mixiユーザー(id:5956264)

Javascript の設定が無効になっているため、一部の機能を利用できません。

詳細はヘルプをご覧ください。

2021年11月14日11:19

502 view

山登りはじめました＃276「丹沢表尾根に行ってきた3rd」

■山行概要

◆【丹沢】
　二ノ塔(1144m)⇒三ノ塔(1205m)⇒烏尾山(1136m)⇒行者ヶ岳(1181m)⇒
　政次郎ノ頭(1209m)⇒新大日(1341m)⇒木ノ又大日(1396m)⇒塔ノ岳(1491m)

◆2021/11/6(土)、晴れのち曇り、ほぼ無風、湿度は高め、全備重量11.5kg

◆所要時間9:25(コースタイム6:50)、累積標高差1208m、歩行距離約14.1km

◆8:05/ヤビツ峠バス停(標高761m)着⇒8:25/出発、国道70号へ⇒8:45/富士見
　山荘跡地⇒9:00/丹沢表尾根登山口⇒9:50/二ノ塔(標高1144m)登頂⇒10:10/
　三ノ塔(標高1205m)登頂(ここで10:40まで中休憩)⇒11:15/烏尾山(標高1136m)
　登頂(ここで11:20まで小休止)⇒11:40/行者ヶ岳(標高1181m)登頂(ここで11:50
　まで小休止)⇒鎖場の通過渋滞で停滞約10分⇒12:15/政次郎ノ頭(標高1209m)⇒
　12:25/書策小屋跡(ここで12:40まで小休止)⇒12:55/新大日(標高1341m)登頂
　(ここで13:05まで小休止)⇒13:20/木ノ又小屋を通過&木ノ又大日(標高1396m)
　登頂⇒13:50/塔ノ岳(標高1491m)登頂(ここで14:00まで小休止)⇒14:10/金冷シ
　(標高1368m)⇒14:30/花立(標高1370m/花立山荘前で15:20までお昼休憩)⇒
　15:55/堀山の家(ここで16:00まで小休止)⇒16:20/駒止茶屋⇒16:35/一本松⇒
　16:55/見晴茶屋(ここで17:05まで小休止、ヘッドランプを出す)⇒17:10/雑事場
　の平⇒17:25/観音茶屋⇒17:45/ロッジ峠⇒17:50/大倉バス停(標高290m)へ下山

◆写真はYAMAPへ↓
　丹沢表尾根縦走
　https://yamap.com/activities/14147668

4年間放置していた宿題を片付けに、丹沢表尾根縦走に行ってきました。まずはいつも通り無駄に長い前説から。

【前説】

4年間。そう、2017年の11月～なので、ちょうど4年間ですね。丹沢の表尾根は過去に2回、それも2017年の4月と11月で同じ年に2回行ってるのですが、2回とも途中撤退で踏破していなかったんですよ。

★2017年4月
この時は元々、家庭の事情で15時半までに下山する必要があり、最初から踏破する予定は無かったんですよね。ヤビツ峠をスタート、政次郎ノ頭から政次郎尾根に入り大倉に下山しました。

詳しくはコレ↓
★山登りはじめました＃166「丹沢表尾根に行ってきた」
　http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1960526975&owner_id=5956264

★2017年11月
で、4月は最初から時間が足りなかったので、今度は時間制限の無い中、ちゃんと塔ノ岳まで歩き切ろうと思って11月下旬にリトライ実施。

・快晴予報につき秦野駅からのヤビツ峠行きバスの乗車待ちが尋常じゃない状態(駅着いたら既に80人くらい並んでいた)。
・予定のバスに乗れず、2本見送って3本目にやっと乗れる。これでヤビツ峠をスタートする時間がかなり遅れる。
・にも関わらず、「せっかくなので」と色気を出して岳ノ台に寄り道して時間ロス。
・巻き返しを図ろうと、菩提峠からのショートカットを行こうとするも、ルートがわからず菩提峠に結局戻って時間ロス。
・あまりに天気が良いので、二ノ塔と三ノ塔で休憩時間を長く取ってしまう。

