続きました。
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北横岳
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【スタック脱出編】
さて、山行当日。初日は茅野に移動するだけなので出発はお昼頃。弟氏の運転する実家号でまずはONZKさんをピックアップ。3人で横浜を出発、今度はHGさんをピックアップしに川崎方面へ。全員揃ったところで府中のスマートICから中央道へ。まあ三連休の初日ですからね、予想通りの大渋滞ですわ。もうね、八王子インターまでがサッパリ動かない。当初は談合坂辺りでお昼食べながら時間調整を、なんて話をしていたのですが、それだとお昼ご飯が15時とか16時とかになってしまう。夜ご飯に影響するのと、みんな腹減りで仕方ないので途中、石川PAで軽く昼食を取ることに。
結果的にはこれが大正解。石川PAで時間調整をした結果、いっつも渋滞する小仏トンネルから相模湖の分岐あたりの渋滞がその間に解消し、意外とスムーズに移動できました。途中、八ヶ岳PAで小休止をするも、外はかなり寒い。予報では本日下界は雨、山は雪で明日は晴れるとのことですが、いやいやこれ、もしかしてメッチャ寒いんでないか？
八ヶ岳PAを出ると雨がかなり降ってきた。ガスで外は真っ白けです。諏訪ICを降りて最寄のコンビニへイン。ここで翌日の朝食と昼食の買い出しをする。というのもね、調べたら北横岳ヒュッテはランチ営業はしていないとのこと(食事の提供は宿泊者のみが対象)。自炊もアリなんですが、もし吹雪いたりするとそれも無理なので、念のためパン類を買って行く。
なお、スノーフィールドでおにぎりはNGね、寒いと凍って食べられないので。パンはパンでも脂分が多い総菜パンがグッド！生野菜系のサンドイッチも凍るのでNGです。何年か前に谷川山麓にスノーシューハイクに行った時、駅で買って行ったサンドイッチのレタスやトマトがシャーベット状に凍ってしまい、シャリシャリで食べられなかった経験がありますYO！ちなみにロープウェイの山頂駅、カフェはあるのですがメニューを見たらコーヒーとコケモモジュースしかない。要は上では外食は当てに出来ない、ってことなんですわ。
12時に自宅を出て結局、茅野の定宿にチェックインしたのは18時ちょっと前。荷物を置いたら即、行きつけの中華屋へ移動。古民家を改装したこの店はみんなが普通に想像する中華屋さんでは無く、海外のお店みたいなんですよー。人気店なので予約が無いと19時前には直ぐ満席になってしまうのです。しかし、体調不良で撤退した赤岳・雪予報を前に無理やり日帰りを強行した赤岳・東西天狗岳の日帰り・昨年の1泊2日の硫黄岳⇒横岳⇒赤岳の縦走、そして蓼科山の日帰りと、茅野を拠点に八ヶ岳に登るのも今回でもう6回目か。定宿と常連のお店があるのはホント、良いことです！
結構ヘビーに飲み食いしたら宿に戻って風呂、と思いきや、何かそのまま寝落ちしてしまった。早朝4時、モゾモゾと起きて支度をする。5時、予定通り全員ロビーに集合、車に移動して茅野を出発。ピラタスの駐車場を目指します。
ところが、山に入るとだんだん道路が凍結してきた。3月の後半だし、FFのスタッドレスだから大丈夫じゃね？という適当な見通しが甘かった！駐車場まで残り500mの標識の所で遂に実家号がスタック、身動きが取れなくなってしまったﾝｺﾞ！
「どうすんの、これ、完全に空転して戻るも進むもできねえ！」
と運転席から弟氏。取り合えず車は左急カーブの手前、内輪側は着雪した上、外輪側は凍結した路面に跨り停車。実家号の後ろにはスタックの先客が1台いる。そしてその下、ワンボックスが登ってきたが同様にスタック。ヘアピンカーブの前後で3台が身動きが取れない状況に。
「だいたいさー、移動開始が早過ぎるんだよー！道路凍ってるやん！」
まあ確かにその様です。今回登山は3連休の中日。しかも前後が雨予報で真ん中だけが晴れ予報。前日から上に登っている人達も沢山いるわけで、とにかく駐車場が満車で入れないことを懸念してたんですよね。ロープウェイの始発は9時なんですが、5時に茅野を出発して7時までに駐車場に着いて、そこでゆっくり支度やら朝食やら、ロープウェイが動くのを待って時間調整をするつもりが、まさか目の前で6時には車がスタックとは！ふう、見通しが甘かったぜ！
取り合えず車を降りてみる。アスファルトの上は凍っていてツルンツルン、こりゃ確かにアカンわー。スタックした3台を尻目に、4WD車はガンガンと道路を登って行くよ。特に軽の四駆とか身軽だよねえ。寒いので一旦社内に戻る。かなり冷えて来たので上着を着込むも、まだ寒い。
「暖房入れたいけどガソリンあと僅かだからさあ、アイドリング出来ないよ。元々今日、復路で給油する予定だったから」
と弟氏。
マジかー。
「で、どうする？戻るにしても身動き取れないよ。JAF呼ぶ？」
「それかここに車を置いてここから登山開始するか、凍結が融けるまで待つか・・・。」
「待つにしても寒くて車内で時間調整は厳しくない？」
予想外の事態にメンバー一同、喧々諤々でござるよ。
