2021-05-15　小塩屋（岐阜市）

　土曜の昼、家族と外食の嗜好が一致しないとき、または家族が希望する店舗が、自分が午後から行動したい方向と異なるとき、「ぼっち飯」となる。
　従来、こんな時は自分がその時々で食べたいラーメン屋へ嬉々として車を走らせていたが、最近、特に朝食を軽く食べて昼時に猛烈に空腹なときは、どうしてもラーメンに白飯なりチャーハンなりを加えたくなってしまい、そうなるとラーメンか飯かどちらに重点を置いて食べたいものを考えるかとなると、やはり飯の方に重点を置きたくなくときもある。
　また、最近のラーメンは非常に高額な店が多く、トッピング無しの最低限の一杯に800円、900円という金額を割くとなると、それに小ライスを付けただけで1,000円オーバーとなってしまうことに少々コスパが悪いと感じるようになり、特に「このラーメンが食いたい」と強く思わないと、その店に行くことを躊躇うこともあるようになった。
　そんなわけで、最近は土曜の昼食には非常にコスパの良い「小塩屋」を選択肢に入れることも多くなってきた。
　今日もそんなことで独り、ＪＲ岐阜駅の西南へ車を走らせる。小塩屋は相変わらず混んでいて店の北側にある駐車場は一杯だったので、しばし車内で待つ。
　１０分しないうちに、食べ終えたタクシー運転手が戻り出て行ったので車を入れて店の前に立って本日のおすすめを見る。
　本日も色々あるが、今日はどうしてもラーメンも食べたくて、おすすめを止めてまた「ラーメン定食」にするかと思っていたら、おすすめメニューの一つ「ミックスフライ定食」に「（小ラーメン）」とある。
　これこれ、これでいいんだ、ラーメンメインではなく、定食の汁の代わりにラーメン。いいじゃないか。ちなみに小ラーメンは赤出汁味噌汁に変更もできて、その場合50円安くなる。またフライに掛けるのをソースか味噌タレかを選択できるようだ。どんなフライがミックスされるか分からないから、ここは慎重を期してソースで行こう。
　1時を過ぎたばかりで店内はかなり混んでいるが、丁度良く、4人掛けのテーブルで食事をしていた老婦人が立ち上がったところであり、その対面席に座ることとした。
　ミックスフライ定食（小ラーメン）をソースで頼み、テーブル上のポットから暖かいお茶を注いで飲みつつ待っていると、また複数の客が入ってきたので、一人で4人関を占有するのも気が利かないから、隣にまだ前客の食器が片付けられていない席があったので、配膳の女性に断ってその対面の席へと移ることとした。
　今までいた席には家族と思われる老人3人（老夫婦とその親らしき婦人）が座ってきたが、この3人、これだけ新型コロナが流行して岐阜でも蔓延防止措置やら緊急事態宣言やらが出るかもというのに、ノーマスクである。おまけに家族間とは言え、直ぐ横の席に私が座っているのにベラベラと会話をしている。信じられない。その周囲は全員マスクをしているのにだ。こういう人間が居る限り流行は止まらないのであろう。
　非常に店内に客が多い関係で注文品が中々来ない。随分待って取り合えず、小ラーメン以外が来た。写真を取ってから食べたいから小ラーメンを待ったが、これが全然来ない、他の客が頼んだミックスフライ定食の小ラーメンは出ていくが、自分のは全然こなくて、そのうち後から入れた注文の定食が出ていくようになったので、たまりかねて督促をした。
　やっと来た小ラーメンを入れて写真を撮り、直ぐに箸を割る。
　やはりラーメンから手を付ける。相変わらず安定の鶏出汁醤油ラーメン。旨い。中細の縮れ麺が良くスープに絡んでスルスルと啜ることができる。まさしく「こういうので良いんだよ」的なラーメンだ。小ながら、ちゃんとチャーシューと蒲鉾が一切れずつ入っているのが嬉しい。よく定食に付随する「やっつけ」なラーメンでは無い。
　メインのミックスフライはといえば、これは豪華だ。ヒレカツ2枚、エビフライ2本、そしてチキンカツが1枚。キャベツと貝割れ太鼓jのサラダに少量ながら螺旋状のマカロニを使ったサラダも付いている。ヒレカツには黒いトンカツソースが、エビフライにはタルタルソースが分けて掛けられており、カラシもちゃんと皿の隅に擦り付けてあることから、「しまった、これならソースじゃなくて味噌タレにすれば良かった」と思ったが後の祭り。
　充分ソースでも美味しいのが見て取れるから、味噌タレは次回チャンスが有ればと言うことにしよう。
　カツやフライは揚げたてなので熱くてサクサクなのは言うまでもないこの店では当たり前のこと。タルタルソースは自家製なのか、塩分が少なめで飯のオカズとしてはちょっと物足りない気がするも、それを補う小ラーメンスープで、白飯はモリモリ食べていける。
　前回、ラーメン定食の白飯を大盛にしてその量の多さに苦戦したことから、今日は並盛りとしたが、それでも大ぶりな茶碗（というより、これはもう、丼）に一杯よそいであるので、飯の量には不満は無い。
　カツを食べて脂っぽくなった口にキャベツと貝割れ大根のサラダが合う。このサラダにはちゃんとマヨネーズが添えてある。また、それ以外の口直しとしては小皿にピリ辛モヤシが付随しているので、これで口中をリセットできる。
　モリモリ、ガツガツと食べて行き満腹でご馳走様。
　食べ終わった頃に同じテーブルに相席となった客へ今日のおすすめの一つである炊き込みご飯のセットがとどき、こちらには刺身と茶碗蒸しが付いていた。この茶碗蒸しも既製品ではなく、ちゃんと店で蒸しあげた茶碗に入ったもので、具沢山で美味しそうだ。そして何より、今家庭では作ってくれなくなった茶碗蒸しなので、非常に懐かしく、うらやましかった。次回は茶碗蒸し付きのセットを頼もう。
　また、隣席の件の老人一家、一人が頼んだ、こちらも今日のおすすめセットである天ぷらセット、キスの天ぷらがとても美味しそうでまた、大きいのでこれもまた、いつか食べてみよう、総じて今日の自分は小ラーメンにこだわり過ぎたか。
　しかし、これだけ満腹になって900円（税込）とは、とてもとても満足だった。当分土曜の昼はここかな。