飛び石連休の始まり、土曜の三崎口行き京急快特は混んでいた。
くるりの赤い電車の発車メロディーを聞くためだけにわざわざ始発の品川から乗車する。
終点、三崎口の一つ手前、三浦海岸から剱崎行きのバスを乗り継ぎ、これを小浜で降りる。
電車に同じく、やはり混んでいたバスも小浜で降りたのはぼく一人だった。
小浜バス停から海岸まで、すぐには出られない。
215号線の坂道を少し歩く。
左手にキャベツや大根の畑が見えたらそこを左へ曲がる。
畑道をひたすら歩く。
前方にトンネルの遺構のような、あるいは洞穴のようなものが見えたらその手前を右へ進む。
道なりにいくらか下れば草むらの先に海が覗く。
雨崎だ。
雨崎の海はただぼく一人だけで、強く吹く風と、荒く打ち寄せる波の音だけが響く。
岩場へ上がりその先端に腰掛ける。
雨崎の青い海に臨み、遥か房総半島を望む。
夕方までたっぷりと潮風を吸い込む。
空と海の青さをこころに写しとる。
一等素敵な気持ちが込み上げる。
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