ダミアンワールドふたたび

ダミアン浜田陛下率いるD.H.C.の第III聖典「魔界美術館」早速取り寄せてみた。
炸裂するダミアン節にコッテコテの魔界ファンタジー。どう聴いても一般ウケしなさそうなヘヴィメタサウンド、クッソ長いイントロ・間奏・アウトロ、これでもかと入る変拍子の嵐。素晴らしい。
セルフカバーが中心なので過去作との対比も興味深い。特に「失楽園はふたたび」は照魔鏡でのデーモン閣下と今作のシエル嬢との聴き比べがとても楽しい。
CDの売れないこの時代にこんなゴリゴリのプログレメタルなアルバムをリリースしてくれたソニーさんの英断には頭が下がる。

発売から少し時間が経っているが、陛下と閣下の対談録である「真・聖魔伝」も一緒に取り寄せてみた。これがすこぶる面白い。
早稲田大学の音楽サークルで先輩後輩であった陛下と閣下による、最初期の聖飢魔IIのコアもコアな裏話に始まり、創設者であり初期の主要曲の作詞作曲者でありながらも外部から聖飢魔IIを見守ってきた陛下のオンリーワンな立場からの感想など非常に読みごたえがある。
それでいて、教育の世界と芸能の世界で35年生きてきたお二方の言葉には重みがあり、「うーん」と感嘆させられることもあった。
デビュー当初はイロモノ・キワモノ扱いだった聖IIがラウドネスと共演し、因縁のBURRN!誌から取材を受けることでヘヴィメタ・ジャパメタとのケジメをつけ、さらに閣下の音楽的原点であるアリスから楽曲を提供されることで「ついにアリスから認められた」と閣下が語る下りは思わず胸が熱くならずにいられない。
コアな聖II信者なら楽しめること請け合いの一冊。よい買い物をした。