『好きな言葉は?』と聞かれて、
間髪入れずに『お金!』と答える方がいらっしゃいますが、
そういう方というのは、世の中の大抵の事はお金で解決すると思ってるかもしれませんね。
人が仕事をする場合、
その仕事を選ぶ最も大きな理由のひとつに【高収入】というのがあります。
ただ収入がいいというのは理由があるわけでして、
ハイリスク・ハイリターンみたいなところはありますよね。
そんな『稼げるけれども危険な仕事』のひとつに【特殊清掃】というのがあります。
特殊清掃とは、人が亡くなった後の部屋を専門的に整理する仕事で、
強靭な体力と精神力を必要とするんですね。
というのも、臭いが近隣へ拡散するのを防ぐため、夏場でも窓を閉め切り、
エアコンも使用できず、熱い室内で防護服を着て長時間に及ぶ作業を行わなければならず、
それだけでも体力が必要なのは判りますよね。
また、人が亡くなった現場の悲惨さを目の当たりにするため、
メンタルの強さも要求されますね。
さらに故人が重篤な感染症を患っていた場合や、
部屋の汚れにより感染症にかかる危険もありますから、
仕事に【ホコリ】を持ってはいけないという事ですね。
それから、試験段階の薬を飲んで寝ているだけで、
一週間で十万円から三十万円も稼げるという【治験】という仕事もあります。
食事は三食しっかり出され、後は寝るなり遊ぶなり、
自由に過ごすだけというオイシイ仕事なんですね。
しかし副作用の危険は完全にゼロではありません。
副作用ともなれば自分で避けることはできず、気をつけようもありませんから、
リスクは決して低くはないですよね。
ちなみに出される食事は残してはいけないそうなんですが、
施設によっては、ご飯がマズイらしいので、実はこれが一番辛いのかも知れませんね。
「・・・君、食事は残さずに全部食べてください」
「あの・・・言いにくいんですけど、マズくて食べられないんですよ。
ここで行われてるのは、何の治験なんですか?」
「人はマズイご飯に何日耐えられるかの治験です」
よく闇金に借金をして返せなくなった人がマグロ漁船に乗せられるなんて話がありますが、
【ベーリング海のカニ漁】なんてのも高収入ですね。
冬のベーリング海というのは常に氷点下で、
吹き荒れる強風により体感温度は氷点下三十度になるそうですね。
さらに高波によって船が転覆したり、五百キログラムもあるカゴを引き上げる際に大怪我を負ったりと、
これ以上ない過酷な環境下で、常に危険がつきまとう仕事なんですね。
いつ命を落としても不思議はないという、まさに【船上】は【戦場】なんですね。
四十八時間ぶっ通しで働くこともあるという、
ブラック企業も裸足で逃げ出すというような労働環境です。
一説では、三分の一の船は漁に出たまま帰ってこないんだとか・・・カニを取りに行って、
自分がカニのエサになるのは嫌ですよね。
微笑亭さん太
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