中国上空で最近、「未確認飛行物体」(UFO)が増加し、人民解放軍がこれを追跡・分析するため人工知能(AI)を導入しているそうだ。ただ中国の科学者は「宇宙人よりも人間が原因である可能性が高い」とみて、慎重に調査を進めている。
◇目撃情報は幅広く
中国人民解放軍空軍預警学院出身の研究者は、香港の有力英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)の取材に対し、未確認飛行物体に関連した目撃情報が近年、軍民問わず幅広く寄せられ、人による分析では間に合わない状況になっていると明らかにした。
この研究者は北京で2019年に開かれた情報技術科学者の会議で「この状況は、中国の空の安全保障に厳しい課題を与えている」と報告したという。
その中で明らかにされたのは、軍の特別部隊が未確認飛行物体に関するデータを分析するためにAI技術に頼っているということだった。
AIは既成概念にとらわれない思考ができ、異なる時間・場所でとらえられた多数の断片情報を点検して、人にはわからない関連性を描ける。AIを使った分析によって、その物体が▽敵対する国によるものなのか▽アマチュア航空愛好家によるものなのか▽自然現象なのか▽そのほかの理由によるものなのか――の判断に役立てているという。
一方、未確認飛行物体の増加について、陝西省西安を拠点に活動するレーダー科学者は「宇宙人よりも人間によるものである可能性が高い」と指摘する。その一つが、多様な小型無人機(ドローン)の存在。中国でここ数年、低空飛行に対する規制が緩和され、ドローンも安価となって急激に普及している。このドローンが「未確認飛行物体」としてとらえられているのではないかという見方だ。
もうひとつが、南シナ海を含む中国近海の敏感な場所で活発化する米軍の動き。この状況のなかで「直ちに説明できない物体の出現が増えている」という背景もある、という指摘だ。
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