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2021年11月22日00:13

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山上ヶ岳 / 無理ゲー!鐘掛岩!!

去年の5月に登った稲村ヶ岳から山上ヶ岳を眺めて、いつか登ってみたいなとは思っていた。
山上ヶ岳は今なお女人禁制を守る修験道の聖地である。オレは山に登る時はたいてい妻と一緒であり、時々義妹やその友人が同行するが要するにいつも女連れなのである。山上ヶ岳に行く機会は当分ないものだと思っていた。
先月に伯母子岳に行って以来夫婦で休みの合う日がなく、今シーズンはこれで山終いかと思っていたところ、特に予定のない日曜日に天川村は晴れの予報、今日を逃せば来週以降はぐっと冷え込むらしい。これはおづぬんのお導きかも知れない。山上ヶ岳単独行いっとくか!

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8時に大橋茶屋の駐車場に到着。支払いはどうするのだろうと思っていたら、封筒に車のナンバーを書いて千円を入れ料金箱にインするシステムらしい。

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8:15清浄大橋を出発。まあまあ寒いが登ってるうちに身体も温まってくるだろう。女人結界門をくぐって聖域へと入っていく。

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登っていくと途中に祠がある。しかし2つある祠の片方が空っぽ。どうやら祀ってあった役行者像が盗難に遭って行方不明なのだそうな。なんて罰当たりな!
「仏像」「盗難」と聞くとある国のことを思い出す。いやまさかな・・・。
一本松茶屋を通過し、さらに登っていくと霊泉お助け水がある。ちょっと飲むには勇気がいるが。ここにも祠があるが、なんとここの行者像も盗まれて留守らしい。看板には「盗んだ仏像にご利益はありません」的なことを書いているが、ご利益を信じるような信心深いものがそんな罰当たりな窃盗などするものか。おおかた金に換わっていることだろう。

ところで、ジオグラフィカがいつの間にかバージョンアップされているようだ。これまでは時々現在時刻と標高を教えてくれていたが、いきなり山上ヶ岳までの直線距離や標高差、到着予想時刻なんかを喋りだしてビックリした。いやまあ便利っちゃ便利か。
しかしよく目的地が山上ヶ岳だとわかるな。どうやって行き先を割り出しているんだろうか。下山を始めたらどうなるんだろう。清浄大橋への予想時刻か、はたまた稲村なのか。
ところが下山時も相変わらず山上ヶ岳への案内を定期的にしてくれるもんだから参った。もういらんから、それ。どうやって止めるんだ、この機能?

出発から1時間半ほどで洞辻茶屋のある大峯奥駆道に合流する。さすがに稜線は風が冷たいな。せっかくなので脳内で「六根清浄、懴悔懴悔」と唱えながら進む。

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不動明王に見送られて山上ヶ岳に向かう。

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3つほど茶屋をすぎると行場コースと階段コースに道が分岐する。階段コースは看板によると「足にくる」らしいのでここは行場コースへ。

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おづぬん「こっちも階段ないとは言うてへんでー」

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登ってきた階段。木の板が濡れてツルツルで怖い。

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しばらく行くと油こぼしに到着。クサリのかかる岩場の登りだが難易度は低い。ちょっと拍子抜けする。

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さらに行くと鐘掛岩に着く。これも大したことはなかろうと岩の下まで行ってみて仰天、なんじゃこりゃ!?別物やんけ!!
高さは10mほどであろうか、しかしほぼ垂直の岩であり見上げた圧迫感がとんでもない。それでも見たところスタンスもホールドもまあまあありそうだ。意を決して岩登りに挑む。ところが。
2/3ほど登ったところで先へ進めなくなってしまった。どう登るのかわからない。上からクサリが垂れ下がっているのでそこがルートなのだろうが、どこに手をかけてどこに足を置いたらいいのか全くわからない。しかも岩の上部は微妙にオーバーハングしていて先がどうなっているのか見えない。6〜7mくらいある岩場の途中で困り果ててしまった。
どうしようもない。この岩はオレの実力では太刀打ちできない。何より今日は単独行だ。無理に登って周囲に誰も目撃者がいない状況で滑落したらシャレにならない。今から下へ戻るのもかなり難しそうだが、これを登るよりはマシだろう。めっさ怖かったが時間をかけて何とか岩の下のテラスへ下りる。

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敗北感に打ちのめされながら巻き道を通って裏側から岩の上に登る。上から見ると多少は登り方がわかるかと思ったが、高度感と絶景がとんでもないだけで何もわからなかった。
ここは修験者が先達に指示を受けながら修行として登る場所なのだろう。単独登山者が予備知識なく挑めるような場所ではなかった。剱岳のタテバイ・ヨコバイや戸隠の蟻の塔渡りなどよりもはるかに怖い思いをした。行場をなめてはいけない。

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気を取り直して山頂へ向かう。途中、山上ヶ岳の代名詞と言っても過言ではないであろう有名な行場、西の覗に立ち寄る。

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西の覗はとんでもない断崖絶壁の上にある。ここから命綱一本で逆さに半身を吊るされる荒行が西の覗の捨身行なのだそうな。正気の沙汰じゃないですね。
そこからは大峯山寺の建物がたくさんある間を進んでいく。トロッコのモノレールがあり、これで麓から荷物を運んでいるようだ。

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聖域へ。身口意三業とは行動、言葉、意思のことだそうな。

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11:00、山上ヶ岳(1,719m)登頂。
山頂周辺はだだっ広い笹原で、山頂の一角は聖域なのか入れないようになっている。
三脚を立てて写真を撮り、日本岩へ移動する。さすがに風が強くじっとしていると寒いので、岩陰で風をさけて昼メシにする。

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方位盤のある日本岩で休憩。遠く金剛・葛城も見える。

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去年に登った稲村ヶ岳。隣の大日山が特徴的なのでわかりやすい。

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昼メシを食い終わったらレンゲ辻へ向かい下山開始。標高差200mを一気に下る痩せ尾根の急坂。

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30分くらいで女人結界門のあるレンゲ辻に到着。
ここから先はまあまあ険しい点線ルート。最初は落ち葉の積もる滑りやすい急坂。15分ほど下ると足元も安定してくるが、やがて沢の右岸の高巻きになると今度は足元の崩れやすい高度感のある幅の狭い道。なかなか厳しいルートが続く。
1時間ちょいで林道に着く。途中、土砂崩れを復旧してる現場を通過したりしながら13:25に清浄大橋に戻ってくる。

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バイバイ山上ヶ岳。

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帰りしな、先週に来たけど臨時休業で閉まっていた川魚センターに立ち寄り鱒の麹漬けを購入する。これでしばらくは酒のアテに困らんな。
んで天の川温泉で汗を流して帰る。鐘掛岩にはコテンパンにやられたが充実した山行となった。完全に自分のペースで行ける単独行まあまあええな。またどっか一人で行こうかな。
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