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2021年05月28日06:21

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ランプの宿。

5月27日(木)。

朝から激しく雨が降った。
周りの色を吸収するような白い雨だ。

先日、マイミクさんが「スーパーカブ」を枕に置いて音楽についての面白い日記を上げていて、「スーパーカブ」に反応してコメントを入れさせて貰ったが、そうだ、およそ40年前、カブで湘南から太平洋側をトコトコ走って北海道函館まで行ったのは丁度今頃の季節、北海道には梅雨が無いと聞いて、よし梅雨の無いところへ行こうと思ったのがきっかけだった。
フォト


雨具を何の準備もしないお気楽旅、一日300キロを目安に走って3日で本州を走破、函館に渡ったところで雨雲に捕まった。
地図も何も無い標識だけが頼りの旅だったので何と言う駅だったか思い出せないが、函館から一つ二つ先の小さな無人駅の待合室で激しく降る雨をしばらく眺めて、小降りになったところで北海道一周を断念、引き返した。

雨合羽と長靴を調達して帰路は日本海側、十和田から八幡平を下りたところで夕方、渓流沿いを走っていたら小さな吊り橋があり、その向こうに小屋があったので吊り橋を渡って訪ねてみると温泉付きの旅館。
旅館と言っても灯りはランプ、4畳半ぐらいの小さな部屋、食事はついていなくてさんまの蒲焼きとか鯖の水煮とかの缶詰、魚肉ソーセージなどを売っていた。
それで腹を満たして爆睡。

翌朝早く、温泉に行ったら白い湯煙が上がる中、女性たちの賑やかな声と男たちの低いそれでもはしゃぐ声が聞こえる。
アレ、ここは男湯だったよなぁ、と思いながら歩を進めると、中の女性が気がついて「あっ!一緒に入ろう」と誘ってくれたが、固辞してまた後で一人入った。

あの一団は山菜取りに来て湯治場で身体をほぐしていたのだろう。
それから色んな宿に泊まったがあの宿が一番想い出に残っている。

それから十数年後、紅葉狩りの帰りにあの道を通ったが、まだ吊り橋はあり、ランプの宿もそのままあった。

※写真はイメージ。

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