河川水 自由律句 十月初旬〜中旬

十月

1060古本の重複買い三十冊越えて嗤う

1061だからゆうメールは嫌いなんだ夜更ける

1062十月の真夏日向日葵のまだ咲いており

1063煙草喫(や)らなかった亡父(ちち)のマッチ箱蒐集

1064煙草喫らなかった亡父の呼吸器不全

1065値上げしたって煙草やめないよ

─読書の秋･古本(三句)

1066誰だポケミスのビニールカバー剥がす奴

1067初版なのに帯が無い本

1068古本文庫の栞紐切るグラインダー

1069何処かで鯖焼く香り秋が来た

1070慌ててクリーニングする中古盤の音跳び

1071スイートスポット増える十月夏日のバナナ

1072半袖は今日まで明日は上着羽織る

1073宅配便待つ鳳仙花の種散る

1074秋寒く布団から出れず眠り猫

1075初冠雪急な冷え込みストーブ点けた

1076珈琲切らして牛乳で淹れよか濃い緑茶