外を見るとチェーンを巻いたトラックが下りてきて、最後にスタックした3台目のワンボックスの所から折り返し、再び坂を登って行った。融雪剤を散布しているようだ。
「私、ちょっとこの先の道路の様子を見てきますね！」
とONZKさん。
「じゃあ一緒に行くわ」
と弟氏と2人で坂を登って行く。
「じゃあ、自分はちょっと、後ろのスタックしている人と話してみる」
自分は車を降りて坂を降りる。
「スマン、足元サンダルなんで外は無理っす！」
HGさんは車に残ることに。
真後ろの1台はドライバー一人の模様。車はFFのスタッドレスだ。その下のワンボックスも同様。
「いやー、これ融けるの待つしかないですわ」
「やっぱりそうですかね？」
「さっきから融雪剤撒かれてるけど、潰さなきゃ効果ないし、それには車があと50台くらいは通過しないと」
「で、そこから効果が出るまで1時間くらいかかるんじゃないかなあ」
うーむ、そうなのか。これは参ったなあ。寒いので一旦車に戻りスライドドアを閉めると、車が動いた！
「HGさん、今、車動いたよね？後ろに！」
「うん、動いた！ズルって滑ったよ！」
ちょうどONZKさんと弟氏が戻ってきて、車に乗り込むとまた動いた！
「ちょ、ちょっと待って！さっきから車が後ろに滑ってるんだわ！輪留めしないと！」
弟氏は運転席にいてもらい、チェーンスパイクを借りて靴に装着。ONZKさんと輪留めに使えそうな石を探しに下へ降りる。拳よりやや大きい岩を見つけたので、後輪両側に輪留めをかけて、車に戻る。そして各々が集めた情報を共有。
この場所を抜けて反対車線側に出られれば何とか進めるかも知れないとの見解。先程の融雪剤を散布しているトラックが再び降りてきて、また登って行く。
「ここで停滞は事実上無理なので、やるしかないか。まさかスノースコップの最初の使用がこれとはなあ・・・」
弟氏が持参したスノースコップで運転席側の前輪の下の氷をガリガリと削り出す。ある程度削ったら自分が交代。弟氏が運転席に戻ったら自分とONZKさんが車の後ろに周り、アクセルオンと同時に車を押す。後方でスタックしていた車のドライバーも一緒に車を押すのを手伝ってくれた。
「動き出したら止まらずそのまま駐車場まで行って下さい！」
とONZKさん。せーの、で車を押したら動き出した！そのまま自分らも歩いて後を追う。路面はやはり、所々凍結しているが、チェーンスパイクのおかげで滑らずに歩いて行ける。耳が冷たい。顔が冷たい。手はアルパイン用のグローブをしているので大丈夫だが、首から上の防寒が皆無だ。早く合流しなくては。
駐車場まで歩くこと500m、無事HGさん・弟氏と合流出来た。駐車場はまだ空きはあるも、ほぼ満車。屋根に雪が積もっている車が大半だが、これは前日から山に入っている人達の車だね。
「いやー、一時はどうなることかと思ったけど、良かった良かった！」
「あれ、何か忘れてない？」
「あー！後ろの車の人！スタック脱出手伝ってくれたのに、礼も言わずに来ちゃったよ！」
「うーん、あの人独りだったし、ホントならあの人のスタック脱出も手伝わないといけないよねえ(汗)」
スミマセン、みんなテンパってたんですよ。お許し下せえ。
「早朝から動いたんで腹減ったよ、取り合えず朝飯にしようぜ！」
弟氏が実家号の後ろを向かい合わせシートに変形させ、テーブルを出す。二人ずつ向い合せに座り、コンビニで調達したおにぎりとかパンを食べながらやっと人心地つく。
「さて、朝ご飯食べたし、トイレ行くがてらちょっとロープウェイ乗り場の様子、見てきますわ」
と、外に出る。早朝なので気温は刺すように寒いが、日が昇っているので日差しは暖かい。朝の澄んだ空の向こう、南アルプスの稜線が見える。これは美しい。トイレの近くにはテーブルとベンチが置いてあり、ここでゆっくりと身支度が出来そうだ。建物の中に入ってみる。ピラタスはスキー場なので、要はロープウェイ乗り場の下がロッカーや着替え室になっているようだ。自販機もゴミ箱もある。ここでゴミ捨てが出来るのはありがたいね。
なお、中には先客が複数いた。スキー客ではなく完全に登山客。どうも前の夜から中で宿泊していたっぽい。ロッカールームのテーブルの上でバーナー出して自炊してるんだが、これって良いの？火災報知器とか作動しないのかしら？先客はしばらくしたら装備を背負って出て行った。ロープウェイを使わず、ピラタスから登る人も大勢いるようだ。諸々確認が出来たので一旦車に戻る。
「ロープウェイの始発、9時じゃなくて8:40だって！チケットは8:20から販売するってYO！8時になったら乗り場の下にテーブルとベンチがあるので、そこに移動して身支度しよう！」
「御意〜！」
その��に続く・・・
■写真解説
�）眠３戰劵絅奪徳阿賄仍概劼蚤膾�雑でした。立ち休憩も厳しいレベルです。
�∨眠３�(2480m)に初登頂〜！なのです！フル装備ですが、実際は夏山装備に＋αで問題無し。ピッケルも実際のところ、全く必要無し。でもせっかく持参したんだから使いたいんだYO！
��今回初使用の秘密兵器「Snow Claw」です。バックカントリー用の簡易スノーショベルですが、座布団にもなって頗る便利。重さも140gしかないのだ！
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