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2022年02月07日09:00

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静岡新聞 不安抱える非正規独身 女性不況、深刻化「一人で頑張らないで」

不安抱える非正規独身 女性不況、深刻化「一人で頑張らないで」
2/5(土) 10:38配信 静岡新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/0956fe6fc81d3b41fe3c5ba454bd07e83d8dfe92?page=1
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今後の長い人生に備えて「もう一度行動する時が来た」と語る県中部在住の女性

 新型コロナウイルス禍に伴い、「女性不況」という造語が生まれるほど非正規雇用の女性が打撃を受ける中、非正規職の独身(シングル)女性の生活不安が高まっている。静岡県が公的支援の対象者として2021年末から支援講座を開催している。どんな不安を抱えているか。当事者に現状を聞いた。

先細る生活に焦り
仕事から得られる年収

 「グラグラと気持ちが揺れている」。静岡県中部在住の独身女性(49)は非正規職の一つ、パートとして働いている。コロナ禍でも幸い仕事に大きな影響はないが、同居の母が体調を崩し、介護施設に入った。生活費の一部に充てていた母の年金を介護費に回し、住居賃貸費や光熱費を自身のパート収入だけで工面し始めた。頼る人もなく、生活の先細りに焦りを感じるという。

 社会に出て20年超、一貫して正社員だった。仕事が何よりも好きで、結婚は視野に入らなかった。会社都合で失職したのは40代に入ってすぐ。正社員歴の長さから再就職は容易と思ったが、「甘かった」。再就職活動に臨んでも、希望職種の求人が少ない上、管理職経験の不足か、年齢の壁か、正規職には戻れなかった。

 苦労の末、現在の職場に。正規職を補助する業務は、正社員時代より心身ともに負担は少なく、その点で不満はない。
 しかし、雇用期間の契約に限りがある。コロナ禍において多くの非正規職の女性が影響を受ける中、女性も「契約更新の保証がないのは不安」という。同時に、「かといって正規職もね」と達観する自分もいる。補助業務を続けるうちにスキルの不足と加齢を感じ、転職には慎重にならざるを得ない。

 母との支え合いが絶えた今、「このままではどん詰まり。母の介護はめどが立った。今度は私の人生を考える番。しばらく見ないふりをしていたけれど、キャリアアップへもう一度行動する時が来た」と考えている。

支援届かず深刻化
自身の貯蓄額

 政府の21年版男女共同参画白書によると、初の緊急事態宣言が出た20年4月、女性の雇用者数は男性の約2倍の74万人減少した。女性の就業が多いサービス業、特に飲食・宿泊業が打撃を受け、非正規職を中心に雇用環境が悪化した。その後、持ち直しの動きがみられるが、女性の非正規職は20年3月以降、13カ月連続で前年同月より減っている。

 静岡県男女共同参画会議は「非正規職の女性は経済的困難を起因とする生活不安が明らかに高まっている」「特に独身女性は今後、親の介護など生活負担が加わり、一層問題が深刻化する」と指摘した。非正規職全体や、独身でも子どもがいる「シングルマザー」(ひとり親家庭)は行政がすでに支援。同じ非正規職でも、男性は賃金格差で女性を上回る傾向にある。こうした状況から、県は21年12月、非正規職の独身女性(おおむね35歳以上)に特化した初の支援講座開催に至った。

 山口精子県男女共同参画課長(52)は「当事者に話を聞くと客観的にはギリギリの状況。困窮度が高いにもかかわらず、特化した公的支援がない中、一人頑張っている」と援助の必要性を語る。

 同様の講座は、16年度から5年間、横浜市男女共同参画推進協会が先行実施し、現在も別の形で支援を続けている。事前調査で分かった二大困難は雇用継続と低収入だ。回答者の6割が「不本意」に非正規職に就き、3割は年収150万円未満−などと実態の一端が明らかになった。

 非正規職の独身女性に特化した公的支援は全国的に乏しい。同協会の秋葉由美さん(43)はその背景に「男性稼ぎ主モデル」を挙げる。非正規職の女性に対しては、夫の扶養の範囲で既婚女性(主婦)が補助的に働くという想定が根強く、独身女性の二大困難が「問題」として可視化されにくいという。

 当事者が望んでいるのは結婚や出産を体験しない女性への偏見や女性への家事・介護負担の偏りの是正と制度改革、雇用や住居など具体的支援プログラム、そして「同じ立場の人とのつながり」だった。
 前述の女性も、独身と知った同僚からどこかよそよそしさを感じるという。「結婚の有無にかかわらず、普通に接してくれるとうれしい」と思いを明かす。

「心の中のモヤモヤを外在化すると楽になれる」。静岡県が静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあで開いた支援講座。初回講師のキャリアカウンセラー錦戸かおりさん(58)は受講者に、まずは理想の働き方、続いてそのために不安なことを書き出して外在化するよう語り掛けた。自分自身の胸の内を客観的に捉えることができ、具体策が立てやすくなる。

 静岡県の支援講座は横浜市の先例を参考にした全3回。不安の解消に向けて専門家から助言を得る。すでに終了した「キャリアアップ」「親の介護」に続き、今月19日には最終回「マネープラン」を予定している。

 錦戸さんは理想や不安を書き出した受講者に自治体やハローワークなど行政の相談窓口、民間企業によるキャリアアップの支援を列記した多数のチラシを紹介。不安や悩みを解消しうる情報を探し出し、在住する自治体以外にも相談を試みる大切さを説いた。「外在化して、情報を集めて、『だめもと』ぐらいの気持ちで問い合わせる。一人で頑張らない。応援してくれる人を見つけましょう。絶対に味方はいると信じて」と穏やかな表情で励ました。

目立つ「年収300万円未満」 横浜市調査
世帯の主な家計収入

 横浜市が2021年4月に発表した20年度就職氷河期世代非正規職シングル女性の就労支援に向けた調査および事業開発報告書によると、首都圏在住のシングル(シングルマザーを除く)女性300人(34〜49歳)のうち、非正規職141人は4人に3人以上が「年収300万円未満」(正規職は9割弱が300万円以上)だった。貯金額は「10万円未満」が30.5%で最も多かった(正規職は3分の1超が1000万円以上)。

 主な家計収入は「自分の勤労収入」が76.6%、「家族の勤労収入」が32.6%、「家族の年金」が28.4%。新型コロナ感染拡大による働き方の変化で「労働時間が減った」のは23.4%(正規職17.0%)、「月給が減った」のは17.7%(同5.7%)だった。

<メモ>女性不況(シーセッション)
 女性(シー)と不況(リセッション)を組み合わせた造語。政府の2021年版男女共同参画白書によると、製造業の業績が急落し「男性不況」ともいわれた08年のリーマン・ショックと対比して、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた女性への経済的影響を「女性不況」と呼ぶことがある。

静岡新聞社
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