まあね、この三ノ塔に登頂した時点で既に正午を回っていたので、この時間から塔ノ岳に向かったら日帰りは無理、ってのが明白だったのですが、一応この時は「まあ下山が日没後でも大丈夫だろ」と、行く気満々だったのです。が、山頂でウンコしたくなってしまい・・・。2017年当時、三ノ塔の山頂にはまだトイレが無かったんですよ。そしてここからは便意との闘いに。ウンコしたいのをひたすら我慢しながら、何とか三ノ塔尾根を下って大倉に下山したのでした。。

詳しくはコレ↓
★山登りはじめました＃181「丹沢表尾根に行ってきた2nd」
　https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1964017840&owner_id=5956264

なーんて、ことがありましてね。実は表尾根、政次郎ノ頭～塔ノ岳までの区間が未踏で残ってしまったのです。新大日と木ノ又大日のピークを踏まなくては！丹沢は鍋割山をはじめバカ尾根からの塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳。西側は檜洞丸・畦ヶ丸、南側は大野山、シダンゴ山、北側は菰釣山・鳥ノ胸山、ヤビツの後ろは大山、その下の弘法山まで、メジャーなピークは一通り踏んでいるので、この空白地帯は非常に目立つ(自分の中での話です)。まるでパズルのピースがど真ん中で一つだけ欠けているような状態じゃないですか。

何か気持ち悪いので早く穴埋めをしたかったんですよ。でも、台風で行者ヶ岳の先が崩落して通行止めになったりとか、コロナ禍とか色々ありましてね。中々行く機会を得られないまま4年も過ぎてしまったというわけですわ。

で、今回。9月の穂高岳縦走は7年越しの宿題だったなあ、そうだ！宿題と言えば表尾根！11月だし、天気も晴天予報出てるし、元々今回の日程は先月のフィールドアーチェリーの予備日で週末は土日とも両方、空けてあったんだ！と、ピピピっと、色々なことが頭の中を巡りましてね。行くことにしたんですね。

【本編】

さて、本編です。表尾根は過去2回、ソロで行きました。今回もソロです。理由は色々あるのですが、自分のペースでじっくりと歩きたかった、ってのが一番かなあ。それにグループだと下山したら絶対飲みに行ってしまうし。前の週の日曜日もソロで弘法山に行きましたが、寄り道せず下山したら真っ直ぐ帰宅したので、今回も健康のためにそうしよう、と心に決めていたのです。

そして装備。最近のデブ化に伴い今回も軽量装備で行くことに。記録を見ると前回は17kg背負ってたんですよ。まあ、丹沢は色々怖いので、メジャーなルートでも毎回重装備で行くのですが、やはり軽さは正義ですよ。このルート、スタート時間がどうしても遅くなるので、日没までに下山するにはやはりスピードがとても重要になってくる。時間短縮のために凝った山飯はやらず、火器はジェットボイルをチョイス。食事はお湯だけ沸かせばよい簡単なものとする。重量の源であるクライミング装備とかは、絶対に使わないんだから一切持って行かない。

ただ季節柄、防寒装備とルートのキツさ的に行動食と水だけは多めに持って行く。ザックはいつも丹沢に行く時の40リッターではなく、28リッターの小さい方で十分！あとは休憩時間を極力減らせば大丈夫だろう、きっと。

で、当日朝。4時に起床してしっかり朝ご飯を食べたら自宅を出発、地元駅の始発に乗り横浜へ。相鉄線に乗り換え海老名へ。小田急線に乗り換えて秦野へ。まさかの二週連続秦野ですよ。秦野駅に着くと急いでバス乗り場に直行する。ヤビツ行きのバス停前には既に20人ほど登山客が並んでいるので、急いで並ぶ。バスの始発まではまだ40分もあるが、晴天予報の時は前回も前々回もバス待ちの列が尋常じゃなかったのでね、早目に到着して大正解です。

そうこうしているうちに、あれよあれよとバス待ちの列はロータリー内に収まらずロータリーの外まで長蛇となってしまった。前回人数を数えたんですが、視界の範囲、つまりロータリー内だけだと約80人ですの。バス3台分です。なので増便がどの位の本数、出るかわかりませんが、始バスの時刻10分前到着とかだと3本くらい後のバスでないと乗れないんですわ。流石に今回は始バスに乗れるだろう、この位置ならね。

