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2021年06月22日12:36

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ショートショート「ウインドウ」

「ウインドウ」   ボディー

満月の月明りの中、玲子は、向かいの高校生、健司の事を考えていた。
歳の差は、5歳下、憎めないのよねぇ〜
挨拶もキチンとしているし、顔も、まあまあだし、つまみくかな。


「おはようございます」
「おはよう」
「何時も綺麗ですね」
「あら、そう、口が上手いわね」
「本当ですよ、僕が、嘘言ってどうするのですか」
「そう、嘘でも嬉しいわ」


玲子は、会社に着くと、ロッカーからマリファナを取り出した。
トイレで、火を点ける。
最近、男運が、無いのよねぇ〜
ちょっと良い男は、売れ切れだし、もう少しランクを下げないとダメかしら。
隣のトイレから 「ランクを下げるって、どう言うランク?」
「洋子じゃないの、しいて言えば、男の度量よ」
「度量のランクね、今は、度量の有る男は、貴重で、出会わないわね」
「クズばっか」
「やはり都会まで手を伸ばさないと無理かも」


健司は、同級生が、子供にしか見えなくて、音楽教室に入り浸っていた。
「先生、女性の、あそこって、どうなっているの?」
「バカ、女性に聞くもんじゃない」
「そっかぁ〜女性の事は、女性に聞くのが、1番だと思ったんだけど」
「教えられる事と教えられない事が、有るの、あんた興味深々だわね」
あ〜乗りたい。
「バカ、聞こえたわよ」
扉の鍵を閉めて
「教えてあげるからこっちに来なさい」


「あ〜スッキリした」
教室に戻る。
「そんなに具合が悪いなら、今日は、帰ってもいいぞ」
ラッキー
「じゃ、そうさせていただきます」
さて、ゲーセンでも行くかな。



「おじさん、今日も出しているのね」
「打ち方を教えてくれない?」
上から下まで、なめまわす様に見て
「タダじゃ駄目だ」
「そう、おっぱい揉んで良いから、教えてよ」
「その貧乳をか」
「まっ、失礼しちゃう」
打ち方くらい知っているのよ、高校生だと思って馬鹿にしているのね。
う〜ん、良い鴨は、居ないかしら?
「あれは、駄目だし、あれも駄目だし、あれは、やくざだし」
今日は、帰ろうっと」
ゲーセンに行くと、健司が、居た。
「よっ、また休んだの?」
「なんだ、恵子か、最近具合が、悪くてな」
「具合が、悪いのにゲーセンにいるわけぇ?」
「心の病気なんだ」
「そりゃ、大変ね」
「大人になって、普通のセックスが、出来るか心配なんだ、つまり愛し合えるセックス」
「ふ〜ん、考えた事もない」
「なっ、愛し合わないか?」
「あなたと」
・・・
「まっ、暇だし、良いわよ」
上がれよ、誰も居ないから、安心して声も出せるぜ」

「あ〜スッキリした」
「何よ、自分だけイって」
ブラジャーを着けながら、やはり健司じゃ駄目ね。
あのおじさん何処へ行ったのかしら?


恵子の求める、おじさんは、海外に出かけていた。
ヨーロッパをぐるりと回ってみたが、何処の国へ行っても手配されている感じだ。
まったく誰だ、俺の自由を奪おうとする奴は?

日本に帰って来て、パチンコ屋に行くが、どうも以前の様に燃えない。
勝つ事は、出来るのだが、心が、夢中になれない。
「みっつけた、おじさん、何処に行っていたの?」
「なんだ恵子か」
「ちょっと海外に行っていたんだ」
「おじさん、パチンコの打ち方を教えてくれない?」
「打ち方かぁ、まあ良い、座れ」
「ともかくタイミングをずらして打て」
「ただ、それだけぇ?」
「勿論、能力が上がれば、今、天国なのか、地獄なのかが、分かるのだが、今の、おまえでは、タイミングだけだ」
「ふ〜ん」

やはりおじさんだわ、3回もイッちゃった。



玲子は、ストレスが、最高潮になっていた。
「あのボケ課長、今にみてやがれ」
ストレス発散にゲーセンのパンチングマシンで殴ってみたが、ストレスは、解消されない。
「玲子さんじゃありませんか、こんばんは」
「あんた家に帰らなくて良いの?」
「まっ、あの、くそおやじと何の話もないから」
高校生じゃ、飲み屋に連れていけないし、どうしよう?
ウズウズしてくるし、思い切ってホテルに誘うか。
「健司、彼女は、居るの?」
「居ないよ、どうも同年代じゃ、イマイチ燃えないんだ」
「そっか」
「飲まない?これから」
「良いの、行く、行く」
コンビニで、お酒を買って、ホテルに向かう。

「イッちゃう、イッちゃう、イッちゃう」
「あんたテクニシャンねぇ〜何処で覚えたの」
「教えてくれる音楽の先生が、いるんだ」
「ふ〜ん」
あら、まだ立てないわ

     END



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