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2021年09月27日22:16

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ドゥーチュィムニー「沖縄全戦没者追悼式の平和宣言 知事は何を語ったのか」

 沖縄県の玉城デニー知事は23日、沖縄全戦没者追悼式の平和宣言で、名護市辺野古の新基地建設に関して日米両政府に対し「辺野古が唯一の解決策」という考え方にとらわれず計画を見直すよう求めた。一方、昨年同様に新基地建設の「断念」や、建設に反対する県民の民意には言及しなかった。

 知事は、来年に日本復帰50年の節目を迎えることに触れ、辺野古問題の解決に向け日米両政府に「県を含めた協議の場」を要望した。

 また、今なお県土に遺骨や不発弾が残されており「戦争の傷はいまだ癒えていない」と指摘。国の責任で一日も早く遺骨収集と不発弾処理を進めるよう求めた。

 悲惨な戦争を二度と繰り返さないため、戦争体験や教訓を次世代に伝えることは「私たちの使命だ」と述べ、不戦に向けた取り組みを継続する決意を示した。

 国際自然保護連合(IUCN)が本島北部や西表島などの世界自然遺産登録を勧告したことを踏まえ、沖縄の豊かな自然環境保護の必要性にも触れた。「平和で真に豊かな世界に誇れる沖縄を(子どもたちに)託すことが私たちの責務だ」と述べた。

 感染拡大が続く新型コロナウイルスの脅威には「命と生活を支えるため世界が協力していかなければならない」と訴えた。

 マザー・テレサの有名な言葉「愛の反対は憎しみではなく無関心」を引用し、多様性や価値観の違いを認め合い、対立と分断を乗り越える重要性も強調した。

 <知事の平和宣言>

 太平洋戦争最後の熾烈(しれつ)な地上戦が行われてから、76年目の6月23日を迎えました。

 荒れ狂う戦火は、20万人余りの尊い命を奪い去り、多くの人々を傷つけ、かけがえのない文化遺産や美しい自然を破壊しました。

 私たちは、想像を絶する悲惨な沖縄戦の記憶を風化させることなく、亡くなられた方々の悲しみや苦しみに思いを寄せ、無念の声を代弁する戦争体験者の証言を後世に語り継ぎ、平和がいかに尊いものかという人類普遍の教訓を胸に刻み、恒久平和の実現を強く求めながら、復興と発展の道を懸命に歩んでまいりました。

 しかしながら、今もなおここ摩文仁を始め県土の各地には、犠牲になられた方々の御遺骨や多くの不発弾が埋もれており、戦争の傷はいまだ癒えることがありません。

 県民の思いに寄り添い、国の責任において一日も早い御遺骨の収集、不発弾の処理を行っていただきたいと思います。

 また、国土面積の約0・6%の沖縄県に米軍専用施設面積の約70・3%が集中し続けていることにより、騒音、環境問題、米軍関係の事件・事故が後を絶たない状況にあります。

 SACO合意から25年が経過し、この間、アジア太平洋地域の安全保障環境が大きく変化し、米軍は部隊の分散化を進めていると承知しております。

 このような中、沖縄県が来年本土復帰50年という大きな節目を迎えるに当たり、日米両政府は、県を含めた積極的な協議の場を作っていただき、辺野古新基地建設が唯一の解決策という考えにとらわれることなく、「新たな在沖米軍の整理・縮小のためのロードマップ」の作成と、目に見える形で沖縄の過重な基地負担の解消を図っていただくことを要望します。

 ここ沖縄は、世界自然遺産登録に向けた取り組みを進める「奇跡の森やんばる」と呼ばれる希少な動植物が多く生息・生育する地域や、個性豊かな自然あふれる離島地域など、多様性に富む自然環境を有しています。

 未来を担う子どもたち、若者たちに、自然豊かな沖縄、独自の文化が息づく沖縄、平和で真に豊かな世界に誇れる沖縄を託すことが私たちの責務であります。

 一方、世界に目を向けると、依然として地域紛争は絶えることがなく、貧困、飢餓、差別、人権侵害などの多くの問題が存在しています。

 「愛の反対は憎しみではなく無関心です」という言葉があります。世界中の人々が連帯し、多様性や価値観の違いを認め合い、対立や分断ではなく、協力して共に歩み、乗り越えていくことが、今求められています。