ちなみにバスの時刻表は少し変更されていて、2017年の時は始バスは7:35だったんですが、7:20と少し早くなっていました。で、当然のことながら臨時便が出ます。予定より5分ほど早くバスが到着。乗り込むも何と！自分の前の人が最後の座れる人でした。すぐ後ろに臨時便が来ているので見送ればよかったですが、ICカードをピッとやってしまった後だったのだ。ぐわー、これ、終点のヤビツ峠まで約50分、ずっと立ちっぱなしかよ！

当然のことながら秦野から乗り込むのは登山客オンリー。途中下車は誰もいないのです。終点まで立ちっぱなし確定！バス待ちで40分立ったあと、更にバスで1時間近く立つのってかなり無駄な体力消費じゃね？座れれば睡眠時間に充てることもできたのに、これはスタートから大きな誤算でござるよ。

ヤビツ峠にはピッタリ50分後、8:05に到着。せっかく無駄な体力を消費して得られたタイムアドバンテージを無駄にしてはならない。下車したら急いで支度して出発しなくては！と思いきや、ヤビツ峠はすでに凄い人だかり。こいつらどうやってここまで来たのよ？駐車場は既に満車なので、マイカーでのアクセスか？それとタクシーもかなりの台数来てるなあ。身支度したいんだがベンチは全部埋まってる。仕方ないので先にトイレを済ますか。

登山ポストに登山届を入れて8:25、ヤビツ峠を出発。なおこの時刻、前回と全く同じでした。クソー！でもまあ、最短時刻で行動してもはやりこれか。早朝スタートが難しいのは最初からわかっていたのでまあ、仕方ないね。とにかく歩くスピードを可能な限り上げる。一度行ったことのある政次郎ノの頭までの区間は無駄な休憩はしない。この二点にフォーカスして行動するしかあるまいて。

岳ノ台に向かう登山道には入らず、前々回と同様に車道をひたすら下って行く。陽光の差し込まない谷合の道なのでかなり寒い。でも動いていれば大丈夫！旧富士見小屋跡地(今は公衆トイレだけが残っている)を左に入り、登山口を目指して歩いて行く。後ろも前も登山客が鈴なりである。晴天予報だし、登山雑誌によればこの表尾根ルートは丹沢で一番人気のコースで、最も歩く人が多いんだとか。

10分程で林道に出た。林道を渡って二ノ塔へ向かう登山口に入る。前も後ろも人だらけ！ナニコレ、ここは高尾山か？登山道全てが人で埋め尽くされベルトコンベヤーの様に一列縦隊で進行していく、昨年の唐松岳を思い出してしまった。しばらくは土の道だったが、樹林帯が切れるかどうか、という辺りからキレイな木道と木の階段が現れた。どうも最近整備がされたようで、メッチャ新しい。後ろを振り返ると今登ってきたヤビツ峠を挟んで大山が見える。後ろには市街地が、そしてその向こうには相模湾！

でも、ここでノンビリ眺望を楽しむと時間ロスになってしまうので、写真だけ撮ったらすぐに歩き出す。前後に人が詰まっているので、ここでの写真撮影も一苦労ですよ。立ち止まると狭い登山道で流れを止めてしまうからね。なお、後ろから自分を追い越していったBBAコンビの片方が「天空の城ラピュタ」に出てくるドーラおばさんみたいな感じ(以降、ドーラBBAと呼称)で、大声でずっと話をして(会話ではなく、相方に一方的に話かけている感じ)いて五月蠅くてかなわない。とにかく耳障りな声なのだよ。

ほどなくして最初のピーク、二ノ塔に登頂。山頂は人でビッシリだ。三ノ塔も眺望は素晴らしいが、二ノ塔からの眺望もこれまた素晴らしい。特に大山、三ノ塔山頂からだと上の部分しか見えないんですが二ノ塔からだと下の方まで良く見えるんですよ。ヤビツ峠から直で尾根がせり上がっていて、その上にある山ですからね。過去2回の山行ではここ、二ノ塔の山頂ではザックを下ろして結構長めの休憩を取りました。だって景色が良いんだもの。でも今回の目的は塔ノ岳までの未踏区間を潰すこと。幸い混雑していて休憩場所も無いので、今回はスルーして一気に三ノ塔まで進むことした。

