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2022年01月10日13:25

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人気か、質の高さか

 ところで、石ノ森章太郎”マンガ家入門”(文庫版)に、”マンガ家きのう・きょう・あす”という文章があり、そこで二人のまんが家が紹介されているのですが、この二人は価値観が正反対。派手で器用な人と、地味で不器用な人。
 簡単に内容の要点を纏めると……。


 派手な人が考えるまんがの価値観は、金と人気。ヒット作を多く生み出し、大金持ちになり、将来に備えてビルや喫茶店などを建て、アシスタントを十人近く雇い、流れ作業でまんがを生産していき、かれがまんが直接関わることは、殆どなくなっていった。かれにとってまんがは、金儲けの手段だったが、かれは満足だった。
 やがて人気が落ち目になるが、一財産築いているので、もう生活には困らない。

 地味な人が考えるまんがの価値観は、質が高い作品を描くこと。活躍の場は少なかったが、地味ながらこつこつと、質の高いまんがを描き続け、批評家に作品が認められ、まんが賞を受賞した。ある意味でかれも、一流のまんが家である。
 時が経っても人気や流行とは無縁だが、まんがを描き続けている。恐らくまんがを描けなくなるまで。まんがを描くだろう。


 この文章は、まんが家にとって大事なのは何か? 金儲けのために、まんが家になるのか、たとえ売れなくても、作品の質の高さを重要視するか。というのを問いかけているのではないかと思うのです。
 これは、どちらが正しいか間違いかではなく、それぞれの価値観の違いであり、どちらも正しいといえます。
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