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2021年05月05日11:57

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最近知ったエンジンの秘密(2)

思いついたので一つ前の日記に続いて最新知ったエンジンの秘密を書きます。
(私はエンジンの専門家ではありません。)

それは2サイクルエンジンに疑問を感じたから調べたのです。
今や2サイクルエンジンと聞くと多くの方は「原付などの小型バイク用」とか「相当昔の軽自動車のエンジン」とか思い浮かべるでしょう。
つまり今は極めて少数派であり、販売されていても小出力のものしかないと。

私もそう思っていたのですが、実は2サイクルばかり採用されている分野があるのです。
それは船舶用ディーゼルエンジンです。
もちろんモーターボートや小さな漁船などはガソリンエンジンまたは小型の4サイクルディーゼルエンジンを使っていますが、それ以上の大型船は全て2サイクルディーゼルエンジンなんですね。

それも通常イメージしている2サイクルエンジンではなくて、
「ユニフロー掃気ディーゼルエンジン」
という特殊な構造のものです。

今回も【汚い手書き】の説明図を添付しましたが、シリンダーの下側から空気を吸って燃料噴射・点火して排気ガスは上側から排出させるという【ガスの流れが一方方向のみ】のエンジンだそうです。

通常のエンジンはガソリン/ディーゼル共に吸排気口は別々でも上側から吸排気を行うので、吸気と排気ガスが一時的に混ざることになります。

でもユニフローは一方方向のみなので両者が混ざらず熱効率が非常に良いそうです。
ガソリンエンジンの熱効率が一般的に30%くらい(最新のもので40%代もあるとか)、ディーゼルエンジンは40%代と言われていますが、ユニフローエンジンは軽く50%を超えるそうです。

これは大型船舶では重要な事です。特にタンカーなどは24時間数か月にも及ぶ連続運転をしますので、いくら燃料が安い重油や軽油であってもエンジンの効率は大切です。

ユニフローはガスを一方方向にするために、吸排気共にポンプ(吸気側はいわゆるターボ)が付いていて、排気も強制排気です。

2サイクルを利用する意味は構造が単純で故障が少ない他に、高回転回さないとか1回の回転で1回爆発なので出力が大きくなるなどがあるようです。
特に大型船舶のピストンストロークは数mにも及ぶものがあるので1回転で1回くらいの爆発がないと高出力が得られないのでしょう。

添付写真は世界最高出力のタンカー用ディーゼルエンジンですが、もちろんこれも2サイクルのユニフローエンジンです。
10気筒11万馬力でフィンランドのバルチラ社だったと思います。


でも考えてみたら新鮮な空気(または燃料との混合気)と排気ガスの出入口がほぼ同じ場所で、一時的でも両者が混じるのは素人目で見ても良くないことでありますね。

ちょっと余談ですが実はこれらの吸排気システムって生物の肺に置き換えられるんです。
(エンジンは肺からヒントを得たかもしれない。)

我々始め哺乳類、多くの生物は皆肺が外に繋がるパイプ(気管)は1本だけで、これで吸気と排気を兼用していますが、実はあらゆる生物の中で鳥だけはユニフローエンジンと同じように肺には入口と出口が別々にあるんですよ。

しかも入口(息を吸う方)と出口(息を吐く方)にはそれぞれ独立した複数個のポンプ(気嚢 きのう)があって向かい風に向かって飛んでも安定した呼吸が出来るのです。
息を吸う方の気嚢はつまりターボなので高空でも呼吸が出来て1万m超の上空を飛べる種もいます。

渡り鳥はこの呼吸システムの他に、飛びながら左右の脳が独立して睡眠をとれるので長距離の飛行が可能なのです。
鳥の呼吸システムはあらゆる生物の頂点と言われているので恐竜が滅びても翼竜は残ったと言われています。

どう考えてもエンジンも生物、そして鳥の呼吸システムを真似た、ヒントを得たとしか思えません。

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