再びキレイに整備された木の階段を降り、木道を歩く。最低コルから三ノ塔への登り返しに入ると、背後からドーラBBAが追い付いてきた。相変わらずガラガラ声の大声で相方に何かをしゃべりまくっている。スカイラインが見えてくると、新設されたトイレが目に入ったので、写真を撮りに登山道を左に逸れる。ドーラBBAが自分を追い越して行った。このトイレ、前回2017年の11月に来た時、正に設置工事をしている最中だったのですよ。あの時このトイレがあればウンコ撤退せずに済んだかも知れないのになあ。

なお、このトイレは花立山荘や見晴茶屋の外に設置してあるのと全く同じ、個室二連のバイオトイレです。勿論チップトイレなので利用には100JPYが必要です。そして休憩小屋！これも新しく建て直されている。ここは避難小屋では無いので宿泊は不可ですが、三ノ塔は「風の通り道」で有名でね、山頂は強風に晒されることもしばしばなのだとか。なので風除けとしてのこういった休憩所はとてもありがたいですよね。ただ、今日みたいにほぼ無風なら、外で休憩した方が開放的で景色も拝めるし、良いですよね。

さ、トイレと休憩小屋の視察もしたし、まずは登頂してしまおうか。山頂の証に移動すると、写真撮影待ちが何人もいる。そして今、正に写真撮っているのはドーラBBAじゃねえか。その後ろ、かなり年配の女性がドーラBBAに

「すみません、写真を撮っていただけますか？」

と話かけると、何と！ドーラBBA、

「私、写真撮影係じゃないんで、お断りします！」

とまさかのリアクション！すかさず相方が、私が撮りますよ、と割って入って記念撮影をしてあげたのですが、イヤー、何これ。ラピュタのドーラおばさんは何だかかんだでシータとパズーを助けて優しい人だったじゃないですか。これはアカン、ただのゲスBBAだよ。ドーラBBA改めて呼称はゲスBBAに変更です(とは言え、このゲスBBAとは三ノ塔から先は遭遇しませんでしたがね)！

そんなこんながありまして、やっとこさで休憩に入る。何気に秦野駅を降りてからバス待ち、バス乗車と、ずっと立ちっぱなしのまま歩き始めて二ノ塔でも休憩しなかったので、結構疲れたなりよ。標高を一気に上げるのはここ、三ノ塔までで、ここからが所謂「表尾根」の尾根縦走となる。エネルギー補給と水分補給をして、ちゃんと休憩を取っておこう。テーブルもベンチもどこも空いておらず、相席上等でザックを下ろし、休憩に入る。コンビニの総菜パンをモグモグして、スポドリのパウチをチューチュー啜りますよ！

ちなみに眺望は・・・。正直あまり良くないですね。確かに「晴れ」ではあるんだけど、雲がかなり低いのです。目線の直ぐ上に雲がある感じ。海側は勿論、江ノ島辺りまで遠望できますよ？でも前回の時みたいに空が晴れ渡っていて、房総半島や真鶴方面までくっきり見えるわけではない(と言うか、見えない)。そして前回は見えた富士山も今回は雲の中。やはり丹沢で眺望を楽しむには空気が乾燥したもっと寒い時期が良いみたいですね。紅葉目当てなら晩秋の今頃だけど、景色目当てなら初冬がオススメ！

さて、中休憩を切り上げて烏尾山へ向かいますYO！稜線の彼方、塔ノ岳山頂には尊仏山荘の黒いシルエットが見える。ウーン、やっぱりかなり距離あるねえ。三ノ塔は台地地形で山頂はかなり広い。烏尾山へと繋がる稜線は台地の端にあるので、しばらくは平坦な山腹斜面のトラバース。だんだん岩でガレてくると、最低コルへの下降が始まる。かなりの距離、標高を下げるが烏尾山は三ノ塔から見下ろす位置にあるので、最低コルからの登り返しはさほどでもない。

