべりや食事、きちんと着用していないマスクは、
スタッフがしっかり丁寧に注意されていて、ほんと素晴らしい。安心です。

「通し狂言 天一坊大岡政談」

第一部
通し狂言天一坊大岡政談 序幕
11:00−11:32

雪の日。なので花道は白い布。
花道から現れるお霜(新悟)。
いろいろな成り行きから久助(巳之助)と駆け落ち。
やってくる、法澤(猿之助)。
ただ良くしてくれている老婆のお三(笑三郎)に会いにきただけに見える。
お燗つけてる囲炉裏みたいなとこに足をかざして温めてるのがおもしろかった。足の指がよく動いてた。
大きなネズミも落ちてくる。
なんで、わざわざネズミ殺しの薬は人も殺せるって言うんだろう。説明だろうか。
そんなこんなで、御落胤の告白後、酔っ払って寝ちゃったお三に縄をかけようとする法澤。
なんで、縄もってたのに毒殺なんだろ。私が何か見落とし聞落とししてるのかな。
「要らぬ殺生」をしても、頭が回る法澤。とっても軽い。

幕間 10分

通し狂言天一坊大岡政談
二幕目
11:42−12:02

御落胤じゃない偽物だって告白するところ。
あっけらかんとしてる。
台詞もとってもわかりやすい。すごい。
で、出て来た。伊賀亮(愛之助)。
ずっと低い声で話す。
やっぱりかっこいいよね、愛之助。
伊賀亮に偽物だと知られて、あー味方にならんのなら殺してくれ、的な台詞。
ほんとに今死んでもまーいいか、的な投げやりさと言うか執着のなさがあって、
御落胤に化けるのもゲームみたいに感じた。生きてるのが退屈みたいな。

で、味方の坊さん、自分の弟子をすぐに殺して法澤に「天一坊」の名前を上げる。
怖いわ、その即座に殺す考えと行動が。
それはそれとて、鯉が跳ねてた。ユーモアが結構盛り込まれてる。
天一坊と、伊賀亮の「ぬふふふ」「ふははは」みたいな、あのやりとり。おもろい。

幕間 30分
3階にいってみると、中高生くらいの子供がおんなじような服を着てたくさんいる。
課外授業だったのかな。ふわふわしていた。
筋書きを買って、ソファで読んで、伊東深水とか上村松園とか眺めて、席へ。

通し狂言天一坊大岡政談
三幕目・四幕目・大詰
12:32−1:35

出て来たー、大岡越前(松緑)。目がおっきいわー。
花道から、天一坊御一行。
天一坊が七三で止まり話す。
舞台に背を向けるようにして話すので、めっちゃ見える。
猿之助さんは、客席をよく見ている。まるでこちらが見られる側のように。
愛之助さんも凛々しくかっこいい。
大岡越前と、伊賀亮の「網代問答」と言われる部分、せめぎ合いがおもしろい。
テンポがよく、楽しい。
そういえば、この芝居は、みんな声がはっきりとして特徴もあり、いいなー。
花道を引っ込む時の愛之助さんを、前のめりで観劇する私の前の方。かっこよかったもんね。ちょっと悪い顔。
さて、証拠があるから御落胤と認めた大岡越前だけど、こっそり、腹心の池田大作(坂東亀蔵)を紀州に送って身元を調査させる。

で、腹心が帰ってこないので、切腹しようとする大岡越前と息子(左近)。
左近さん、実の息子なんですね。
介錯を命じられる治右衛門(歌昇)。久々に歌昇さん拝見。たっぷりな演技でいいですね。
上手の御簾の上段から浄瑠璃で聞かせる場。
治右衛門が駄々こねてると、池田が、天一坊が偽物の証拠も連れて帰ってくる。
池田が急いで戻ったためゼイゼイいってるのを何やら怒鳴る大岡越前だけど、
証拠を連れてきたというと、守り神同様だと褒める。切羽詰まってたのね。
息子の「切腹しなくてもいいのですね」といったような台詞にゆるむ空気もよき。

最後は、バレて、ちょっと白を切るけど、久助が来ちゃったから、開き直る天一坊。
バレても、チッ、くらいな軽さ。
勧善懲悪でお開き。


おもしろかった!
ところどころ決めのポーズやら、にじりにじりみたいなところもあって、歌舞伎!

猿之助さん、黙阿弥だけど、台詞感がない。口語のようだ。
何いってるかわかりやすくとってもよかった。
でもちょっと軽みが強すぎた。
かなり内容削っているそうなのでそれもあるけど、天一坊が悪を働くってのより、生きてることへのどうでもよさが前面に出ていて、悪が軽く感じる。
その分、伊賀亮の、動きや声の低さが重みを感じて好きだった。
松緑さんに正義がとても似合っていた。地味ながらとってもまっとう。
珍しい組み合わせらしいですが、実に見栄えのするお芝居でした。
ひと世代後に看板役者になるであろう方々が出ていて、豪華だなーと思いました。

仁左衛門さんの時にはお見かけしないタイプの、ミニスカートに、ハイヒール、ヴィトンのバッグに、髪を巻いている20代女性グループなどがおられ、興味深かったです。
華やかでいいよね。

でもって、天一坊何となくわかったので、神田伯山さん、来年新春の連続読みで「天一坊」やんないかなー、と思ったら、「再来年の正月には通しでやりたいなあ」とのこと。
2年後かー。
伯山さんの悪い奴はとても説得力があり、魅力的なので、楽しみに待ってよー。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する