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2021年09月29日09:12

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見て見ぬふり

中学生の時、理科の先生はノザワっていったかなあ、口は悪いけど、私は理科ができたので、先生のお気に入りでした。

その理科の授業で、ドキュメンタリーを蒲田でやるから(もちろんタダ)、行きたい人は見に行くようにっていう話が出た。
行かなくても別に関係ないけど、点数稼ぎで私は行ったんですね。父の系統は熊本だっていうのもあったかな。
それが、水俣の話でした。

まず一番最初に思ったのは、長い…。
普通の映画より長かった覚えがあって、1人で行ったんですけど、途中で遅くなるって家に電話した気がする。

内容は、これはまあ、ショックでした。
これが今の日本での話!?!?
もちろん今と違って、今だったら映せない内容もありました。
手や腕や脚がガックリ曲がって、背骨も曲がって、顔も曲がって…。

でも、一番衝撃だったのは、ネコでした。
クルクル回るネコ。
いや、"回る"じゃあない、そういう風にしか動けない。

意気消沈だったのが、もう完っっ全に萎えたのでした…。

「月ノ浦」という美しい名の所から発生し、村のネコは全滅、南不知火海の沿岸でもほとんどが死んだそうです。
もちろんネコだけじゃないですよ。カラスなんかの鳥も、イヌも、ブタも。

ネコもイヌも、何にもしてないのに!?
いや、ヒトだってそうですよね…。

チッソという会社が、流してはいけない水銀入りの水を流した。
簡単です。チッソを訴えればいい。

ところが、そうはいかなかった。
国と県もチッソの味方でした。
それに、大きな会社ですから、チッソで働く人も小さな街にはたくさんいる。
被害者は、泣く泣くほんの少しのお金で我慢したり、訴訟に加われない人もいたり…。

あまりの惨状に、私は水俣病というものをポイッと投げた。考えないようにした。
混乱から逃げた。

訴訟は、現在もまだ続いてます。

先週の土曜日から、ユージン・スミスという写真家、水俣のことを世界へ知らせた人の映画をやっています。
製作・主演はジョニー・デップ。自分でユージン・スミスを演じたいという事から、映画化が進んだそうです。

世界中の人に見てほしいという人がいる反面、そっとしておいてほしいという人もいる。
実際の人々にとっては、複雑。この映画の配給なんかも複雑。
世界的な俳優の作ったこの映画、これからどうなるでしょうか。
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