 まさに現在、新型コロナウイルス感染症の脅威にさらされている中においては、人々の命と生活を支えるため世界が協力していかなければなりません。

 グローバル化した現代において、平和な社会を創造するためには、近隣諸国との相互理解が欠かせません。私たちは、時間や場所を越え平和への思い、安らかな暮らしへの思いを紡ぎ共に分かち合うことが可能です。困難な状況の今こそ英知を結集し、誰一人取り残すことのない社会の実現に向けて共に歩んでいくことが重要ではないでしょうか。

 かつて沖縄の人々は、長い歴史の中で、祖先への敬い、自然への畏敬の念、他者の痛みに寄り添うチムグクルを育むとともに、近隣諸国との交易を通じて友好関係を結び、独自の文化と平和な社会を築いてきました。

 私たちは、世界の国々をつなぐ架け橋として活躍した先人の「万国津梁」の精神を受け継ぎ、沖縄の歴史と風土の中で培われた平和を何よりも大切にする「沖縄のこころ・チムグクル」を世界に発信していかなければなりません。

 そして、戦争を体験した全ての方々の思いに応え、二度と悲劇を繰り返さないため、戦争体験や教訓を次の世代に正しく伝えていくことは、私たちの大切な使命です。

 県民の思いを込め世界の恒久平和の創造に貢献することを目指す沖縄平和賞、平和につながる身近な社会貢献活動に光を当てたちゅらうちなー草の根平和貢献賞などにより、平和のバトンは、さまざまな活動をとおして人々の手から手へ託されながら未来につながっていきます。

 また、沖縄と同様、悲惨な戦争体験などを持つアジア諸国の若者と沖縄の若者が共に学ぶことで、国籍や文化の違いを超えてつながり、培った平和への思いを共有し、遠く離れていても、「平和への架け橋」となるネットワークを築いております。

 私たちは、沖縄から世界へ平和の輪がつながっていくことを目指し、核兵器の廃絶、戦争の放棄、恒久平和の確立のため不断の努力を続けてまいります。

 くぬ地球(みふし)ぬ上(うぃー)から有(あ)る丈(うっさ)ぬ戦争(いくさ)、無(ねー)らんなすくとぅ。

 一人一人(ちゅいなーちゅいなー)が弥勒世(みるくゆー)(平和) 願(にが)いる心気(しんち)(心持ち)繋(ちな)じ行(い)ちゅるくとぅ。

 食料分配(かみむんゆらー)てぃ、希望(にげーかない)とぅ信頼(たゆいがなさ)育(すだ)てぃてぃ、笑顔(われーがう)んかい囲(かく)まってぃ一生(いちぐ)とぅじみ(遂げる)らりーるくとぅ。

 うぬ為(たみ)に必死(ぬちかじ)り努力(はま)てぃ私達(わったー)から未来(さちじゃち)ぬ子供達(わらびんちゃー)んかい繋(ちな)じ行(い)ちゃびらな。

Let us free this planet from all battles and wars

 By connecting the hearts of all those who wish for peace

Let us always live together with smiles

 By sharing food, fostering hope and trust among nations

It is time to show our “Bankoku Shinryo” spirit to the international communities and to pass the batonof “Chimugukuru” to our children, and future

generations! 

 本日、慰霊の日に当たり、犠牲になられた全てのみ霊(たま)に心から哀悼の誠をささげるとともに、沖縄戦の実相と教訓を次世代に伝え続け、人類社会の平和と安寧を願い、国際平和の実現に貢献できる「安全・安心で幸福が実感できる島」を目指し、全身全霊で取り組んでいく決意をここに宣言します。

 2021年6月23日

 沖縄県知事玉城デニー

 (しまくとぅばおよび英語の訳)

 地球上からあらゆる戦(いくさ)をなくすこと。

 一人一人が平和を願う心をつないでいくこと。

 食料を分かち合い、希望と信頼を育み、笑顔に囲まれて一生を遂げられること。

 そのための努力を私たちから未来の子どもたちへつなごう。
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