青い三角屋根の烏尾山荘が見えてきた。ここ、前回も営業して無かったけど、今回も営業していないっぽい。そもそもここ、ホントに営業してるんかいな？本日3つ目のピーク、烏尾山山頂も登山客でごった返しており、テーブルもベンチも全て満席状態。眺望の良い尾根の縁にも座っている登山客が沢山いる。おそらくは時刻の問題だけど、このお昼前位の時間帯は眼下、平塚や小田原の市街地と相模湾がスパンコールをぶちまけた様に、陽光にキラキラと煌めいて、とてもキレイです。

写真撮影を兼ね、10分程一服の立ち休憩を入れたら移動開始。途中、ちょっとした鎖場があるが、特に気にする点もなく本日4つ目のピーク、行者ヶ岳に登頂。ここでも少しだけ立ち休憩。その間にも続々と人が上がってくるので嫌な予感がしたが、的中した。

行者ヶ岳の先には2ヶ所、鎖場があって、2つ目の鎖場はおそらく表尾根ルートの核心部分。案の定、渋滞が発生している。1つ目の鎖場まで10人以上が並んでいて、全然動く気配が無い。鎖場自体は別に鎖なんか無くてもOKなちょっとした岩場なのですが、取り付き部分が両側が切れ落ちた狭い尾根なのですれ違い渋滞が発生しているのだ。これ、下から登って来る人が途切れるのを先頭の人が待っているみたいなのだが、前々人が途切れない。どこかで交代しないと、こちら側の渋滞も更に伸びて、どこかでデッドロックが発生してしまうゾ！

などと、動かない人の列にイライラを募らせながら時計とにらめっこ。結局１つ目の鎖場を降りた場所で10分も待たされたYO！やっと先頭が動き始めたので、サクッと鎖場を下降する。これさあ、鎖左右で二本あるんだし、交互通行じゃなくてうまくやれば相互通行に出来るんじゃねえの？

鎖場を通過すると、以前崩落で通行止めになっていた場所に出た。鉄パイプと踏板で斜面にルートが作り直されているが、見た感じ結構崩れたっぽいねえ。一登りすると正次郎ノ頭に到着、ここから先は未踏のエリアですよ。時刻は前々回、正次郎ノ頭を通過した時よりも45分早い。一応、時間は巻けているってことか。

大して動いてないけど、何か腹減ってきたぞ。正次郎ノ頭から急登を一登りすると開けた場所に出た。書策小屋の跡地である。書策は「かいさく」と読む。渋谷書策さんと言う方が建てた「書策小屋」がかつてあったが、2009年に渋谷書策さんが亡くなり、ある時までは廃屋として小屋が残っていたが、完全に撤去されて、今は土台の部分だけが残っているようだ。書策小屋と渋谷書策さんは日本最高齢の山小屋とその小屋番として知られ、93歳で大往生する直前の88歳まで小屋を守っていたそうで、丹沢界隈の山屋の間ではリビングレジェンドだった人なのである。なお渋谷書策さんが開拓した「書策新道」という戸沢に降りるルートもあったが、現在は廃道になっている。んだけど、ここ、途中に「大日鉱山」っていうマンガン鉱山の跡地があって、行ってみたいんだよねえ。

閑話休題。書策小屋跡地でザックを下ろして中休憩に入る。腹が減ったのでコンビニのおにぎりをモグモグ。午後になって丹沢ではお約束のガスが出てきた。上を見上げると尊仏山荘のシルエットもだいぶ距離が近くなってきた。でも尾根上にはまだピークが2つ見える。「新大日」と「木ノ又大日」である。

休憩を切り上げて歩き出す。スタートはまた、キレイに整備された木道である。15分ほど登って行くと新大日に登頂！宿題の未踏のピークをまずは1つ、片づけたゾ！ちなみに名前の由来ですが、木ノ又大日に祀ってあった大日如来を移転した場所なので、「新」大日、なのだとか。

