ナイル殺人事件（Death on the Nile）

　ミステリーの女王アガサ・クリスティによる名作「ナイルに死す」を、同じくクリスティ原作の「オリエント急行殺人事件」を手がけたケネス・ブラナーの監督・製作・主演で映画化。エジプトのナイル川をめぐる豪華客船の中で、美しき大富豪の娘リネットが何者かに殺害される事件が発生。容疑者は彼女の結婚を祝うために集まった乗客全員だった。名探偵エルキュール・ポアロは“灰色の脳細胞”を働かせて事件の真相に迫っていくが、この事件がこれまで数々の難事件を解決してきたポアロの人生をも大きく変えることになる。ベルギー訛りの英語と口ひげがトレードマークの探偵ポアロ役を、前作「オリエント急行殺人事件」同様にブラナーが自ら演じた。そのほか、第一の被害者であるリネット役に「ワンダーウーマン」のガル・ギャドット、その夫サイモン役に「君の名前で僕を呼んで」のアーミー・ハマーなど豪華キャストが集結。（映画comより）





＜2022年2月27日　劇場鑑賞＞

　やっと公開！もう、最初に予告を見たのはいつだったのか、思い出せないくらいです。今となっては、貴重なアーミー・ハマーの雄姿。魅せてくれましたね。

　冒頭、モノクロの画面、しかも「1917」みたいな戦争の砦と若い兵士たちが数分間描かれ続けるので、絶対に映画を間違ったんだと思いました。なにしろマルチプレックスシアターですから、スクリーンは山ほど。「しまった・・・」と思ってました。注意書きを表示するべきですね。「コーダ　あいのうた」でも、”意図的に音を消してます”という意味の表示が最初に入ってましたから。

　ともかく、グダグダ迷っている間に若かりし頃のポアロがモノクロのまま登場し、ホッと安心した次第です。結局は、なぜ彼は立派な口髭をはやしているのか、という逸話だったわけです。

　そして、話は本編へ。美貌の大富豪ガル・ギャドットが旧友エマ・マッキーに彼氏を紹介されます。これがアーミー・ハマー。背が高く見栄えのする彼は、彼女と見つめ合ううちあっという間に恋に落ち、今までアツアツだった彼女エマを尻目に、3か月後には結婚パーティです。何なんですか、この展開。そして出かけた豪華客船の旅。突然起きる殺人事件。

　結論から言うと、予想の域を出ない展開で、あんまり感動や驚きはなかったです。でも、話の途中で、ガルは富豪ゆえの辛さや孤独を述べるシーンも多々あって、そんなに財産目当てな連中が常にいるのなら、たった3か月で恋して結婚するなんて無謀だし、そもそもそんな中にあって、エマに「お金に無頓着なのはあなただけだった」と言うくらい彼女を大事に思っていたのなら、彼氏を奪うべきではなかった。いくらハンサムな男でもね。まぁ恋は盲目と言いますが。

　富豪は結婚も難しいのか、ガルの設定が少し年輩過ぎたような。もう少し若い女優さんでもよかったのかな、とも思いました。なぜなら、世間をわかっているような年齢に見えて、アーミーとすぐにベタベタになるのがちょっと不自然な感じがしたからです。

　しかし、すごすぎる豪華客船でしたね！死ぬまでに一度は乗ってみたいと思いました（無理です）。こんな快楽漬けの人生、1か月くらいでいいから経験してみたい（笑）。戻ってこれなくなって身を亡ぼすかもですが。