投稿日:2007年 9月11日(火)20時48分38秒
第十一話「岡山の夜(その四)」
承前
既に結構飲んでるような気もするのですが、二人とも「酒」の方は、まだ余裕があります。
結局、ここでも座った直後に「とりあえず中生一丁!」と頼んでしまう二人だったのでした。
この店は「遊食」と謳うだけあって、一風変わった料理が「売り」のようなのですが、残念なことに我が方の腹には、然程余裕がありません。
よく覚えていませんが「鳥の軟骨の揚げ物甘酢かけ」とか、あまり腹に溜まりそうにない品を幾つか注文したように思います。
酔っ払って来ると店員さんへの気遣いも如何でもよくなるのは必然の成り行きで、ビール後に冷酒を注文した以外は、追加注文もせずに二人だけの世界へ没頭するエヌとモグラだったのでした。
と言っても、この時点では碌な話はしていない筈です。
と言うか、そろそろ愚痴とか悪口とかの歯止めが利かなくなる時間帯です(笑)。
別の言い方をすれば、己れに正直になって来る頃合いなのですが、当然中身は過激になります。
普段思ってても誰にも言えないような愚痴は、こういう時に発散するのです。
どうせ、どちらも何も覚えていませんから、後には「スッキリ感」だけが残るという理想的な展開(爆)。
5年間も付き合い続けているような仲間は、お互い、そういう関係にあるのだと思います。
店の名誉に為に一言書いておきますが、料理は中々独創的で好感が持てた、という記憶が残っています。
何食べたかの記憶がないのは残念ですが。
次の機会があれば、ここを「一次会」の場にしても良いかも、と思いました。
さて、酔っ払い二人の「愚痴合戦」が佳境に達する頃、ふと気付いたどちらかが「ラーメン屋、もういいかな?」と言いました。
はっきり言って、状況は「空腹」には程遠いのですが、こうなったら「〆る」までは付き合うしかありません。
遊食「しんしん」の支払いはモグラが済ませ(幾らだか覚えていない)、二人は「ラーメン屋」目指して通りを逆走したのでした。
いや、走っては居ませんが、ホテルとは逆方向だったのです。
続く
ログインしてコメントを確認・投稿する