『ピュアジャパニーズ』　2022年11作目　☆☆★　チネ・ラヴィータ

『ピュアジャパニーズ』　2022年11作目　☆☆★　チネ・ラヴィータ
https://purejapanese-movie.jp/

　ディーン・フジオカさんが企画・プロデュースし、自ら主演も務めるバイオレンス・アクション映画。

　なのですが、終始???でした。
　タイトルからして「日本人とは何ぞや?」を問うてくる作品なのかと思ったのですが、終始「何で?」「何故そうなる?」ばかりでした。
　早くも2022年最大の謎作品、迷作かもしれません。

　話自体は単純で、中国人と組んで日光に温泉施設を作って外国人観光客を呼ぼうとしている「国政選挙に出る予定」の県会議員が、手下のヤクザを使って土地を売らない爺さんと孫の女子高生に嫌がらせしてたら、謎の男が割って入るって話。

　謎の男を演じているのがディーン・フジオカさん。
　アクション俳優で、アメリカで撮影中に事故を起こしてトラウマになっちゃって、今は日光江戸村でアクションショーをやっている。
　練習では上手い、上手過ぎて周りがついてこれないレベルのアクション俳優なんだけど、本番ではトラウマが出ちゃって実力が発揮出来ない。

　「訳ありなのね」ぐらいに思ってたんだけど、事故の真相が???だった。

　「あんた役者じゃなくてチンピラだよね」なチンピラが出てて不快でしかなかったんだけど、話が謎、謎過ぎました。

　土地を売らない爺さんに気に入られたのか、県会議員が「酒だ寿司だで買収してる寄合」に参加した帰りにバイクで二人乗りしようとするんだけど、トラウマ起こして操作ミスで爺さん倒しちゃうのね。
　それで爺さん病院に運ばれるんだけど、その時に「議員が差し入れに毒を盛った」て云うの。

　思いっきり嘘。
　そんで爺さんが死んじゃって孫と一緒に県会議員の事務所に乗り込むんで、「あんたの毒のせいでお爺ちゃんが死んだ」て孫が責めるんだけど、県会議員は何もやってないから「何の事ですか?」しか云えない。
　そらそうだ。

　「トラウマになった事故の真相」も明かされるんだけど、事故の目撃者曰く「奴は笑ってた」との事。
　刺しちゃっておかしくなったのか、それとも「狙った」のかどっちでしょ?

　県会議員の事務所で暴れたわけだから、警察沙汰になったら「正当防衛です」とか云い出すし。
　確かに議員はヤクザ使って嫌がらせしてたけど、毒は盛ってないぞ。

　爺さんが死んだので、ヤクザ共が孫の女子高生に無理やり土地売買の判子押させようとして、色々あって主人公が撃たれるんだけど、手裏剣で助かるってあり?
　確かに日光江戸村のアトラクションで手裏剣やってたけど、今時やる、こんな手?

　ネタバレしちゃうけど最後は血飛沫全開のアクションになるんだけど、女子高生も流れ弾で死ぬし、主人公も多勢に無勢でヤクザのボスとの一騎打ちで死ぬ（多分）。
　爺さんはとっくに死んじゃうし、県会議員も死ぬし、中国人とのパイプ役も死ぬし、出てくる奴皆死ぬ。

　「バイオレンス映画なんだから細かいこと気にするな」と二人から云われたけれど、話が破綻してる。
　バイオレンス映画ってそう云うものなの?

　主人公はハーフらしく、英語の台詞が出てくるし、タイトルの「ピュアジャパニーズ」で「日本人度を測る」とかやってるし、テレビのコメンテーターが「そもそも日本人とは分類的に存在しない。日本語を話す人だ。日本語民だ」て的外れな事云ってるし、何かしら意味がある筈なのに、話が破綻しているせいか全く伝わらない。

　なので、パンフレットを買おうとしたら売ってませんでした…
　
　舞台は日光ですが、映画自体は「日光の手前」でした。　


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