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2021年08月22日03:05

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言語の医学と言語の哲学の間はないのか


精神科医で哲学者の人たちっているじゃん。ラカンとかヤスパースとか。あとフロイトとかユングみたいに心理学のほうで有名で精神科医だった人もいるじゃん。本屋さんだと、精神分析と哲学の両方みたいなエリアあったりする。

でも、言語を扱うほうの哲学者で、かつ科学者とか医者みたいな人のコーナーって見たことないんだけど、これってなんでなのかなあ。言語を扱う哲学自体はあるじゃん。ソシュールとかヤーコブソンとかデイビッドソンとかウィトゲンシュタインとかそういう人いるじゃん。だから、言語とか、言葉について考えるみたいな哲学自体はある。だけど、言葉を扱う系の哲学と医学とか脳科学の間みたいな分野を聞いたことない。なんでなんだろう。そういうのがあっていいと思ったりするんだけど。

フロイトとかが、ひたすら患者さんの症例から人間の精神がどうなってるのか考えたみたいに、実際に言葉を扱う機能を失ったり言葉を上手く話せない人や読み書きが困難な人とかの症例から、人間にとって言葉が何なのかっていうことを哲学者として考えてまとめたみたいな人って聞いたことないんだけど。

なんかそういう、精神分析と哲学の間みたいな分野があるみたいに、言語に関わる疾患の分析と言語についての哲学の間みたいな分野があってもおかしくないかと思うんだけど、なんか聞いたことない。少なくとも本屋さんとかでそういうコーナー見たことない。私が知らないだけであるのかなあ。一人、日本人の言語学の先生で、研究のやり方が完全に脳科学な人は見つけたけど、今のところそのかたくらいしか見てない。

これってなんでなんだろう。父が失語になってから、脳のどこでどういう処理をして人間が言葉を話せるのかとか、どうやって文字を読めるのかとか、いろいろな情報を見て分かったけれど、そういうのは実際に失語になった人とか、言語に関する障害のある人とかの症例を見たり、その人たちの脳を調べることで発見されたことなのだよね。

人間に関わる何かについて知りたかったら、それを失った人とかそれに関して障害のある人をよく見るのがとても有効なんだよね。人間の精神について知りたかったら精神疾患のある人をよく見ることでいろいろ分かるのだよね。それみたいに言葉について理解したかったら言葉を使うことに支障がある人たちを見ると役立つかと思うのだけど。医学や言語聴覚療法の分野として失語や言語障害を扱うものはたくさんあるし、脳科学的に人間が脳でどのように言語を処理しているか扱うものもあるけれど、そういうことを踏まえた上で、患者さんの症例を元に人間と言葉の関係そのものについて、その人が考えたことを書いているような分野は知らない。

なんでそういうのがあまりないのかは分からないけれど、自分が思い付く原因はとりあえず4つくらいあるかも。

1つ目は、新しいから?
精神分析はかなり昔からされてたと思うし、精神疾患の診断と治療は、今みたいな科学技術がなくて機械とかなくても、人間対人間だけでも成り立つことかと思う。そこからいろんな症例を見て人間の精神がどうなってるのか考えることはできると思う。でも言葉について扱う場合、脳のどの部分が損傷するとどんなふうに言葉に支障が出るのかとかを分かるためには脳科学がある程度進んでからじゃないとできないから、ブローカなら少なくともブローカさんがブローカを発見した後からじゃないとそういう視点からの研究って始まらない。だからなのかなあ。脳を分析する技術ができてからでないとできない、みたいな。でも、ブローカさんがブローカを発見したのは1861年で、ウェルニッケは1874年とかみたいだから、もうかなり長いこと経ってるけどね。

2つ目は、少ないから?
精神疾患全体なら、かなりの症例があると思うけれど、言語に関わる疾患と障害は、それに比べると少ないから?でもかなりいることはいるわけだから、これもあまり大した理由にならないかと思うけれど。

3つ目は、そういう人があまりいないから?
なんとなく、精神科医のような人間の精神を扱う人で哲学にも興味を持つ人はいそうな感じがするけれど、人間の脳を扱っている脳外科医とか脳科学者で言語障害に詳しいみたいな人で哲学も興味あるみたいな人って、あまり多くはなさそうな感じがするから。でもこれは私の勝手な想像。

4つ目は、そういうのがいらないから?
人間にとっての言語を考える上で、症例から考えるような視点が必要とされていないから?
あと、哲学のほうで扱う言語は、もう完全に言語それ自体の問題を扱っているから、そちらで独立していて、全く別な分野だから。そこでは人間の言語を扱う機能については議論の対象にならないから。でもそれはそれで独立してあるとしても、それとは全く別な分野として、言葉それ自体を医学の方向から考えるみたいなジャンルがあってもおかしくないとは思うのだけれど。

これだけ書いておいて実はけっこうそういうのあるのかなあ。

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