第二十一話「横須賀の最後の夜(その1)」
前回“大嘘”を一つ書いています。
かずやん・北野コンビと別れたのは18時前どころではなく16:30過ぎなのでした。
今、読み返してみて気付いたのですが、もう一日経っちゃったから更正はパスね(笑)。
という訳で時計の針を1時間30分程戻して下さい。
「Tシャツネタ」の角のお店をやり過ごし、何となく歩いている三人です。目的地は定かではありません。
何しろ飲み始めるには陽はまだ高いし、何よりお腹がまだ減っていません。
にも係わらずmumuさんが途中で見つけた「ケーキが食べられる店」に入りたそうだったのは流石です。
モグラも甘い物は好きなので付いて入ろうとしたのですが、そこで提督から“待った”が掛かりました。
防人提督:「ゴメン、勘弁して。」
“弱点”発見の瞬間です。
mumuさんとモグラが内心「にやり。」としたのを提督は気付いたでしょうか。
仕方がないので次の店を探して歩き続けます。
とはいえ、命題が“飲むまでの時間潰し”なのですから「店」がそう簡単に決まる筈もないのです。
ないのですが、話をしながら歩くのが別段“苦痛”という訳でもなく、目標不在のまま迷走する「ホーミング魚雷」よりは若干幸せな状況で歩いていた三人なのでした。
防人提督:「じゃ、ここでちょっと休憩しましょうか。」
入ったのは、アーケード商店街の半ばにある喫茶店でした。
カウンター席に、mumuさんを真ん中にして座ります。
たぶん全員が冷たい物を頼んだと思いますが、他人の注文までは覚えていません。モグラは確か「アイスウィンナ」でした。
漸く落ち着いて話が出来ます。気兼ねもありません。
恐らく三人共に“本日の感想”なり“近日の所感”なりを開陳したのでしょうが、幸いにも全く覚えていません。
でも、結構mumuさんも笑っていたような気がするので、きっと楽しい話だったのでしょう。
どのくらいその店に居たんでしょうか。
汗も引き、当座の乾きも癒せたことですし、“そろそろ一杯”の雰囲気になってきました。
いよいよ次が“最後の店”になります。
続く
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