山頂には潰れかけた廃屋があるのだが、これは大日茶屋。登山地図では「休業」となっているが、実際は経営者の健康上の理由でとっくに廃業になっているみたい。きっともうしばらくは放置されて、書策小屋みたいにいつかは撤去されるんだろうねえ。ここで10分程小休止。休憩を極力減らすはずだったが、何だかんだで結構休んでるなあ。時刻は13時を回った。新大日を歩き出す。

15分ほど進むと一見、戸建住宅のような山小屋が出現。木ノ又小屋である。ここも最初は渋谷書策さんが建築したそうだが、早い段階で経営を他の人に譲りごく最近、建て直して今に至る模様。宿泊は素泊まりのみ、トイレは現在庭(？)に新設工事中の様子。木ノ又小屋から歩くこと数分、未踏のピークの2つ目、木ノ又大日に到着！ふう、これで宿題クリア、あとは塔ノ岳に登頂するだけだ。

良く整備された木道の尾根道を歩き、ガレ場を一登りして14時少し前、塔ノ岳に登頂！ふぃ～、やっと着いたじぇ！山頂はまだかなりの人が居るが、登山客の会話を聞くにお昼時(12時～13時)はもう、大変な数の人で山頂はごった返していた模様。一気に人が減ったって言ってるが、それでこの状況かあ。空はすっかり雲でドンヨリだし、もう少し進んでいつも通り、昼食は花立山荘前で取ることにするか。

14時半、花立山荘に到着。あと2時間ちょっとで日没となるが、こんな時間なのに山頂からは続々と人が降りてくる。日没前の下山はもうとっくに諦めたので、ここでゆっくりお昼休憩を取ることにする。というのも、金冷シを通過した辺りから例の左足首の変形性関節症がよろしくなくて、一言で言うと「左足首が痛くてスピードが出せない」のですわ。それもあって少しゆっくり休みたいな、と。ジェットボイルでお湯を沸かしてカップラーメンを食べる。そしてコーヒータイム。行動食の余りもここいらで一気に消費しておくか。

15時半前、トイレを済まして花立山荘前を出発。ここから堀山の家までは有名な地獄階段だが、左足首が痛くてホントにスピードが出ない。前向きで歩くのが辛くて、横を向いてカニ歩きで階段を下って行く。16時、堀山の家に到着。5分ほど座って小休止、うーん、やっぱり足が痛いなりよ。

駒止茶屋、一本松を通過して17時前、見晴茶屋に到着。ここで日没を迎え、外のベンチで小休止がてらヘッドランプを取り出す。下山する登山客はまだまだ沢山おり、寂しい感じは皆無だ。そしてこの時間から登ってくる一団とすれ違った。どうも高校の登山部のようだ。

久々のナイトハイクを経て18時少し前に無事、大倉バス停に下山した。真夏ならまだ日照のある時間帯だが、流石に11月ではこんなものか。いつもならここで靴とポールを洗うのだが、今回はその必要は全く無し。なぜなら異様なまでの整備により、土の部分はほぼ全て、木道か木の階段となっており、土を踏む機会がほとんど無かったのですわ。それはまあ、悪いことではないんですが、階段はとにかく歩幅を強制されるじゃないですか。辛いんだよねえ、それって。

大倉からはどこにも寄り道せず真っすぐに帰宅。そして「おつかれ山ビール」を飲む！ONZKさんからの頂き物ですが、ここぞ、と言う時のために飲まずに取っておいたのです！今がその時！だって今日一日、良く頑張ったもの。宿題終わらせたもの！ほへぇ、お疲れ山～！

■写真解説

①ヤビツ峠のバス停から歩き出します。紅葉がいい感じです！

②今回の宿題、未踏のピークで残っていた2つの内の一つ、「新大日」に登頂！かつては木ノ又大日に祀ってあった大日如来を移転させた場所なので、「新」大日なんだって！

③YAMAPのコラボ商品、限定販売の「おつかれ山ビール」を飲むYO！下山後専用ビールと謳っただけあり、疲れた身体にスポーツドリンクの様に染み渡る！仄かな柑橘の香りはカボスだって。あと塩とかコリアンダーシードとかも入っていて、疲労した身体にピッタリのビールだと思います。山小屋限定とかでも構わないので、再販しないかなあ？

2 0